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熱探知カメラ付きにプロジェクター搭載タブ! MWCで見つけた変態端末3機種

2016年02月25日 14時00分更新

 スペイン・バルセロナで開催中のMWCでは、世界中から大小さまざまなスマホメーカーが参加しており、個性的なスマホを発表している。その中から「日本では出そうにないけど個性的な“振り切った”変態スマホ」を3機種ピックアップして紹介する。

赤外線サーモカメラを搭載したスマホを発見。センサーの感度をブースで実際にデモをしていた

赤外線サーモカメラ内蔵
タフネススマホ「CAT S60」

 Bullittグループのタフネススマホ「CAT(キャタピラー)」シリーズ(同名の建設機械メーカーからライセンスを受けている)は、海外のデジタル系展示会ではおなじみともいえるスマホ。MWC 2016にも出展しており、今回は赤外線サーモカメラを内蔵した「CAT S60」を展示していた。

4.7型(720×1280ドット)のディスプレーを搭載する

ゴツゴツとした無骨なデザインがカッコイイ

 CAT S60は米国防総省のMIL規格に対応し、5メートルの水深で1時間の使用が可能、本体は衝撃に強い樹脂素材でガッチリガードされているなど、これまでのモデルと同じくタフネスぶりは健在。

 CAT S60の特徴と言えるのが、赤外線サーモカメラを内蔵したこと。本体背面にはカメラレンズが2つあり、ひとつは通常のカメラでもうひとつが赤外線サーモカメラとなっている。

デュアルカメラのデザインになっている

 赤外線サーモカメラ自体は、アメリカのFLIR製を採用。FLIR製のサーモカメラは業界では定番となっており、iPhone用の周辺機器として販売されている熱探知カメラ「FLIR ONE for iOS Personal Thermal Imager」もFLIR製のユニットだ。

 熱探知の撮影は、専用アプリから行なう。サーモカメラの情報と通常のカメラからの情報を合成して表示するので、どの物体がどれくらいの熱量なのかがわかりやすい。

通常のカメラレンズを覆って、サーモカメラだけで撮影した状態

通常のカメラも使って撮影。看板の文字などもハッキリわかる

 FLIR製のカメラユニットということもあり、サーモセンサーの感度も良好。テーブルを手で触って離したあとも、手からテーブルに移った熱量もキッチリと捕捉できる。

 現地説明員によると、赤外線サーモセンサーの利用ケースは、工事現場などでの状況チェックや水漏れ箇所の発見などビジネス向けだけでなく、家庭内で飼っている小さなペットがどこにいるか探したり、室内の空調効果を調べたりといったコンシューマー向けの用途まで多岐にわたるという。

 発売時期はアメリカで6月頃の予定。価格はキャリア版など販売方法にもよるが、599ドル前後を目安としているとのこと。

「CAT S60」の主要スペック
CPU:Snapdragon(オクタコア)
メモリー:3GB
ストレージ:32GB
カメラ:1300万画素(メイン)、500万画素(イン)
バッテリー:3800mAh

ディスプレーが大きくなったプロジェクター搭載タブ
「Spro Plus」

 ZTEが今回のMWCで発表した新製品のひとつが、プロジェクター搭載のAndroid端末「Spro Plus」。日本でもソフトバンクから発売された「モバイルシアター」の後継機種ともいえる製品だ。

プロジェクター内蔵タブレットがZTEから登場。投射レンズはスライド式のカバーを装備する

 前モデルからの大きな変更点は、本体搭載のディスプレーが5型から8.4型または8型とタブレットなみに大きくなったこと。そのぶん設置面積は大きくなっているが、薄型化しているので、タブレットとしても十分利用できるサイズ。

 プロジェクターの機能としては、投影方式がLEDからレーザーへと変更され、明るさが最大500ルーメンにアップ。2.4メートルの距離で80型(1280×768ドット)の投影が可能。バッテリーは1万2100mAhと大容量なので、電源の無い環境でも長時間の映像投影ができる。

本体底面には三脚穴を装備

 ディスプレーサイズや、CPUの違いで複数モデルが用意されており、通信機能もWiFi版とLTE版の両方がラインアップされるとのこと。

 発売時期は夏頃で、価格は未定。日本での展開も案内はなし。前モデルはソフトバンクから発売されたが、今回のモデルはどうなるか変態端末愛好家には気になるところだ。

「Spro Plus」(展示モデル)の主要スペック
CPU:Qualcomm MSM8974/8953
メモリー:3GB
ストレージ:128GB
ディスプレー:8.4型(1440×2560ドット)
バッテリー:1万2100mAh

スマホを丸々クラウドにバックアップできる
Kickstarter発のAndroidスマホ「Robin」

 NextbitがクラウドファンディングのKickstarterで資金を集めて開発したAndroidスマホ「Robin」。Kickstarterでの募集(299ドル)はすでに終了しているが、直販サイトがオープンし一般販売も開始しており、399ドルで購入可能だ。

Kickstarterを使って開発された「Robin」

 本体カラーはミントとミッドナイト2色とポップなカラーリングとデザイン。最近はメタル素材を用いたスマホが多いだけに、逆に目立つ印象。指紋認証などは備えるものの、スペックや機能は一般的なSIMフリーのAndroidスマホと大差はない。

背面の膨らみがないフラットなデザイン

 最大の特徴は同社が提供するクラウドストレージとRobinが連携して、本体のストレージを効率良く使うことができること。写真や動画といったデータだけでなく、アプリ自体もクラウド上のストレージにバックアップ。利用頻度の少ないアプリは、サムネイルアイコンだけ残して本体から削除されてしまう。その後に使う場合は、再度ダウンロードが始まるという仕組みだ。

 オンラインストアでは日本への発送も行なっているが、当然技適など各種認証は取得していないので、海外旅行用に欲しい人にはオススメ。

 以上の3つが、筆者の気になった3つの変態端末。いずれの端末も国内での購入や使用は厳しいが、個人的にはぜひとも使ってみたいモデル。日本からもこういった変態端末の登場に期待したい。


【おまけ】会場でエイビットの神田靖子氏を発見。同社はMWCでの出展はないが、自ら開発した据置型SIMフリー電話機「ホムテル」を手に、会場を視察していた。ホムテルに続く日本発の変態端末はあるか!?

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