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鉄道懐中時計が欲しいっ 国鉄時代の逸品、完全復刻

2016年10月01日 18時00分更新

 懐中時計がほしい。しっかりしたものがほしい。

 懐の中に時計をしのばせて、そっと時間を確認する。そんな大人のぜいたくな時間があってもいいじゃないかと。自己満足と言われるかもしれないけれど、そもそも、大人の持ち物ってそういうものじゃないかと思います。ただ、どうせなら、きちんとしたものがほしいと思いました。

 という話をしていたところ、アスキーストアの担当者が「きちんとした懐中時計ありますよ」と「PRINCE懐中時計」を持ってきました。価格は2万9160円。きちんとした価格に思えますが、いったい、どういうもなのでしょうか。

 2017年、日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化によりJRが発足して30年になります。それを記念して、大正時代初期当時の日本時計産業における3大メーカーの1つ、村松時計製作所(銀座村松時計店製造部門)が製造した鉄道懐中時計を、できるだけ当時のままに復刻、製造されたものです。

風格、佇まいがあります

裏蓋に「鐵道省鐵道従業員 公務御用品」刻印入り。汚れているように見えるかもしれませんが保護フィルムです。本体はピカピカです

 モデルとなった懐中時計は、当時の国立中央気象台の認定を受け、鉄道省の幹部、主要駅の駅長に配布されていた公務御用品でした。文字盤に日本の鉄道シンボルである動輪ロゴ、裏フタには「鉄道省鉄道従業員 公務御用品」の刻印があります。時計の原型は、現在国立科学博物館に展示されている「PRINCE Chronometer」です。

 メーカーのエムアイシー(ムラマツインターナショナルコーポレーションの略称)は、明治時代、他社では困難だった天皇陛下ご愛用時計や宮殿内時計の修理を成し遂げたことから信頼を得て皇室御用達時計店となった、「村松時計製作所」の企画・制作・販売部門です。

「村松時計製作所」のかつての姿。写真右下に「村松時計店」の看板が見える

ワニ革合皮特製ボックスに収納

「日本国有鉄道 民営化30周年 記念懐中時計」の文字がまぶしい

 懐中時計は視認性の高さ、耐磁加工を施しやすい特性などから、鉄道時計として職員に使用されてきたという歴史があります。多くの電車や機関車などの運転台には、計器板の中央、もしくは窓脇の時刻表立て付近に、懐中時計に合わせたサイズのくぼみがあります。運転士はそこに懐中時計を置いて、計時しながら運転するのですね。

スタンドもあります

スタンドに入れて飾ると、このような感じに

 ムーブメントはシチズンMIYOTAクォーツ(国産)。特製スタンド、チェーン、保証書、国立中央気象台検定書(当時)の鑑定書(複製)が付属します。

 本体サイズはおよそ直径53mm×厚さ11mm(上部突起部13mm、リングの直径は20mm)。チェーン部分はおよそ35.5cm。スタンドはおよそ幅96×奥行き25×高さ135mm(上部先端まで)。

 安い買い物ではない、と思います。しかし、時間を確認するなら、腕時計はおろか、スマートフォンの画面を見れば事足りる時代。そこであえて「懐中時計」を選ぶなら、格式のあるものがよいのではないでしょうか。「欲しい」という人には、「ぜひ!」とすすめたい時計です。


日本国有鉄道(国鉄)民営化(JR)30周年記念 PRINCE懐中時計

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