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アプガ古川小夏さんが、小型でクリアーな音が得られる理由を探る

真空だと音がいい? 開発者に聞くVECLOS開発の秘密

VECLOSの良さを第1回で実感したアプガのメンバー。しかし使っていくと疑問に感じる部分も。小さいのになぜ音がいいのか? サーモス株式会社 VECLOS課の平松仁昌さんを直撃して、VECLOS誕生の秘密に迫る!

サーモス株式会社 VECLOS課の平松仁昌さんにお話を聞きました。

私が秘密に迫ります!

古川小夏: 7人組アイドルグループ、アップアップガールズ(仮)のメンバー。1992年6月5日生まれの23歳。神奈川県出身。担当色はピンク。特技はダンスとMC。特にダンスは自身のグループの複数の楽曲において振付を担当するなど、才能を発揮している。

今回のインタビューではその特技とアイドルとして培った音楽の経験で、開発者に疑問をぶつけます。

新しいチャレンジをする、それがサーモス

古川 そもそもなぜ魔法びんメーカーのサーモスさんがスピーカーを作ったのでしょうか?

サーモスには「同じことをやるだけではなく、新しい市場や製品にどんどんチャレンジしていく」という企業文化があります。2011年頃からサーモスの持っている金属加工技術や真空技術を他の商品に活かせないかと検討してきました。そして、ある時タンブラーの中にスピーカーユニットを入れたらいい音がすることに気付き、ここにひとつ答えがありそうだと直感しました。新しい市場への挑戦がはじまったのです。

古川 どうして「真空」だと音がよくなるんですか?

真空には「断熱」という効果があります。タンブラーや魔法びんなどはその効果を利用してドリンクの保温や保冷を行っています。一方真空には「遮音」という効果もあります。音が伝わらないんですよ。

古川 そういえば、宇宙だと声が伝わらないって聞いたことがあります。

はい。実はスピーカーは外側に出す本来の音だけではなく内側からもいらない音が出ているんです。このいらない音が外にもれてしまうとノイズっぽい雑味のある音になってしまいます。VECLOSは外筒と内筒という2つの筒を組み合わせ、内筒の中にスピーカーユニットを設置するという構造なので、内側から出るノイズが外筒と内筒の間の真空に阻まれて外に伝わらないようになっているんです。

二重構造が分かる断面

古川 なるほど!!

それともうひとつ、スピーカー自身の振動もノイズの原因になります。

古川 確かにスピーカーって大きな音量で聞くとずっと震えてますもんね。

そうです! その振動が残ってしまうとキレの悪い音になってしまう。ところがこの筐体には振動の減衰が早いという特徴もあるので、瞬時に振動が消えて後から発生する音と重ならない。つまり遮音と減衰という2つの効果によってクリアでキレのある音が再現できるようになってるんですね。

VECLOS高音質化のポイント

スピーカーは空気を振動させることによって音を出しているが、作用と反作用の関係で本来音を聞かせたい方向と反対の方向にも音が出てしまう。この反対方向のノイズを外筒と内筒の間の真空層で吸収することによって、聞かせたい音だけを外側に出し、内側のいらない音を筐体の中に閉じ込めている。

また、VECLOSの筐体は真空層によって大気圧で筐体を押さえつけることで剛性が上がり減衰特性がよくなっている。音を鳴らす時にスピーカーから発生する振動が瞬時に消えることにより、後から発生する音と重なることなくクリアな音が再現できる。

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