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今度はNokia対Appleの特許訴訟、Nokiaが日本を含む11ヵ国でAppleを提訴

2016年12月24日 09時00分更新

 NokiaがAppleを特許侵害で提訴した。40件以上の特許を侵害しているとしており、ドイツ、米国、それに日本を含む、計11ヵ国で訴訟を行う大規模なものとなる。Appleは前日にNokiaを提訴しており、2社の対立が激化した形だ。

 Nokiaはまず12月21日、ドイツと米国の2ヵ国で自社特許を侵害されたとしてAppleを提訴したことを明らかにした。ドイツでは、デュッセルドルフ、マンハイム、ミュンヘンの3地方裁判所、米国はテキサス州東部地区の連邦地方裁判所で書類を提出したと報告している。

 NokiaとAppleは2011年に一旦は特許係争で和解している。そして2社は特許ライセンスで合意しているが、Appleは自社製品で(合意でカバーされていない)Nokiaの特許技術を使用しながら、Nokiaのライセンス提案を拒否したというのが今回のNokiaの主張だ。

 Nokiaは無線/有線のネットワーク技術分野でSiemensとの合弁会社Nokia Siemens Networksを展開してきた。その後、Siemensの株式を買い取り、2013年にNokia Solutions Networksとなり、2015年にはAlcatel-Lucentの買収も発表している。2013年には端末事業をMicrosoftに売却。その後はネットワーク技術のNokia Networks、IPと最新技術の研究を行まうNokia Technologiesなどの事業を持っている。

 Nokia、Lucent、Alcatelといった企業は、Ericssonと同じく携帯電話の黎明期から技術開発を行なっており、必須技術特許を多く所有している。Nokiaは「過去20年にわたって1150億ユーロを研究開発に投じてきた。我々は多数の特許を所有しており、これらはスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューティングなどのデバイスで使われている重要な技術をカバーしている」と主張している。

 Nokiaの特許事業トップ、Ilkka Rahnasto氏は「我々は継続して研究開発に投資をしており、現在のモバイルデバイスで使われている土台技術の多くを構築、または貢献してきた。これにはAppleの製品も含まれる」とし、「Appleがこれらの特許を使用するのに対して、数年にわたって合意を試みてきた」と説明している。

 22日に発表した声明文では、21日に発表した訴訟を拡大するとして、米国とドイツに加えて、フィンランド、英国、イタリア、スウェーデン、スペイン、オランダ、フランス、香港、日本の9ヵ国、それに米国では国際貿易委員会(ITC)で提訴した。合計11ヵ国となり、特許の数は40以上。ディスプレー、ユーザーインターフェース、ソフトウェア、アンテナ、チップセット、ビデオコーデックなど多岐の技術分野に及ぶ。

 その前の20日にAppleは、Nokiaと米Acacia Researchなどをカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所で提訴している。ここでAppleは、Nokiaが特許の一部をライセンス合意から外し、ロイヤリティー(特許使用料)を高くする目的でサードパーティーに移管したと主張している。Acaciaは2012年、Nokiaから特許を買収している。

 なお、スマートフォンの特許に明るいFlorian Muller氏は、「Nokiaはパテントトロールになった」とNokiaの行動を非難している(http://www.fosspatents.com/2016/12/apple-now-suing-nokia-itself-on.html)。

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