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格安SIMに乗り換えるとハマってしまう“キャリアメール”という落とし穴

2015年06月24日 13時00分更新

文● 外村克也(タトラエディット) 編集●南田ゴウ

 今や猫も杓子も、とは少し言い過ぎですが、だいぶ浸透してきた感のある“格安SIM”。先日有楽町のビックカメラに立ち寄ったとき、開店と同時に10名ほどBIC SIMカウンターに並ぶのを見て「すごい人気だな」と思ったものです。しかし、一方では格安SIMに変えたいけれど変えられない、というユーザーもいます。小中学生のお子さまがいらっしゃる方には、身に覚えがある話かもしれません。

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↑小学生に上がるまで、気の合うお父さん、お母さんどうしの連絡網はLINEのグループで事足りていたんですが……。

キャリアメールがないせいで子ども中心のコミュからハブられる

 格安SIMは、安い代わりに大手キャリアが提供しているさまざまな便利サービスがカットされているのはご存知のとおり。スマホでビデオなんて見ないし、音楽もアップルのでいいよ、という方にとっては、余計なサービスに加入することがなく逆に好都合かもしれません。しかし、格安SIMで都合がよくないのは、キャリアメールが使えないところ。実は、お子さまがいるユーザーが格安SIMに変えてしまうと、かなり不便になることがあります。

 筆者は、ここ7~8年くらいは仕事もプライベートも『Gメール』でほぼ事足りていたので「キャリアメールなんていらないよね」と思っていましたが、娘が小学校に入学したのを機に、「@docomo.ne.jp」的なアドレスを再活用しています。未就学児のときはGメールすら使わず『LINE』や『Facebook』で充分でした。しかし、小学校に上がって人間関係が広がるとキャリアメールに逆戻り。筆者のような事例を経験したことのあるお父さんやお母さんは、思い当たるフシがあるのでは?

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↑小学校ではまだまだガラケー所持の保護者も多く、かといってGメールでキャリアメールに送信すると弾かれてしまう! 仕方なく「@docomo.ne.jp」アドレスに戻ることに。

送ったハズのメールが届いていない!

 キャリアメールは、小中学校の保護者間や町内会といったコミュニティーでの連絡手段として、まだまだ広く使われています。「回覧板まわしといて絶対に!」という完全アナログな時代から「メール読んどいてね」的なIT活用の時代へと着実に変わっているので、オジサンは喜ばしいんですが……。大変困るのが、「◯月△日に運動会準備の打ち合わせを行ないます。出欠をXXXX@docomo.ne.jpまで返信ください」というお知らせ。メールは受け取ることができますが、キャリアメール相手にGメールから送信をすると、高確率でメーラーデーモンからのエラーが帰ってきます。もちろん、相手にメールの内容は届いていません。

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↑キャリアメールはデフォルトでケータイ以外の送信者を受け付けない。Gメールはもちろん、Yahoo!メールやOutlookメールもアウト。

 PC用ならともかく、ケータイでの連絡手段にもメインでGメールを使っているユーザーは、子どものコミュニティーでは少数派。そのために「受信ルールを変えて」とはとても言えません。仮に変えられたとしても、今度は相手に迷惑メールが届くリスクが高まります。つまり、格安SIMに変えると同時に、連絡手段が限定されてしまうわけです。

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↑結局、Gメールと仕事用のドコモ回線向けの2つのアドレスに送信してもらって、なんとか運用。

回避するには結局キャリアメールを残しておくしかない

 自分は、仕事用にドコモ回線をもっているのでなんとかやりくりができていますが、格安SIMしかもたないユーザーにとっては、結構致命的なこの問題。解決策として、以下のようなことを考えていますが、どれも決定打に欠けるのが事実です。

1.連絡手段をLINEやFacebookに移行する
 お父さんお母さんがみんなスマホなら問題ないが、まだまだガラケーのユーザーも多い。
2.メーリングリストサービスを利用する
 学校やPTAなど大規模団体では利用されていることが多いメーリングリスト。送信元のドメインがキャリアメールとは異なることがあり、受信者側の設定が必要。一部にのみ通達したい連絡が全員に見られるという点も。
3.別途回線をもちキャリアメールを維持する
 運用面ではこれがいちばん現実的だが、ドコモの最安プラン(FOMAタイプSSバリュー+spモード)を契約してキャリアメールを維持。しかし月額1234円がかかり本末転倒。

 というわけで、なかなか解決策が見いだせないこの問題。かつては「固定電がなくちゃ……」と言われていた連絡網の問題が、いつのまにか「ケータイ番号でもオーケーよ」となったように時間が解決するのかもしれませんが、現状ではコレといった対応策がないのです。もし、「この方法でオーケー」というカンペキな対応策をご存知の方がいましたら、ぜひ筆者(katsuya.hokamura@docomo.ne.jp)にご教授くださいませ!

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