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Skylake-Sこと第6世代Coreで使いたい安くて信頼性の高いDDR4メモリーとは?

2015年08月08日 10時00分更新

  8月5日、開発コードネーム“Skylake-S”こと、インテルの第6世代CoreプロセッサーのデスクトップPC向け新モデル『Core i7-6700K』と『Core i5-6600K』が発売した。インテルのデスクトップPC向けCPUとしては、6月に第5世代Coreプロセッサー『Core i7-5775C』と『Core i5-5675C』の2モデルが発売されたばかりだが、それからわずか2ヵ月で新世代モデルとなる第6世代Coreプロセッサーが登場したことになる。ここ数年、インテルのデスクトップPC向けCPUは新モデルの登場が滞っていたが、ここにきての連続リリースで久しぶりに自作PC市場が盛り上がりを見せている。

Crucial
販売が始まった第6世代Coreプロセッサーの最上位モデル『Core i7-6700K』。この他に『Core i5-6600K』も発売された。

 第6世代Coreプロセッサーでは、第5世代Coreプロセッサーと比べて、いくつかの大きな変更点がある。まずひとつは、対応チップセットや対応CPUソケットが変更になったことで、従来までの互換性が失われたという点だ。第6世代Coreプロセッサーに対応するチップセットとしては『Intel Z170』が新たに用意され、対応CPUソケットは『LGA1151』という新形状のものとなった。これによって、第6世代Coreプロセッサーを利用する場合、現時点ではIntel Z170チップセット搭載マザーボードが必須となる。

 また、もうひとつの大きな変更点が、対応メモリーとして新たに『DDR4』メモリーをサポートしたという点だろう。これまで、インテル製CPUでDDR4をサポートしていたのは、『Xeon』や『Core i7-5960X Extreme Edition』など、サーバー向けやエンスージアスト向けのCPUのみで、Core i7/i5などのメインストリームPC向けCPUではDDR3対応のままとなっていた。しかし、今回登場した第6世代Coreプロセッサーで、メインストリームPC向けとしてついにDDR4のサポートとなった。

 なお、第6世代Coreプロセッサー搭載のメモリーコントローラーは、DDR4だけでなくDDR3Lもサポートしているが、この記事を執筆している8月上旬時点ではDDR3L対応のIntel Z170チップセット搭載マザーボードは未発売。そのため、第6世代Coreプロセッサーを利用するためには、現時点ではメモリーとしてDDR4の利用が必須となる。

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第6世代CoreプロセッサーではメインメモリーとしてDDR4メモリーを新たにサポートした。
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上がDDR3メモリーモジュール、下がDDR4メモリーモジュール。双方に互換性はなく、切り欠きの位置も異なっていることがわかる。

 DDR4は、“バンクグループ”という考え方に基づく新たなデータアクセス方式を採用することで、DDR3に対して同一クロックで2倍のデータ転送速度を実現している。また、動作電圧が1.2V(DDR3は1.5V、DDR3Lは1.35V)になったことで、消費電力も低減された。つまり、DDR4は、DR3よりも高速かつ省電力性に優れるメモリーということだ。

 そして、第6世代CoreプロセッサーがサポートするDDR4メモリーは“DDR4-2133”というものだ。DDR4-2133搭載のDDR4メモリーモジュールは、“PC4-17000”という規格に準拠したものとなる。データ転送速度は毎秒17GBと、DDR3-1600/PC3-12800の毎秒12.8GBよりも約1.33倍高速。なお、第6世代Coreプロセッサーはメインメモリーのデュアルチャンネルアクセスに対応するため、DDR4-2133を利用した場合のメインメモリー帯域は最大毎秒24GBとなる。

 ところで、DDR4メモリーはこれまで比較的高価な製品が多かった。それは、対応するCPUが少ないことで需要が少なかったことが大きな要因だ。また、これまでに登場しているDDR4対応のインテル製CPUは、メインメモリーのクアッドチャンネルアクセスに対応していたこともあって、DDR4メモリーモジュールも4枚組で販売される例が多く、これも価格増の要因となっていた。

 しかし、第6世代Coreプロセッサーの登場によるDDR4メモリーの需要増を受け、今年5月以降DDR4メモリーの価格がどんどん低下してきており、以前に比べてかなり買いやすくなってきている。しかも、デュアルチャンネルアクセス対応のため、2枚のメモリーモジュールのみで利用できる。容量8GBのPC4-17000対応モジュール2枚セットの販売価格は、数ヵ月前では3万円近くしていたが現在では2万円を切るまでに下落している。

 そういった中でオススメしたいのが、Micron製のCrucialブランドメモリー『CT2K8G4DFD8213』だ。容量8GBのPC4-17000モジュールが2枚セットとなった製品で、第6世代Coreプロセッサー用として最適。実売価格は1万7000円前後と、競合製品よりもやや割高ではある(価格は現在も下落傾向なので、今後さらに下がる可能性も十分考えられる)が、大手メモリーメーカーMicronの純正メモリーモジュールのため、品質に優れる点はポイントが高い。安定動作を目指すなら、やはりメモリーも品質重視で選ぶべきだ。

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Micron製のCrucialブランドのPC4-17000準拠メモリー『CT2K8G4DFD8213』。8GBモジュールの2枚組で販売されている。
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PC4-17000準拠で、毎秒17GBのデータ転送速度を誇る。

 容量は8GB×2枚の合計16GBとなるため、一般的なデスクトップPCとしては十分余裕のある容量だ。画像や動画処理アプリはもちろん、ゲームも快適に動作するだろう。また、第6世代Coreプロセッサーに統合されているグラフィック機能“Intel HD Graphics 530”では、メインメモリーの一部をビデオメモリーとして利用できる容量が増えている。実際に、Core i7-6700KとMSI製マザーボード『Z170A GAMING M5』、OSにWindows 10を利用したシステムでチェックしてみたところ、共有システムメモリーは8133MBと大きく確保されていた。

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Core i7-6700Kで確認したところ、Intel HD Graphics 530の共有システムメモリーは8133MBと大容量だった。ちなみに従来は1.7GB程度。

 メインメモリー容量が少ないと、この共有メモリー容量も減るため、CPUの性能を最大限に引き出せなくなる可能性がある。システム全体の快適度を高める意味もあるため、メインメモリー容量にはできるだけ余裕を持たせておくのがオススメ。そういった意味でも、8GB×2枚はバランスに優れる選択肢で、価格や信頼性も合わせて『CT2K8G4DFD8213』は第6世代Coreプロセッサー用のメインメモリーとして最もコスパに優れる製品と言える。

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