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2016年の2 in 1は完成していると感じた

「YOGA 900S」の薄さに感銘を受けた2016年のCES

2016年01月20日 09時00分更新

薄い・軽いは、過去の2 in 1機の弱点を克服するかも

 CESで「2 in 1PCの完成を感じた」というのが、率直な意見。

 CESの会場はたいへん広いが、薄型・軽量の2 in 1PCには存在感があった。中でも感銘を受けたマシンが、Lenovoの「YOGA 900S」。

 

 ディスプレーが360度回転する12.5型の2 in 1 ノートで、厚さ12.8mm/重さ999gを特徴とする。時計のバンドのような「ウォッチバンドヒンジ」を採用した見た目のビジュアルもさることながら、最上位構成はCore m7、8GBメモリー、512GB PCIe SSDを搭載。QHD(2560×1440ドット)のIPSディスプレーを搭載し、バッテリー駆動時間は最大10.5時間と、スペックも見劣りしない。

YOGA 900Sは、このサイズの2 in 1ノートでは世界最薄という。2048段階の筆圧を感知するアクティブペンもオプションで用意しており、手書き入力も可能だ

 なぜYOGA 900Sに惹かれたかといえば、やはり、薄く、軽い点。

 Windows 8時代から、2 in 1ノートは各社がこぞって発表してきた。しかし個人的には、ノートPCとしてはともかく、積極的に「タブレットとして使う」場面がないのでは、という疑問を抱いていた。大きく厚く重くなりがちな2 in 1機は、タブレットに求める軽快さが犠牲になっていると感じてしまう。

 だが、本体が薄く軽いとなれば、話は変わってくる。実際に手に持つと、積極的にタブレットモードで利用できるかも、という期待が湧くというもの。YOGA 900Sは率直に、触っていて「使えるかも」と思ったマシンなのだ。

レノボ「ThinkPad X1 Tablet」もおもしろい。独自モジュールを使い機能を簡単に拡張できるのが特徴で、2 in 1ならぬ any in 1といったマシン。重量は795gで、キーボードと合わせても1kg前後となる

 DELLの、12.5インチクラスで世界最軽量をうたう2 in 1「Latitude 12 7275」も印象的だ。MicrosoftのSurfaceに似たキックスタンドを持つ「Slimキーボード」と、しっかりした打鍵感を持つ「プレミアムキーボード」の2つがあるのだが、後者は可動部を持たない。

こちらはスリムキーボードを装着したLatitude 12

 ではどうやって閉じるのかといえば、付け根がヒンジで曲がるのではなくて、端子が外れる形で前に倒れて固定される。倒した状態でもキーボードとタブレット本体は磁石で固定されるので、カバンの中でバラバラになったりはしない。

プレミアムキーボード装着時の側面を見よう。キーボードと本体は固定されておらず、溝に引っ掛ける形で固定する

キーボードとタブレット本体は無線接続ではなく、物理的に接触する端子でつながる仕組みだ

 MicrosoftのSurfaceシリーズのようなキックスタンドを持つキーボードは確かに薄く、軽い。しかし、原稿の執筆や取材のメモ取りなど、文章をすばやく入力するにはいささか心もとない印象もある。

 その不満を解決するアイディアがLatitude 12にはあった。しかもタブレット部分の厚さは8mmで、単体重量は約730gと、薄型・軽量というトレンドをおさえている。手に持ってみると、サッとキーボードから外して、相手に画面を見せたり、家で寝転がって動画を見るにはいい重量感だ。4K液晶が選べるのも、2 in 1機としての進化が見える。

 2 in 1機に感じていた「帯に短したすきに長し」なもどかしさを解決する、“使える”マシンが出てきたとCESで感じた。春商戦はかなり盛り上がるのではないだろうか。

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