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Windows 10をガチで漫画家さんが評価 あの周辺機器も動作可能!?:颯田直斗先生編[PR]

2015年08月20日 19時00分更新

 8月1日にDSP版のWindows 10が発売開始。発売日イベントで宣言したとおり、Windows 10はクリエイティブな作業に向いているのか、漫画家さん2人に使って検証してもらう企画がスタート!

 1人目は、カプコン『戦国BASARA』のコミカライズを担当し、左手デバイスを自作する漫画家として既出記事で話題になった颯田直斗先生。今回の企画にあたって新調したマシンのこだわりは"複数の資料表示用液晶ディスプレーと、ヘビーな処理をこなす大容量メモリーマシンで漫画執筆環境を最強化する”というコンセプトだ。

 この新しい颯田直斗先生専用PCに、Windows 10をインストールして、古い制作環境で利用中の周辺機器の動作検証、そして実際にイラストの執筆作業を試してもらった。

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 まずPC構成は以下の通りで、ポイントとしては「メモリー16GBなんてエントリーで、最低32GBないと追いつかないんだよ!」という点。颯田さんは多いときでレイヤーを200ほど使ってイラストを作成するので、メモリーが32GBでも足りないことがあるそうだ。

 それでは、なぜこの仕様が生まれたのか?解説していきましょう。

●颯田直斗先生用PC構成
CPU:インテル『Core i7-5775C』(実売価格 5万円前後)
グラフィックボード:MSI『GTX 960 Gaming 2G』(実売価格 4万3000円前後)
マザーボード:MSI『Z97A GAMING 6』(実売価格 1万9000円前後)
メモリー:CFD販売『ELIXIR W3U1600HQ-8G』×2(実売価格 1万3700円前後×2)
SSD(システムドライブ):OCZ『ARC100-25SAT3-480G』(実売価格 2万円前後)
HDD:ウエスタンデジタル『WD4003FZEX』(実売価格 2万8000円前後)
電源ユニット:SILVERSTONE『SST-ST75F-P』(実売価格 1万3400円前後)
PCケース:LIAN LI『PC-A56B』(実売価格 1万5000円前後)
合計:21万5800円前後

 このPCパーツで組み上げた様子はタイムラプスで撮影したのでご覧いただきたい。

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 組みあがったPCはこちら。颯田先生は漫画の原稿や資料は縦長が多いので、液晶ディスプレーはピボットできるマルチディスプレー環境で使いたいとオーダー。液晶ディスプレーが1台では、漫画の原稿や資料のウインドーサイズをその都度微調整する手間が発生するが、複数あれば数多く表示でき、しかも資料は全画面表示にするだけでいいので集中しやすいとのこと。
 そのため、グラフィックボードはGPU支援目的よりも、マルチディスプレー環境を優先したGeForce GTX 960を選択した。

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 PCケースのLIAN LI『PC-A56B』は電源位置がフロント下部とややクセのあるものだが、エアフローの管理とケーブルマネージメントはやりやすいタイプ。

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 作業中の颯田直斗先生。取材もあるしとのことで勝負着にて登場。
 アナログ資料を机にひらき、リラックス用(?)にスマホで環境映像を流しつつ、自分の描きやすい作業環境を構築してもらう。液晶タブレットは颯田先生が普段使用しているワコムの『CitiQ 21UX』ではないが、同じワコムの『Cintiq 22HD』を使用してもらった。ちなみに、ワコムではすでにWindows 10対応製品の一覧をHPで公開しており、『CitiQ 21UX』も対応している。Cintiq 22HDは大きさこそ異なるものの、描き味にはほぼ差異はないとのこと。

 今回、液晶ディスプレーはEIZOの『CS240-CN』3台を縦回転させて配置。なるべくまとめて資料を表示することで、作業に集中しやすいようにした。

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 さて、肝心のWindows 10環境はというと、Cintiq 22HDは公開済みのWindows 10用のドライバーを使ったので、トラブルなく認識を完了。ペンの認識も問題がなく、カーソルや筆圧検知の微調整をするに留まった。

 イラストの作成にはセルシスの『CLIP STUDIO PAINT PRO』を使った 。日常的に使っているツールだけにコダワリがあるとのことだが、使った動作は全く違和感がないそう。 イラスト作成の作業には資料写真の表示も必要だが、颯田先生はWindows 10純正の“フォトビューワー”が気に入ったそう。

 Windows 8のフォトビューワーは、写真の切り替えをウインドーの下にあるボタンで行なっていた。これがWindows 10だとマウスホイールで行なえるようになった。小さな変更ではあるものの、ペンで絵を描きながら資料用の写真を複数枚切り替えながら見る際に、マウスをいちいち動かす手間が省けるのは、かなり良かったようだ。

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 次に、先生はお手製の自作左手デバイスの動作を確認。

 こちらは、Windows標準のUSBドライバーで動作する仕様のため、接続するだけでまったく問題なく動作した。「Windows 7と似てる! というか違和感ない!」というのが颯田直斗先生のファーストインプレッション 。OSの基本的な操作や、ソフトウェアのインストールやショートカットの設定なども「戸惑うところは何もなかかった」とのこと。これは過去のWindowsのイイとこ取りをしたWindows 10の良い部分だ。

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編
↑颯田先生は黙々と8時間作業された力作。自宅のWindows 7となんら違和感がなく、スムーズに絵が描けたようだ。

 完成したイラストはこちら。今回の作業用のファイルサイズは7654×4535ピクセル、600dpiとかなりの高解像度。これでも、CLIP STUDIO PAINT PROを起動したまま、Photoshopで背景用イラストを処理しても問題なく動作しており、かなり快適だったという。実際のところ、すぐにWindows 10に移行してもなんら問題なさそうだ。ちなみに、CLIP STUDIO PAINT PROはWindows 10対応をメーカーがうたっているので安心して使える。ほかのソフトを使っている人は、自分のお絵描き環境がWindows 10対応なのかを、事前に確認しておこう。 

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 颯田先生は普段からいろんなPC周辺機器を愛用しているため、Windows 10に移行した際、きちんと動作するか気になっているそう。イラスト執筆の作業後は、愛用の周辺機器の動作をチェックしてみた。颯田先生のような自作派は多くはないものの、漫画家さんのなかにはゲーム機用の汎用左手デバイスを愛用している人は多いと言う。

 とにかく自分が愛用している製品がどこまで動くか試したい!と、颯田先生が取り出したのは、懐かしの名機、現役の名機含め6種類。
 製品名は以下の通り。
・ロジクール『G13』
・Belkin『n52te』
・ケンジントンのトラックボールマウス『Orbit Wireless Mobile Trackball 72352JP』
・スピタル産業のUSBゲームパッド『ST-A1』
・Griffinの『PowerMate Bluetooth』
・USB接続の『PowerMate』

Windows 10動作検証:颯田直斗先生編

 さらに、縦横の移動、ズーム、回転といった立体的な操作を可能とする3Dconnexion『SpaceMouse Wireless』も使用してみた。
SpaceMouse WirelessとG13はメーカーが用意していたWindows 10対応ドライバーで動作、そのほかの機器はPCに挿すだけで、Windows 10の標準ドライバーで動作した。唯一、PowerMate(USB版)のみが動作しなかったが、こちらはWindows 8のときもWindows XPのドライバーをインストールして、たまたま動作していたとのことなので、仕方ない結果だと思われる。

 こんな具合に、一般家庭であまり使われない周辺機器でも、割と標準ドライバーで動作することが確認できた。Windows 7やWindows 8で使用していた周辺機器に関しても、問題なく使えるものは少なくないだろう。とはいうものの、すでにメーカーが存在しない古い機器やフリーソフトなどのすべてが動作するといった保証はない。少しでも不安を抱えているならば、愛用している機器がWindows 10対応であるかどうか、各メーカーのHPを確認するのをお忘れなく。

■関連サイト
マイクロソフト

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