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ホラー体験もゾンビシューティングも! この夏、VRの聖地と化したお台場をみんなで訪れよう

2016年07月25日 10時00分更新

文● 広田 稔 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

VR業界の動向に日本一詳しいと自負するエヴァンジェリスト「VRおじさん」が、今週のVR界の出来事をお知らせします!

この夏、バーチャル空間で「リア充」しましょう!

 どもども!! VRおじさんことPANORAの広田です。

 昨今、世間的にニュースといえば「ポケモンGO」全盛ですが、VR業界ではNVIDIAのVR対応ミドルレンジGPU「GeForce GTX1060」の発売や、お台場の東京ジョイポリスにてVRアトラクションの「ZERO LATENCY VR」がスタートしたこと、HTC Viveも体験できるネットカフェ「スペースクリエイト自遊空間NEXT 蒲田西口店」がオープンしたことなどが話題でした。

 この連載でも口を酸っぱくして繰り返してきていますが、VRの面白さは残念ながら自分で試さないと理解できないものです。というわけで今回は、ジョイポリスを始めとする東京・お台場のVRスポットについて紹介していきましょう。

同じ体験を共有するからさらに楽しい!

 東京のお台場といえば、まるでポケモンGOで「おこう」を炊いたように、VRコンテンツが立て続けに出現している土地です。先のZERO LATENCYや以前にも取り上げた「VR ZONE Project i Can」だけでなく、8月31日まで実施している「お台場みんなの夢大陸2016」にてPlayStation VRの独自コンテンツを体験できたりします。

 過去には、日本科学未来館にて「デジタルコンテンツEXPO」や「GAME ON」、「Björk Digital ―音楽のVR・18日間の実験」と、VRの展示を含むイベントが実施されていました。ついでにヒルトン東京お台場では、VRコンテンツの制作によく使われるUnityの年次イベント「Unite 2016 Tokyo」が開催されたり、近くの有明にある国際展示場にてさまざまな展示会でVRが取り上げられたりと、なかなかのフィーバーっぷりです。

GAME ON

Björk Digital

 そんなお台場にVRを試しに行くなら、複数人での来訪がオススメです。

 VRゲームというと、ヘッドマウントディスプレーをかぶって1人で別世界に没頭するものも多いですが、ネットワークを通じて他のプレイヤーと協力や対戦できるものもあります。例えば、Oculus Riftのテニスゲーム「VR Tennis Online」や、HTC Viveのビリヤードゲーム「POOL NATION VR」は、それぞれネットワーク対戦に対応しています。

 コンピューターだけではなく人間を相手にすることで、ゲームの面白さがさらに増したというのは経験したことがある人も多いハズ。現状では、そもそもVRヘッドマウントディスプレーを持っている人が少なく、ご家庭ではなかなか遊べませんが、そこでお台場にみんなで出かければ一緒に体験できちゃうわけです。

 ジョイポリスのZERO LATENCYでは、第1弾としてゾンビシューティングの「ZOMBIE SURVIVAL」を展開しております。ポイントは、最大6人で参加して、広い空間をみんなで歩き回れるところ。ASCII.jpでもオーストラリア版のレポートがあがっていましたが、プレー時間は本場の45分より短い15分で、使っているVRヘッドマウントディスプレーがOculus Riftではなくオープンソースをうたう「OSVR」という違いがあります。

 ガンコントローラーを構えて、とめどなく湧いてくるゾンビに向かってガンガン撃っていくだけでも快感ですが、そこでゾンビに囲まれた仲間を見つけて助けに向かったり、エレベーターでバーチャル空間の上層階に上がって苦戦していそうなエリアを援護したりと、仲間との関わることで楽しさマシマシに!

 クリアー後にはポイントが出るので、誰が一番かを競うのもアツいでしょう。惜しむらくは、ボイスチャットが用意されているものの、微妙に音声が遅延するので素早いコミュニケーションが難しいという点ですが、体験自体は非常に面白いので、一度といわず、二、三度と訪れて腕をみがきたくなります。

所要時間は事前の説明が15分、実際のプレーが15分とだいたい30分ほど。約4kgのバックパックを背負って、約2kgの銃を持って動き回るので、動きやすい格好がオススメだ

 VR ZONEには、7つのコンテンツがあります。最近、ASCII.jpでも「せきぐちあいみ」さんがレポートしてましたが、複数人で訪れたなら最大4人の「脱出病棟Ω」をぜひ試してください。廃病院から脱出するのが目的で、プレイヤーは車椅子に乗り、片手に持ったライトで周囲を照らしながら、おどろおどろしい空間をゆっくりと進んでいきます。

 もちろんお化け屋敷のような演出自体も怖いのですが、よりびっくりするのが仲間の声です。ほかの3人とはボイスチャットでコミュニケーションすることが可能で、「何か出そう……何か出そう……」と恐る恐る進んでいるところに、仲間の「ギャー!!!!」という絶叫がヘッドホンに響くと、驚いてしまうこと必至です。

怖さを払拭するために、怒ったり、笑ったりと、人によって違うリアクションが見られるのが面白い

 そして、どちらのVRコンテンツも終わったあとに感想を語り合えるのが、さらなる楽しさをもたらしてくれます。ちょうど映画をみ終えたときのように、体験中にたまっていった「うわっ、これヤバい!」というオリのような感情を吐き出し会えるのがたまらんわけです。

 体験するにあたって注意しておきたい点は、いずれも予約が必須ということ。ZERO LATENCYは期間を区切って、VR ZONEは1ヵ月前より予約を受け付けていますが、どちらも人気沸騰でなかなか確保が難しい。諦めずにトライしてみてください。

 もうひとつ体力の消耗にも注意しておきたいです。激しく体を動かすので、当たり前ですが普通にゲームするよりも疲れます。特に女性も連れていって、ZERO LATENCYもVR ZONEも……と同じ日に体験するなら、間に休憩を挟んでおいたほうが無難でしょう。スカートやヒールではない、動きやすい服装でいくのも重要です。

 あとはゲームに夢中になっていると忘れがちですが、記念に写真も撮っておきましょう。特にZERO LATENCYは荷物をすべてロッカーに預けてしまううえ、ゲーム中は撮影できないので、帰って来たタイミングでロッカーを開けてまず撮っておくといいでしょう。

 広い空間を動き回ったり、大型筐体をからめたりしたVRの面白さが浸透していけば、全国のゲームセンターやネットカフェ、カラオケボックスなど、ある程度歩ける空間を確保した施設をインターネットでつないで、VRでMMORPGなどを遊べるという日がくるかもしれませんね。

 さてお台場といえば、PANORAでも今週土曜日、コワーキング・スペースMONOにてガジェット専門のフリーマーケット「ガジェットフリマ」というイベントを開催予定です(申し込みページ)。

 KickStarter系などの珍しいアイテムが出品されるだけでなく、過去の名品(迷品?)をネタに「あー、こんなのあったね!」と出品者と熱く語れるのが面白かったりします。 角川アスキー総合研究所の遠藤諭所長にもご出演いただくガジェット自慢のステージイベントも用意しているので、ぜひポケモンGOついでに立ち寄って、レアガジェットをゲットしていきませんか!?


「HTC Vive」を楽しむ著者近影

広田 稔(VRおじさん)

 フリーライター、VRエヴァンジェリスト。パーソナルVRのほか、アップル、niconico、初音ミクなどが専門分野。VRにハマりすぎて360度カメラを使ったVRジャーナリズムを志し、2013年に日本にVRを広めるために専門ウェブメディア「PANORA」を設立。「VRまつり」や「Tokyo VR Meetup」(Tokyo VR Startupsとの共催)などのVR系イベントも手がけている。


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