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キャリア版を超える最新ハイエンドSIMフリースマホをチェック

2016年12月05日 12時00分更新

SIMフリースマホ乗り換えの前に2016年冬の最新事情をチェック!

 2016年冬のSIMフリースマホ市場は、各メーカーともハイエンドから低価格モデルまで幅広くラインアップを展開。話題の「格安スマホ」の契約を考えているユーザーはもちろん、個性的なスマホが欲しいユーザーも満足させる製品が一気に登場した。

 今回は格安スマホの契約を考えている、もしくは個性派スマホが欲しいユーザーにこの冬注目のSIMフリースマホを紹介。さらに「格安スマホ」を提供している注目のMVNOについても解説していく。

格安スマホは価格競争からサービス競争へ
ユーザー流出が続くキャリアは別ブランドで対抗

 2016年は「格安スマホ」といった呼び方で、さまざまな企業が提供する低価格な料金プランと、SIMフリースマホがすでに当たり前となり、キャリアからの乗り換えユーザーが爆発的に増加した年となった。今回は、2016年冬の格安スマホとSIMフリースマホのトピックを解説。後半では注目のハイエンドスマホを紹介する。

 最初にあらためて「格安スマホ」について説明しておこう。

 格安スマホを提供する事業者やの多くは、自社で携帯電話サービスの設備を持っていない企業が、ドコモやauなどが持つネットワークを有償で借りて提供している。業界用語ではそういった事業者をMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ぶ。

 設備はドコモやauのものを借りているため、利用できるエリアは同じだ。ただし、料金プランや実効通信速度、サポートなど各種サービスは事業者によって異なる。

 多くの事業者は、料金の安さを重視して「通信料込み月1728円」などの低価格なプランを用意している。最近では低価格プランとSIMフリースマホのセット販売も充実し、スマホに詳しくない初心者でも契約しやすくなってきた。

 これをふまえて、最新の格安スマホのトレンドを見ていこう。

「格安スマホ」に明確な定義はないが、最近ではMVNOの格安SIMと低価格なSIMフリースマホの両方を指すことが多くなってきた。各社とも需要に合わせて、格安SIMとSIMフリースマホのセット販売プランを充実させつつある

LINEがモバイル通信事業にも参入 競争は価格からサービスに

 2016年は総務省の割引規制などスマホ市場の変化もあり、安くスマホを使う方法として格安スマホに注目が集まった。

 そこで、各社ともスマホ初心者が格安スマホを契約しやすいよう、店頭の受付窓口の充実に力を入れはじめた。現在では多くの格安スマホ事業者が家電量販店や独自ショップでの即日MNP(番号ポータビリティー)契約に対応している。料金面でも、通話定額プランやSIMフリースマホとのセット販売など、ドコモやau、ソフトバンクの三大キャリアと同じように契約できるプランが増えつつある。

 さらに、2016年秋に参入した「LINEモバイル」は、LINEなどのSNSサービスの通信料が無料になるサービスを開始。ケイ・オプティコムの「mineo」は、基本料金が月額864円高くなる代わりに通信の混雑を回避できる「プレミアムコース」の試験サービスを実施。格安スマホの競争は、当初の価格競争からサービスやサポート体制の競争へと移行しつつある。

LINEモバイルのSNSサービス通信料無料など、料金の安さ以外のサービスに対応したMVNOが増えてきた

ワイモバイルとUQ mobile、大手もサブブランドで参入を開始

 格安スマホが話題になるなか、ソフトバンクは自社のサブブランド「Y!mobile(ワイモバイル)」で対抗。KDDIグループの「UQ mobile」も、2016年秋冬から店頭販売やCM展開を本格化し始めた。

 この2社の料金プランは各種割引を除くと最安で月3218円(最初の13ヵ月は月2138円)からと、最安価格はほかの格安スマホよりも月1500円ほど高い。しかし、この2社は格安スマホの多くが混雑で繋がりにくくなる平日昼間も、快適な通信速度で利用できることが多い。

Y!mobileとUQ mobileは自社または自社グループで携帯電話網を持っており、通信が混雑しがちな平日昼間でも10Mbps以上の速度が出やすい

 この2社を契約する場合は、利用するスマホに注意が必要だ。

Y!mobile利用時の注意点

 Y!mobileのSIMは、多くのSIMフリーAndroidスマホでそのまま利用できる。Y!mobileのサイトでも、ASUSやファーウェイなど、全メーカーの全製品ではないが接続実績を公開している。

 一方、iPhoneのSIMフリー(SIMロックを解除した端末を含む)端末の場合は、動作するもののテザリングを利用できないという制限がある。

 ソフトバンク(2015年5月以降に発売された機種)の端末は、SIMロックを解除することでY!mobileのSIMを利用できるようになる。ただし、ソフトバンクとY!mobileともに、端末の接続や各種サービスの動作保証や動作検証を実施していない。端末によっては利用できない機能がある可能性もある。

UQ mobile利用時の注意点

 UQ mobileのSIMをSIMフリーのAndroidスマホで使う場合、Androidスマホ側が通信仕様として「au VoLTE」に対応していないと利用できない。au VoLTE対応のSIMフリーAndroidスマホは、ASUSの「ZenFone 3」や富士通の「ARROWS M03」、ALCATELの「IDOL 4」などいくつかの端末に限られる。SIMフリーのAndroidスマホでUQ mobileのSIMを使いたい場合は、必ずUQ mobileの動作確認情報で対応端末かどうかを確認しておこう。

 iPhoneのSIMフリー(SIMロックを解除した端末を含む)端末の場合は「iPhone SE」と「iPhone 6s/6s Plus」で利用できる。だが、最新の「iPhone 7/7 Plus」は今のところ動作確認端末に入っていない。独自の実験では、iPhone 7にSIMを入れてもテザリングを利用できないという制限があった。

 UQ mobileでも条件付きだが手持ちauのスマホをそのまま利用することが可能。「Galaxy S6 edge SCV31」などのVoLTE対応スマホ(2015年5月以降に発売された機種)は、SIMロック解除したうえで「VoLTE用マルチSIM(mini/micro/nano)」を利用できる。それ以前のLTE対応スマホの場合は、一部を除きSIMロック解除なしにサイズに合った「LTE用SIM」を利用できる。だが、端末によってはUQ mobileのSIMを使えないものもある。手持ちのauスマホをUQ mobileで使いたい場合は、必ず動作確認端末をチェックしておこう。


訂正とお詫び:初出時、UQ mobile対応端末の記述に誤りがありました。正しくは「iPhone 6s/6s Plus」も対応となります。お詫びして訂正いたします。また、UQ mobileおよびY!mobileのAndroidスマホ対応状況を追記しました(2016年12月5日)

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