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PCだけじゃない!QWERTYキー搭載変態スマホもあるレノボ本社のショールームに潜入

2015年06月04日 07時00分更新

 5月28日に中国・北京で開催されたレノボのプライベートイベント“Lenovo Tech World”。同イベント参加の翌日、レノボの北京にある本社を訪問しました。そこで見たのはレノボのPCの歴史、そして変態スマホだったのです。

レノボ 変態スマホ
↑北京市郊外にあるレノボの本社。

 レノボは現在、アメリカと中国に本社があります。中国の本社は北京にあり、市内から電車で30分ほどの郊外に位置します。付近はIT系企業が集まっており、道を歩くと西洋人の姿も結構見かけます。

レノボ 変態スマホ
↑レノボのショールームでレノボの歴史を見る。

 レノボ本社には過去の歩みを展示する歴史の紹介ルームや、最新製品を展示するショールームが設置されています。創業から今年で31年、まずは同社の歩みを探ってみます。

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↑1984年、中国語ROMボードが同社の始まり。

 レノボは中国政府の国営機関の研究者が1984年に創立。創業時の名前はレジェンド(Legend)で、最初の製品は海外から輸入したPCで中国語を表示するためのボード『LX-80』でした。当時はPCのOSには英語しか含まれておらず、中国語を表示するには別途ROMを必要としたのです。まだまだPCが高かった時代だったでしょうが、中国で利用されるPCのほとんどにこのLX-80が搭載されていたのでしょう。

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↑1989年、初の自社ブランドPC。

 その後はPCのマザーボード事業に進出し、1989年にはレジェンドブランドとして初のPCとなる『Q286』を発売します。デザインは薄くスタイリッシュ。モニターと本体に貼り付けてある、正方形の四角の中に円が描かれたマークが当時のロゴでした。

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↑PCメーカーとして躍進の10年。

 その後は立て続けにPCをリリース。中国国内でのPCメーカーとしての地位を確立していきます。“中国初”をうたう機能を搭載した製品もあり、レジェンドは中国の顔ともいえる企業に成長していきます。

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↑1999年、初のネット対応PC。

 レジェンドの躍進時期は中国が世界の工場として存在感を表わし始めた10年と重なります。1999年発売の『Tian Xi』は同社としてインターネット接続初搭載のPC。流線型の本体デザインに当時の流行が感じられます。今となってはレトロ感が漂いますが、発売時は未来を感じられる製品だったのでしょう。

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↑2003年、レノボへ社名変更。

 海外展開も視野に見てきたころ、レジェンドという一般名詞では商標問題を起こすことが懸念されました。そこで2003年には社名をレジェンドからレノボに変更、今の名前となったのです。

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↑買収や提携でビジネス拡大の10年。

 それからは国際化を急激に進めます。さらには2004年12月にはIBMのPC事業を買収。2011年7月にはNECのPC事業の統合、2014年1月にはグーグルからモトローラを買収と、ライバル企業を傘下に置き急成長を遂げます。レノボのPC事業は2015年時点で世界シェア1位、タブレットは3位、携帯電話も3位となっています。

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↑レノボのフラグシップモデルを体験できる。

 さて、最新モデルを中心としたショールームには、ThinkPadなどのPCに加え、スマホも多数展示されています。今でも名機との評判が高い、2013年発売の『K900』も展示。同機は世界初の“Clover Trail+”世代のインテルCPU搭載なだけではなく、金属ボディーがクールなスマホでした。一部地域のみで発売されたオレンジモデルにも触れることができます。

レノボ 変態スマホ
↑レノボのスマホはハイエンド品もよりどりみどり。

 今回のイベントに合わせてレノボのキーパーソンから話を伺いましたが、同社のスマホビジネスは先進国にはハイエンドのモトローラ製品、新興国にはボリュームゾーンモデルのレノボ製品とブランドを使い分けて投入していくとのこと。でも、レノボの製品の中にはK900のような高スペック製品も多数存在します。写真左の『P90』や右の『Vibe X2』は本体の質感も高く、日本にSIMフリー端末として投入しても通用するレベル。

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↑カジュアル感を高めたレモン。

 黄色いボディーが鮮やかな『K』シリーズの2モデルは、中国語で“楽檬”、レモンをニックネームに持つモデル。価格は日本円で1万円台、音楽再生機能も強化されています。

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↑オンラインでカスタマイズできるモトローラのスマホ。

 そして、モトローラの製品も展示されています。モトローラはオンラインストアで電池カバーなどを自分好みにカスタマイズできる“MotoMaker”サービスをアメリカで展開していますが、今回のイベントに合わせて中国でも開始。同じモデルでも写真のように様々なバリエーションの電池カバーを選び購入できるのです。

レノボ 変態スマホ
↑レノボにもあった変態スマホ。

 これら最新スマホに混ざって、ちょっと面白い製品も展示されていました。それが2010年に発売になった『楽Phone W100』。“楽Phone”はレノボのスマホ事業参入時のブランド。3.7インチ480×800ドット解像度ディスプレー、Snapdragon『QSD8250』でシングルコア1GHz、300万画素カメラなど時代を感じさせるスペック。ですが、本体の左に見える、着脱式のキーボードがオプションで用意されていました。

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↑ワンタッチで横クラムシェルスタイルに。

 両者を合体させると横に開くクラムシェル型のQWERTYキーボード搭載スマホとして使えます。キーボード好きなユーザーにはたまらない仕様でしょう。

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↑キー配列も美しい変態仕様。

 キーボードの配列は真ん中に円形の十字方向キーや選択キーを備え、そこから同心円状に各キーを広げて配置させていくという美しいデザイン。これはこれで十分使いやすそうです。こんなアグレッシブな製品を5年前に出していただなんて、スマホメーカーとしてのレノボもなかなかやるものです。

レノボ 変態スマホ
↑レノボはPCからスマホまで手掛ける総合ITメーカー。

 今回のイベントでは『ThinkPad 10』の最新モデルも発表されました。キーボードを付ければタブレットからPCスタイルへと変身する、コンパクトで使いやすい2 in1製品です。レノボと言うとPCメーカーと言う印象が強いのですが、今やスマホでも世界に名だたる大メーカーになっています。日本市場へのスマホ参入も間もなくと言われていますが、スタイリッシュでハイエンドな製品だけではなく、W100のようなちょっと変わった製品もぜひとも投入してもらいたいものです。

(2015年6月4日14時15分追記:初出時タイトルの一部が“シュールーム”となっておりました。正しくは“ショールーム”となります。お詫びして訂正いたします。)

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局


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