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新世代のラジコン飛行機は本当に初心者でも飛ばせる(広い場所は必要)

Parrot、HMDで臨場感抜群の固定翼ドローン「Disco」

2016年09月27日 20時49分更新

Discoを手にするクリス・ロバーツ氏(Parrot、JPAC地域担当バイス・プレジデント)

 Parrotは9月27日、固定翼型のドローン「Parrot Disco」を発表した。10月中の発売を予定している。

 Discoは全長58cm、翼幅115cmの全翼機型のドローンで、全体を発泡樹脂素材(+埋め込まれているカーボンのチューブ)で作られており、重量は約750gと軽量。後部にあるブラシレスモーターと2枚羽のプロペラで推進、主翼後端の動翼(エルロン+エレベーター)で操舵する。

基本操作は起動して「フリスビーのように」投げ上げるだけ、自動で上空を旋回しながら操作の待機を行なう 

 付属のコントローラー「Skycontroller 2」で操縦し、従来のドローン機や一般的なラジコン機と同様の2本のスティックで操作する。機体とコントローラーの接続はWi-Fiだが、マルチコプター型ドローンよりも遠距離に飛ぶことも考慮し、コントローラー前部には大きな平面上アンテナを装備、見通しであれば約2km届くという。機体前端には1400万画素カメラを装備しており、前方のみではあるが空撮(機体内部に32GBメモリーを搭載)、およびリアルタイム映像伝送による飛行機視点(FPV)の映像を見ながら飛ばすこともできる。

専用コントローラーはラジコンのプロポと同じく2本のスティックで操作

Wi-Fiの飛距離を確保するための大きな平面アンテナを持つのが独特だ

 従来のマルチコプター型ドローンのBEBOP DRONE用Skycontrollerでもスマホ/タブレット画面を見ながらの操縦はできたが、新たに簡易VRゴーグル「Cockpitglasses」が標準付属する。これは手持ちのスマホをセットするもので、飛行中の映像をFPVで見るだけではなく各種飛行パラメーターの表示が可能。また、あらかじめフライトエリアを設定することもできる。アプリ内課金によるオプション機能にはなるが、ウェイポイントを設定して自律的な飛行を行なうこともできる。

機体の前部には起動スイッチが付いている。機体から上に突き出したデザインが独特だが、これはピトー管(対気速度センサー)を兼ねているため

後部の推進式プロペラは後ろ側に折れる構造(飛行中は遠心力と推力で広がる)。回していないときは後ろにたたまれるため、降着時に破損することはない

 最近のマルチコプター型ドローンと同様に、機体にはGPSや加速度センサー/ジャイロセンサー、地磁気センサー、超音波式高度計、真下の映像から機体の動きを正確に測定するカメラなどを備えている。機体心臓部であるフライトコントローラーは各センサーからの入力を処理して飛行するため、固定翼機とは思えないほどの安定した飛行が可能となっている。

機体は中央胴体に主翼をはめ込む構造。運搬時にコンパクトになるほか、衝突などでの破損でも補修・交換が容易 

 離陸に関しては機体の起動ボタンを押してからコントローラーの発進ボタンを押し、投げ上げれば自動的に所定高度(50m)の高さまで飛び、コントローラーを触らなくても発進地点を中心に旋回。あとはスティックを操作て気軽に飛ばせばよい。飛行機ラジコンであれば一定速度以下になれば揚力が足りなくなって墜落(失速)するが、フライトコントローラーが自動的に判断し失速する速度(+機体姿勢)にはならない。また電波到達範囲を超えそうになったり、あらかじめ設定した距離を超えれば自動的に発進地点に戻り自動で旋回する。

胴体前部にある赤いユニットがフライトコントローラー。カメラユニットや各種センサーなどすべて1つのパッケージに収まっている(この後部にバッテリーを収める) 

 着陸に関しては完全自動とはいかないが、操縦者が約6~10m程度の高さまで高度を落とし、着陸ボタンを押せば自動で最適な着陸を行なう。着陸脚などは持っていないため、やや「ズサーッ」と不時着するような着陸ではあるものの、自動着陸機能の速度の落とし方が上手く、機体が軽いこともあって滑走も数m程度。着陸エリア的には横10m程度、長さ数10m程度の広さがあれば着陸できそうだ(熟練者であれば向かい風を利用し、さらに短い距離で着陸させることができる)。

発表会では実際に飛行体験も。これまでほとんどラジコン飛行機に触っていない人でもある程度飛ばすことができる

ゴーグルを付けた状態でFPV飛行も可能だが、ここでは横にいる人が操縦している 

 機体はリチウムポリマーバッテリーで最大45分の飛行が可能。直線速度は最高時速80km程度が可能。製品は機体と充電池、Skycontroller 2と簡易VRゴーグルのセットで19万4400円。また、Skycontroller 2だけではなく、「プロフェッショナル向け」として一般的なラジコンプロポでも飛行させることが可能で、SDKなども用意するとしている。

ドローンといえばマルチコプターのイメージが強い日本市場だが、鳥のように優雅に飛ぶ固定翼機の楽しさが周知されるのも期待したい 

 なお、同時に従来から販売しているマルチコプター型ドローン「BEBOP 2」にもSkycontroller 2とCockpitglassesが接続可能。BEBOP 2とのセットで10万2600円、既にBEBOP 2を持っている人用のSkycontroller 2+Cockpitglassesセットが5万1840円。こちらも10月中の発売を予定している。

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