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第2回 日本ベンチャー大賞発表

がん治療薬製作に革新 ペプチドリームが内閣総理大臣賞

2016年02月29日 11時00分更新

 社会的なインパクトを与えたベンチャー企業を表彰する“第2回 日本ベンチャー大賞”が2016年2月26日に発表され、大賞の内閣総理大臣賞に“ペプチドリーム”が選ばれた。26日の発表当日には総理官邸で安倍晋三内閣総理大臣から、表彰を受け取った。

 ペプチドリームは東京大学大学院理学系研究科の大学発ベンチャー。選考の理由は日本発の技術で世界初の医薬品の開発を行ない、独自の創薬開発システムを提供しているところ。副作用の少ない理想的な医薬品補助物質“特殊ペプチド”を容易、迅速、正確、安価に大量生産できる創薬開発の基盤となるシステムを開発し、世界中の製薬企業に提供している。副作用の少ない抗がん剤の作成などに活用されている。

 技術はあっても、世界で産業、事業で負けている日本の現状を憂うペプチドリームの窪田規一代表取締役は「たったひとりでも良い。病気で苦しんでいる人に『ありがとう』と言ってもらえる仕事がしたいというのが創業のきっかけ。東京大学、日本の知財をコアに世界で我々しかもっていない創薬プラットフォームを手に入れた。技術、事業でも勝ったと言わしめる」と、受賞のよろこびを語った。

 そのほかZMPが、DeNAと自動運転の開発を行なう合弁会社“ロボットタクシー”を立ち上げ、ソニーモバイルコミュニケーションズとは自立飛行ドローン測量を行なう合弁会社“エアロセンス”を立ち上げるなどし、ベンチャー企業・大企業等連携賞を獲得。

 またソニーは平井CEO直下の新規事業創出プログラム“Seed Acceleration Program(SAP)”を立ち上げて、スマートロックの『Qrio』などを開発、社内の若手人材と技術をもつシニア人材のコラボレーション、社外とのメンバーとの連携などが評価されて、審査委員会特別賞を受賞した。

 講評で松田修一審査委員長も「民間ファンドがここ2年で増え、リスクマネーの状況が変わった。事業連携や、ファイナンスで企業が後押ししないと成長しない。オープンイノベーションが日本にもきている。長い目をベンチャーに向けて、ロールモデルになるといい」と語るなど、大企業とベンチャー企業と連携、大企業による新規事業の創出と、ベンチャーを取り巻く日本独自の環境が現われた今回の発表だった。

日本ベンチャー大賞
(内閣総理大臣賞)
ペプチドリーム株式会社
ベンチャー企業・大企業等連携賞
(経済産業大臣賞)
株式会社ZMP
株式会社ディー・エヌ・エー
ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社
女性起業家賞
(経済産業大臣賞)
株式会社ジーンクエスト
グローバル展開賞
(審査委員会特別賞)
株式会社メルカリ
社会課題解決賞
(審査委員会特別賞)
株式会社すららネット
イントラプレナー賞
(審査委員会特別賞)
ソニー株式会社

■関連サイト
経済産業省

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