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MVNOも端末を続々提供!Windows 10で盛り上がるアメリカのWindows Phone市場

2015年08月20日 07時00分更新

 7月29日のWindows 10発表から2週間後、筆者はサムスンの発表会取材でアメリカを訪問していました。Windows 10への盛り上がりはアメリカでも高く、家電量販店のPCコーナーにはマイクロソフトの販売員が多数待ち構えており、「10いいですよ」、「10いかがっすか?」とプロモーションをかけてくるほどでした。

 さて、モバイラーにとって気になるのはスマホ向けの『Windows 10 Mobile』。アメリカでもPCとタブレットの次はスマホに流れがくると見ているのでしょう。各キャリアが次々にWindows Phoneの販売を開始していました。

米国Windows Phone市場
↑ニューヨークにも多数ある家電量販店“Best Buy”。

 アメリカに行ったらまずBest Buy、これが常識ですよね。ラスベガスなどでは郊外に大型店舗を構えるBest Buyですが、ニューヨークのマンハッタンではビルの中やショッピングモールなどに多数出店。夜10時までやっている店も多いので夕食後にホテルへの戻りがてら立ち寄るなんてことも可能。プリペイドスマホも売っているので現地用に1台入手するのも簡単です。

米国Windows Phone市場
↑右も左もWindows 10だらけ!

 店内に入るとWindows 10のPOPや広告が目立ちます。アメリカはこれから新学期を迎えるので、PCの新規購入や買換えをする学生も多いんですね。マイクロソフトが7月末にWindows 10を投入したのもこれら学生層にもアピールしたいからでしょう。

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↑見るだけでウハウハなプリペイドスマホコーナー。

 プリペイドケータイも売っていますがほとんどがスマホです。キャリア別のパッケージに入って売っているので買いやすく、ここでバウチャーを同時に買うことも可能。各社プランは月額制が基本なので、短期滞在でも30ドル~50ドル程度かかるのがちょっと悩ましいところ。
 でも、せっかくアメリカまで来たのなら何か買いたいですよね。本体30ドル(約3700円)以下の格安プリペイドスマホが売っていることもあります。

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↑おやおや、Lumiaが2キャリアから売っているぞ。

 プリペイドスマホはほとんどがAndroid。たまにWindows Phoneを見かけます。Windows PhoneはAT&Tが積極的に販売していて、今回も『Lumia 640』や『同635』を販売中。ところが並んでいる端末を見ていると、すぐ隣にMVNOキャリアのVirgin MobileからもLumia 635が販売されています。同社は過去にWindows Phoneを出したことはほとんどなく、今になって急に取り扱いを開始したようです。

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↑T-Mobileからも格安Lumiaが出ている。

 また、T-Mobileは39.99ドル(約5000円)で『Lumia 530』を販売。古いモデルですが5000円ちょいでLumiaが買えてしまいます。なお、これらキャリア品はいずれもSIMロックがかかっていますが、SIMセットでの販売なのでアメリカ滞在中の利用は問題ないでしょう。

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↑Boost MobileのLumia 635は完売!

 Boost Mobileは、Virgin Mobileと同じSprint回線を利用するMVNOでここもいままではWindows Phoneの取り扱いはありませんでした。ところが、49.99ドル(6200円)で『Lumia 635』を販売開始。しかも、完売して売り切れ中。この価格はスペックを考えるとお買い得ですし、Virgin Mobileより20ドルも安いとあって、ちょっとした人気になっているのでしょうか。いずれにせよ4キャリアからLumiaが売られているとは驚きです。

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↑SIMフリーのWindows Phoneも販売。

 最近のアメリカはキャリアによる契約縛りの廃止やスマホの割引販売中止が相次いでいます。それもあってか安価に買えるSIMフリースマホへの注目が少しずつ高まっているようです。地道にSIMフリースマホを出していたBLUなどマイナーメーカーの端末も今ではBest Buyで普通に売られています。そのBLUのWindows Phone『WIN JR』が販売されていました。3G機とはいえSIMフリーで69.99ドル(約8700円)は悪くありません。何よりもSIMフリーのWindows Phoneを売っているということは、需要があると見ているんでしょう。

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↑そういや自販機でもLumiaが売っていたなあ。

 ニューヨークのJFK空港にあったAT&Tの自販機でスマホを買ったレポートを書きましたが、その自販機にもLumia 635が売ってたってことは、やはりアメリカでWindows Phoneユーザーが地道に増えているってことなのでしょうか?

米国Windows Phone市場
↑マンハッタンのマイクロソフトのスペシャルストアを訪問。
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↑一番人気はSurface3シリーズ。

 せっかくニューヨークに来たので、マイクロソフトのお店も訪ねて見ることにしました。

 場所は高級ショッピングモールでもあるリンカーンセンターの中。どんなに立派な店なんだろうと思ったら、ロビー部分に出展しているミニコーナー。小さいブースながらも来客は絶えず、Surface3 Proを買っているお客さんも。Surface3シリーズはどちらの展示品も大人気でした。

米国Windows Phone市場
↑小さいながらもWindows Phoneコーナーあり。

 マンハッタンには別の場所にマイクロソフトストアができる予定で、こちらのスペシャルストアは展示されている製品の数は限られていました。でも、しっかりWindows Phoneコーナーも用意。契約用、プリペイド用と4モデルのみの展示ですが、デモ機に触れてスタッフに質問している客の数も結構いました。このあたりもWindows 10効果で、Windowsのスマホにも興味を持つ人が増えているのかも。

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↑Windows 10を見すえてLumia 640を購入!

 これだけLumia/Windows Phoneが売っているならば何か買わないと!……ということで筆者はマイクロソフトの店でAT&Tのプリペイドで売られているLumia 640を購入しました。

 Lumia 640は大画面の『Lumia 640XL』と共に、現時点でのWindows Phoneのリファレンスモデルともいえる製品。Windows 10へのアップグレードは当然行なわれますし、10になっても全機能が使えるはず。Windows 10のテスト機としても使えるでしょうから、SIMロックはあれど79.99ドル(約1万円)はお買い得と言えるでしょう。なお、SIMは自販機で買ったZTE端末のものと共用、たまたまAT&Tのプリペイドスマホを2台買ったので回線はひとつで済んだのでした。

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↑Windows Phoneも十分使える時代。

 ニューヨーク滞在は実質3日でしたがLumia 640を使いFacebookやTwitterのチェック、仕事のメール確認、写真撮影や動画閲覧など一通りのことはこなせました。もちろんまだまだiPhoneやAndroidに追いついてない部分もあります。でも、Windows 10が乗ったら使い勝手が高まりメイン機にできるかも。マイクロソフトには早くスマホ向けのWindows 10をリリースしてほしいもの。来年の今ごろは、筆者がアメリカで買うプリペイドスマホの第一候補がWindows 10端末になっているかもしれません。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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