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光学的迷彩に加えて生体電位も(意識しているのか分からないが)コントロール

イカは電気的なステルスを行なうことが発見される

2015年12月07日 11時55分更新

実験風景(水槽奥の捕食者の影がしだいに大きくなってイカに迫る)

 英デューク大学(Duke University)は12月1日、捕食者に出会ったイカは電気的なステルスを行なっているという実験結果を発表した。

 生物は各種の生命活動にともなって微弱な電気を発しており、電気を通す水中に住む生物の一部には電位を感知する機能を持つものもある。とくにサメは頭部に電位を検出する専用感覚器を持ち、エサとなる他の魚を探すのに使っているとされている。

ハタのシルエットにおいても生体電位の低下が確認された

 研究チームでは、イカの水槽に捕食者であるハタやサメのシルエットを投影した。イカが捕食者に気づいて怯える(凍りついたように動きが止まる)際、通常10~30μVの生体電位が89%も低下したという。捕食者ではないカニのシルエットでは変化は見られなかった。また、本物のサメを使って隠れるのをあきらめさせたところ、イカスミを吐いて逃げる時には安静時の4倍の生体電位が検出されたという。

カニはイカを捕食しないので生体電位の変化はないという

 イカは体表の色を変える光学的迷彩機能を持つほか、比較的知能が高いなど多芸さが知られているが、生体電気のカモフラージュという新たな『芸』が発見されるなど、まだまだ奥が深い生き物と言えそうだ。

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