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TSUTAYA店頭で誰もが先生に T-VENTURE PROGRAM第2期スタートアップが決定

2015年12月11日 07時00分更新

 TSUTAYAやTポイントを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、スタートアップ企業との連携と成長促進を狙い実施する支援プログラム“T-VENTURE PROGRAM”第2期の最終審査会が2015年12月4日に渋谷ヒカリエで開催。

 最終審査会には2次選考を追加した10社が登壇し、サービスのプレゼンを行なった。通常のビジネスプランコンテストと違い、CCCグループの世界観にあったプレゼン内容で選考される。具体的にはCCCがもつ、TSUTAYAの各店舗やTポイント、ウェブサイトのT-SITEなどとコラボして相乗効果を生み出せるかが審査のポイントとなる。

 必ずしも出資を前提にしたコンテストではないが、第1期の採択企業には10億円以上の出資が行なわれ、すでにリアルとネット双方で協業を行なっている。

誰もが先生になって街中に学びの場を

 最優秀賞に選ばれたのは個人が教室を持てるプラットフォームのスキル共有サイト『ストリートアカデミー』。エクセルなど個人が仕事で得た知識や、一眼カメラの撮り方などを教える有料の教室を開ける。誰もが先生になれるサービスで、中には3000人を超える生徒に教えたり、しっかりと収益をあげられているユーザーも存在。学びの内容を書籍化しているケースも出てきている。バク転を教えるだけのスクールがソーシャルでバズったなど、エピソードも満載だ。

 街中で気軽に学べる場をつくる同サービス。TSUTAYAとの連携では、T-SITEで教室の予約をし、店舗へ直接的に集客できるコンテンツになれる。

 すでに福岡・天神にあるTSUTAYA BOOK STORE TENJIN店舗にて、ストリートアカデミー発の著者のイベントを行なったこともあるなど、コラボ実績も。今回の第2期プログラムの採択を経て、さらなる連携を進めていくとしている。

疾病リスクを回避する遺伝子サービス

 優秀賞には遺伝子解析サービスの『ジーンクエスト』が選出。

 唾液採取キットの利用で約300項目の疾患リスクを解析する遺伝子サービス。病気にかかる前にリスクを把握し、予防のためのパーソナルなヘルスケアサービスを展開する。Tポイント会員に対して、遺伝子データベースを連携し、疾病リスクを回避するようレコメンドサービスを提供したいとした。

 同社には、マーケティングでヤフーとHealthData Lab(ヘルスデータラボ)に連携するなど、大企業とのコラボ経験もある。

工場直送、低価格で高品質なアパレルブランド

 もう1社の優秀賞には、日本の工場直送のアパレルECサイト『ファクトリエ』が選ばれた。

 海外の有名アパレル企業の製品をつくっている同じ工場から、ノンブランド(ファクトリーブランド)として、中間業者をカットし、低価格で高品質な製品を提供している。

 TSUTAYAとの連携では、代官山の生活商業施設“T-SITE”にて、デニムの書籍とともに上質なジーンズを展示し、本の紹介とともに衣類の提案ができる。現在、被服の国産比率は下がっており、これを食い止めるため、地域にコミュニティーをつくり、若者が工場で働く用誘導していきたいとしている。

膨大なデータ利用が魅力のアニメ評価サイト

 TSUTAYA賞にはアニメの評価ランキングサイト『あにこれ』が選ばれた。

 毎日1万人以上のアニメ好きユーザーが15万件以上のレビューを投稿。感想と評価でランキングやタブを生成。膨大なデータから生成されたランキングは3万5000種類にも及ぶ。

 TSUTAYA店頭のポップ作成や、作品のレコメンド、レンタル履歴から店舗の傾向をデータ分析して最適な作品設置を決めるなど、非常にわかりやすいコラボ提案が決め手となった。

 最終審査会で選ばれたスタートアップ企業の4社はインキュベーションプログラムに参加し、CCCの各事業と連携しながら、サービスを幅広いユーザーに届けていくことができる。たとえば5500万を超えるTポイント会員に対して、一気にサービスを展開など、スケール急拡大も狙える非常に魅力的なものとなるだろう。

■関連サイト
T-VENTURE PROGRAM

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