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ムリしないことで、より魅力的になることってありますよね

スペックが下がって逆に良かったSIMフリー版「Xperia X Compact」レビュー:週間リスキー

2016年10月30日 11時00分更新

※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーとやんちゃデジタルKidsたちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。「小さきこそ正義」がわからぬ方はご注意ください。

 自腹で買った「Xperia XZ」に続いて、グローバル版の「Xperia X Compact」をEXPANSYSさんよりお借りしたので早速実機を触ってみました。

 大型化したスマートフォンの中にあって、コンパクトをウリにした「Xperia Z5 compact」から1年ぶりのモデルチェンジで期待感も高まりつつもいくつか気になるところも多い機種なので、ひとつひとつチェックしてみましょう。

標準サイズと比べつつ、外観をチェック!

 「Xperia X Compact」の本体サイズは、長さ約129ミリ×幅約65ミリ×厚さ約9.5ミリ、質量は約135グラム。

 ディスプレーサイズは、4.6型HD解像度(720×1280ドット)となり、「Xperia XZ」の5.2型フルHD解像度(1080×1920ドット)とのディスプレーサイズの差から本体のタテヨコサイズはかなり小さくなっています。

 Compactの機種も、もうそろそろフルHD解像度になってくれるかな、という期待感がありましたがディスプレーは現状維持のようです。

 単体で見ているには特に大丈夫かなという感覚もありますが、「Xperia XZ」や「Xperia Z5 Premium」に慣れていると、ドットが気になったりします。

 もう薄型化の方向よりもむしろ、厚みが増えているような気もしつつ、ディズプレー面から背面にかけてなだらかにラウンドさせることで、手に持った時の収まりも良くて、しっかり片手で握って使えるのはこのサイズ感ならではです。

 気になっていた外観をチェック。「Xperia Z5 Compact」では、フロストガラスを採用して半透明のガラスの落ち着いた雰囲気と質感を兼ね備えおり、Xperia Zシリーズの特徴でもあったものを、今回「Xperia X Compact」ではバッサリやめて、樹脂製に変更。

 多層コーティングを施すことで、陶器のような質感と言われても、そこはもしかするとプラスチッキーと捉えられるかもしれない。

 この不安がずっとつきまとっていましたが、実機のユニバースブラックを手にとってみたところ、アラアラいい具合の光沢感がいい具合に質感をかもし出しています。

 少しダークブルーの要素があるのか予想外にカッコイイ。ただし、光沢感たっぷりなのでお約束で指紋がベタベタつきます。これは保護フィルムかなにかを貼ったほうが良いかもしれません。

 本体は樹脂なこともあって(?)、「Xperia XZ」のようにNFCは正面にまわることはなく、本体の背面中央にあります。

 電源ボタンは、指紋センサーを備えているので、本体を持つという動作でロック解除ができる使い勝手の良さ。採用されて1年も使い続けるともうすっかり馴染んでしまって、これがないと困ります。

 長らく続いたmicroUSB端子は、USB Type-Cへと変わりました。もう身の回りにmicroUSBだらけなので、切り替え当初はとまどいますが、USB Type-C自身の使い勝手はとてもよくて、オモテウラどっち向きでも差し込めるラクさのとりこになります。

「防水防じん」のカラクリにほんろうされました

 それからワリと本気でショックだった、グローバル版発表時の「Xperia X Compact」は防水防塵機能には非対応の文字。

 まさかXperiaだからこそのメリットがなくなるのはガッカリでしたが、その後国内向けモデルの「Xperia X Compact」には防水防塵機能があるよ、と……。

 おや? これはいったいどういうことでしょう? どうやら、グローバル版と国内向けモデルではハード的な違いはないらしく、おそらく防水防じん機能の検証と、あとは実際に各国の支社やキャリアがサポートするかどうかということまでを踏まえて、仕様の違いが生まれているようです。

 確かに、microSD、nanoSIMカードを入れるフタ部分にパッキンついてますしね。

 よーし、じゃあグローバル版の「Xperia X Compact」も濡れても大丈夫だね!イエーイ!と濡らして壊れても、保証されないので十分注意しましょう。えぇ、本当に誰も責任とれませんから。

基本スペックの構成もいままでとは違う

 もうひとつ気になるのが、採用プロセッサーの変更です。いままでは大画面モデルと同じハイスペックなプロセッサーを搭載する「プレミアムコンパクト」がウリでした。

 しかし、「Xperia X Compact」のプロセッサーには、ミドルレンジ向けのSnapdragon 650になってしまいました。

 ここも「なんてことだ!」と落ち込んでしまいましたが、前向きに考えることにしました。「Xperia Z5 Compact」を使っていると、Snapdragon 810なのに妙にカクつく事象に出くことが多く、同じプロセッサーの「Xperia Z5」や「Xperia Z5 Premium」にはそういったことがなかっただけに、気にはなっていました。

 その要因を考えると、やはりコンパクトさゆえの放熱設計の限界と、あとはメモリーの少なさ(Z5までは2GB)でしょう。であれば、多少は性能は低くなるとはいえ、最新プロセッサーであるSnapdragon 650と、増量した3GBのメモリーを搭載したほうが、明らかにトータル性能は上がります。

 確かに、「Xperia X Compact」を使う限りは、まったく関係ないところでカクつくこともなく、快適に動いているのでこれはこれで正解だったのではないかなと。

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