週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

R.O.G.ブランドのパーツを使った自作PCで検証

ASUSの新型“最速”ゲーミングルーター『RT-AC88U』の実力は? プロゲーマーStanSmith氏が試してみた

2016年03月19日 11時00分更新

4×4対応の高速無線LANゲーミングルーター『RT-AC88U』。実売価格は3万5000円前後

 ASUSから、最大転送速度2167Mbpsのゲーマー向け無線LANルーター『RT-AC88U』がリリースされ、大きな話題となっている。NitroQAM(1024-QAM)に対応し、IEEE 802.11ac接続時の転送速度は最大2167Mbps、IEEE 802.11n時でも最大1000Mbpsと、現行の無線LANルーターでは最速を誇る同社のフラッグシップモデルだ。 さらにPCゲームなどに優先的に帯域を割り当てるQoSや、オンラインゲームの遅延を低減する『WTFast』に対応するなど、ゲーミング向けの機能を多数搭載するのが大きな特徴となっている。

 ゲーマーとしては見過ごせない製品だが、気になるのはその実力。そこで、6タイトルのFPSで優勝経験があり、現在は各種ゲームイベントなどで司会やゲストとして活躍中するStanSmith氏にご協力いただき、RT-AC88Uの検証を実施。編集部のPCゲーマーであるジサトラカクッチ、ジサトラショータの質問に答えてもらった。

「無線LANでも有線と変わりなくゲームはプレイできる」

StanSmith氏(中央)をお招きし、ジサトラカクッチ(左)、ジサトラショータ(右)が疑問をぶつけてみた

ショータ:今回は『RT-AC88U』を使用していただいたんですが、StanSmithさんには以前にも無線LANルーターでeスポーツタイトルをプレイしていただいています。率直に現在、無線LAN環境でオンライン対応ゲームをプレイすることに対して、どのような印象をお持ちでしょうか。

StanSmith:実際に何度か試してみてからは、「無線LANでも有線と変わりなくゲームはプレイできるな」という気はしてきました。LANに限った話ではないですが、最近は無線のPCデバイスがすごく増えてきています。今後は徐々に、あらゆる回線が無線に移行していくのではないかと思っていますね。

カクッチ:とは言え、PCのハイエンドゲーミング、プロeスポーツの世界に関しては、やっぱり有線接続に対する安心感がまだまだ根強い印象があります。

StanSmith:確かにそうですね。僕の周りにも、実際にPCを使って無線環境だけでゲームをプレイしている人は少ないです。割とライトにMMORPGをプレイしていたりとか、あとはPlayStationを無線で接続している人ならけっこういるんですが。

スマホやタブレットのタッチ操作に最適化されたeスポーツタイトル『Vainglory』。安定したプレイのためには無線LAN環境の構築が重要 (C)2016 Super Evil Megacorp.

カクッチ:僕が注目しているのは、モバイルデバイスでプレイするゲームタイトルなんです。たとえば『Vainglory』など、勢いがすごく出てきています。スマホやタブレットを有線でネットワークに接続するのは難しいので、通信を安定させるなら無線LAN環境の構築は必須ですよね。こういったゲームで無線のパフォーマンスが十分だと感じられれば、徐々にプレイヤーの考え方も変わってくるのかなと思っていて。『Vainglory』が無線で十分プレイできて、『League of Legends』が有線じゃなきゃいけないという理屈はだんだん通らなくなっていくんじゃないのかな、と。

ショータ:RT-AC88Uで『Vainglory』をプレイしてみて、何か気になったことはありますか?

StanSmith:そもそも僕が今自宅で使っているルーターなんですが、『Vainglory』を快適にプレイするためにある程度高価なものを購入したんです。それを今回、RT-AC88Uに切り替えてプレイしてみました。体感とプレイフィールは、一定以上の速度が出ていると違いが分かりにくいところがあるので、実速度を計測してみたんです。そうしたら、もともと使っているルーターから上り速度が30Mbps、下りは8Mbpsくらい上がって。

ショータ:30Mbpsって、けっこうな違いですね。

StanSmith:プレイに大きな違いが出るかどうかはともかく、これだけ差があると、通信は明らかにRT-AC88Uのほうが安定すると感じましたね。検証のときには、スマートフォンでSkype、iPadでVainglory、さらにAndroidタブレットで別のゲームをプレイしたまま、PCではTwitchを見たり、ラジオを流して……なんて、けっこうハードな使い方も試してみたんですが、問題はなかったです。

カクッチ:RT-AC88Uは、同じ周波数でも複数のデバイスと干渉せずに通信できる“マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)”に対応していますが、端末側の対応機器はまだまだ少ないんです。対応・非対応に関わらず4つ~5つのデバイスが問題なく使えているっていうのは、帯域にまだまだ余裕があるということですね。

StanSmith:自室にルーターを設置してリビングでゲームをプレイ、というのも試してみたんです。さえぎる壁が3枚で、高低差もあるんですが、通信は繋がっているし、瞬断もなかったですね。

カクッチ:アンテナの角度とかって気にされました?

StanSmith氏。ジサトラ客員講師として、トラのマスクをかぶっていただいている。

StanSmith:いえ、普通に四本ともまっすぐ立てて利用していました。本当はあるんですよね、全部違う方向に向けたほうがいい、みたいな。

ショータ:それでも届くぐらい電波が強い、ということかもしれません(笑)。設定を細かく気にしなくても接続状況がいいというのは大きなメリットですね。

StanSmith:そうですね、電波の強さはすごく感じたので、これから無線環境に乗り換えたい人や、スマートフォンでゲームを始めたいという人でも安心して使えると思います。特に、最近はゲーム動画の録画や配信をする人も多いですよね。無線状況がよくないと映像に乱れが出たりラグが発生してしまうので、そんな人にもベストな選択肢だと思います。見た目からゴッツいので、そこからパワーを感じられる部分もありますしね(笑)。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう