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続々登場の中国スマホメーカー IFAで見つけた知られざる端末たち

2016年09月04日 20時00分更新

文● 山根康宏 編集● ASCII編集部

 IFA 2016には中国のスマホメーカーも数多く出展していました。各社ともに中国向けの製品ではなく、ヨーロッパを含む海外向けの最新モデルを展示。Google Playもプリインストールされるなど、標準的なAndroidスマートフォンとして海外進出を本格化させています。数多くの製品の中から、注目すべき5メーカーの製品をピックアップしてみました。

IFA 2016で見つけた注目の中華スマホをチェック

クールパッド(Coolpad)は
デザイン重視モデルでヨーロッパへ進出

 数年前までは中国市場で、国内メーカーでシェア1位の座をキープしていたクールパッド(Coolpad)。現在はセキュリティー企業の奇虎360と、新興のTV&スマホメーカーであるLeEchoの資本提供を受けています。

 ちなみに奇虎360はウェブブラウザーのOperaを買収した企業です。ヨーロッパへは昨年から進出を開始しており、最新の「Trino」はベゼルレスの2.5Dディスプレーを搭載したデザインにも優れた製品です。背面には指紋認証センサーも搭載します。

デザインと機能を追求したTrino

 主なスペックはオクタコアのSnapdragon 617、メモリー3GB、ストレージ16GB。5.5型フルHDディスプレー、リアカメラ1300万画素、フロントカメラ500万画素、バッテリー2500mAh、デュアルSIM対応(nanoSIM×2)など。外部コネクターはmicroUSB。発売時期と価格は未定ですが、200ユーロ台になるとのこと。

カーブデザインの背面には指紋認証センサーも搭載

 一方、薄さが売りの「Modena 2」は、プレミアムなデザインながらも価格は179ユーロと比較的安価に抑えられています。フロントカメラは800万画素と高画質で、セルフィーを多用する女性を主なターゲットにしています。なおディスプレーの下にはメーカー名の認知度を高めるためもあってか「Coolpad」のロゴが目立つようにプリントされています。こちらの製品には指紋認証センサーは搭載していません。

価格を抑えたプレミアムモデルの「Modena 2」

 主なスペックはMediaTekのクアッドコアCPU、MT6735P 1.0GHz、メモリー2GB、ストレージ16GB、5.5型HDディスプレー、リアカメラ800万画素、フロントカメラ500万画素、バッテリー2500mAhなど。デュアルSIM対応(nanoSIM×2)。外部コネクターはmicroUSBです。

フラットなデザインで本体は7.8mmと薄い

日本でもテレビで知られるハイセンスの最新スマホは
機能性をアピールする

 中国の大手家電メーカーであるハイセンス(Hisense)は機能を高めたスマートフォンを海外市場に投入します。フラッグシップと言う位置づけの「A1」は背面にデュアルカメラを搭載。撮影した写真を後からフォーカスを変更できます。ファーウェイの「HUAWEI P9」のようなハイエンド製品よりも価格は低くなるとのこと。高速充電にも対応します。発売日と価格は未定です。

CH06 オーソドックスなデザインの「A1」

 主なスペックはオクタコアのSnapdragon 617 1.5GHz、メモリー3GB、ストレージ32GB、5.5型フルHDディスプレー、リアカメラは1300万画素+200万画素のデュアル、フロントカメラは500万画素、バッテリー3000mAhなど。本体サイズは153.1×75.2×7.4mm。

背面はデュアルカメラを採用

カメラの写りも良い。後からピントを変更できる

 一見すると普通のデザインに見える「C30」は、防水にも対応したタフを売りにした端末です。IP68の防水防塵に対応。側面から見るとフレームがネジ留めされたような装飾があるなど、いかにも強そうなデザインに仕上がっています。背面もカーボン調の仕上げです。発売は年内、価格は200ユーロ台の予定とのことです。

フロント側から見ると、防水端末には見えない「C30」

 主なスペックはSnapdragon 430 1.4GHz、メモリー3GB、ストレージ32GB、5.2型フルHDディスプレー、リアカメラ1600万画素、フロントカメラ500万画素、バッテリー3000mAhなど。本体サイズは153×74.86×7.95mm。

側面から見ると強さのわかる構造。耐衝撃性も備えている

背面側はカーボン調の仕上げ。スーツ姿にも似合うタフなスマートフォンである

ネットワーク機器のTP-LINKがスマホ市場に参入

 日本をはじめ、世界各国でルーターなどのネットワーク機器を販売しているTP-LINKが、2015年からスマートフォン市場に参入しました。同社はネットワークにつながる機器として、モーションセンサー搭載のIPカメラなどホームセキュリティー製品も販売しています。

 TP-LINKの製品は各メーカーのスマートフォンから利用することができますが、すべてのソリューションを自社製品で提供できるようにと、スマートフォンの販売にも乗り出したのです。とはいえすでにスマートフォン市場は競争が激しいため、現在はロシアや東欧・中欧、東南アジア市場に特化して端末を販売しているとのことです。

TP-LINKの最新モデル「Neffos X1」。デザインは無難にまとめています

 2016年下半期に販売予定の最新モデル、「Neffos X1」「Neffos X1 Max」の2機種がIFA2016に合わせて発表されました。オーソドックスなデザインの製品で、背面には指紋認証センサーを搭載しています。ボディーカラーはゴールドとブラックの2色展開予定。

 Neffos X1の主なスペックはMediaTek製オクタコアCPUのHelio P10、メモリー2GB、ストレージ16GB、5型HDディスプレー。リア1300万画素カメラ、フロント500万画素カメラなど。Neffors X1はメモリーが3GBまたは4GB、ストレージ32GBまたは64GBに強化、ディスプレーも5.5型フルHDとなっています。価格はNeffos X1が199ユーロ、Neffos X1 Maxが259ユーロの予定です。

背面にはブランドロゴと指紋認証センサーを搭載

ドイツへの参入を始めるフィーコム

 東南アジアやヨーロッパで比較的低価格なスマートフォンを販売しているフィーコム(Phicomm)は、この秋からドイツでも本格的な展開を開始するとのこと。その最初のモデルのうちの一機種が「Passion 3」です。角ばったボディーにフロント側は2.5Dガラスで覆い、背面側は往年のXperiaを思わせる光沢仕上げ。また側面は中央から山状のカットを行なう処理で、高級感を高めています。Snapdragon 430を採用するミッドレンジモデルで価格は100ユーロ台前半が見込まれます。

コストパフォーマンスの高さでドイツ人受けを狙う「Passion 3」

 主なスペックはオクタコアのSnapdaragon 430 1.0GHz、メモリー3GB、ストレージ16GB、5.5型フルHDディスプレー、リアカメラ1300万画素、フロントカメラ500万画素、3000mAhバッテリーなど。SIMはデュアル対応でmicroSIM×2。本体サイズは154×76×7.6mm。

背面は光沢仕上げ。角ばったデザインはXperiaっぽいイメージ

側面の加工もなかなか凝っている

ハイアールの中華デザインなスマホが意外な人気

 日本では洗濯機や冷蔵庫のような白物家電で知られる、中国大手家電メーカーのハイアール(Haier)は、「Voyage V6」を展示。フルメタルボディーで4色展開されますが、中国らしいゴールドバージョンは細かいラメ状模様の入った、どことなく東洋の神秘的なデザインでまとめています。

 来訪の多くも他の色のモデルよりも、このモデルを手に取って試していました。ミッドレンジクラスの製品ですが、LTEのカテゴリー6に対応し、下りの通信速度は最大300Mbsとなります。

ゴールド+ラメ入りと言う、中国メーカーらしいデザインの「Voyage V6」

 主なスペックはオクタコアのMT6750 2.0GHz、メモリー3GB、ストレージ32GB、5.5型フルHDディスプレー、リアカメラ1300万画素、フロントカメラ500万画素、2900mAhバッテリーなど。本体サイズは151×75.9×7.65mm/155g。年内の発売予定で価格は未定とのことです。

背面側は無難な仕上げ。カメラは丸く出っ張っているが、同じサイズの指紋認証センサーを下に配置することでデザイン性を持たせている

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