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Windows情報局ななふぉ出張所

DL開始まで2ヵ月を切ったWindows 10、新端末に期待が高まるCOMPUTEX 2015開幕

2015年06月02日 07時00分更新

 本日6月2日より、台北でCOMPUTEX TAIPEI 2015が開幕します。筆者も台北入りし、6月1日より発表会の取材を始めています。

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いよいよ本日よりCOMPUTEX TAIPEI 2015が開幕。Windows 10の発売日も発表され、大いに盛り上がりそうだ。

 今年のCOMPUTEXにおける最大のキーワードは、やはりWindows 10です。米マイクロソフトは、COMPUTEX直前のタイミングを狙ったかのように、Windows 10のDL提供開始が7月29日になると発表しました。

 Windows 10世代のPC、タブレット、スマートフォンは、どのような形になるのか。さらには、まだ見ぬIoTデバイスは登場するのか。このあたりが、今年のCOMPUTEX最大の見どころになるでしょう。

■COMPUTEXでWindows 10世代のPCに期待

 COMPUTEX開幕前日には、ASUSがプレスイベントを開催。続く6月2日にはインテル、6月3日にはマイクロソフトが基調講演を開催します。

 例年、インテルとマイクロソフトはCOMPUTEXでプロセッサーやOSの最新情報を提供するとともに、OEMメーカー製のデバイスを多数公開しています。今年も未発表のデバイスが期待できます。

 また、昨年はWindows Phone 8.1デバイスが激増しましたが、今年はWindows 10 Mobileを見据えたスマートフォンの登場も待ち望まれるところ。

 国内では、すでにマウスコンピューターが『MADOSMA Q501』の予約受付開始を発表。OSはWindows Phone 8.1 Updateで、Windows 10 Mobileへの正式対応は表明していないものの、マイクロソフトによる開発者向けイベント『de:code』ではプレビュー版の動作を披露するというちょっとしたサプライズを仕掛けるなど、対応に向けて着々と準備を進めているようです。

 Windows 10 Mobileで楽しみなのは、新たに加わるContinuum(コンティニューム)機能です。スマートフォンを外部ディスプレイ出力することで、UIが変化。キーボードやマウスを組み合わせ、デスクトップPCに近い感覚で操作できるようになります。なぜ、これまでできなかったのか不思議なくらいの機能です。

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Windows 10 Mobileスマートフォンを大画面に出力、キーボードやマウスでPCのように操作できる。

 OSやデバイスの進化が確実になったところ、次に必要になるのはアプリの充実です。Windows 10では、これまでない多様なデバイスにまたがって同じアプリが動作します。de:codeの盛り上がりを見ても、アプリ開発者の注目の高まりは感じられます。

 ただ、マイクロソフトはWindows 8や8.1のリリース時にも、アプリは増えると言い続けてきたものの、実際にはあまり増えていないという現状があります。こうした経緯がある以上、アプリが増えるかもしれないという期待感は、限定的なものになるでしょう。
 

■デュアルOS、今後の普及はある?

 こうしたWindowsストアの”アプリ不足”を補う解決策のひとつが、同じデバイスにWindowsとAndroidを両方搭載するという”デュアルOS”です。

 昨年のCOMPUTEXでは、ASUSがタブレットにスマートフォンを合体させ、WindowsタブレットやAndroidタブレットなど5つのモードで使える『Transofmer Book V』を発表したものの、その後商品として発売されたという情報は見当たらないまま、今年のCOMPUTEXを迎えることになりました。

 CES ASIAでは、中国のRamosが再起動して切り替えるタイプのデュアルOSタブレットを複数機種展示しました。すでにインテルのAtomプロセッサーは両OSをサポートしており、技術的にデュアルブートは実現可能なものとなっています。

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Ramosによる、デュアルOSタブレット。起動時にOSを選択することでデュアルブートを実現している。

 たしかに2つのOSが使えることは面白いものの、実際の使用感としては再起動が必要なこともあり、いま一歩といったところ。欲を言えば、WindowsとAndroidを動的に切り替え、もう片方をスリープ状態で待機させる機能がほしいところです。

 果たしてデュアルOSが普及する可能性はあるのか、という点でも新情報に注目です。


■ASUSの発表はAndroidが中心、Windows 10は次に持ち越し?

 6月1日、COMPUTEXの開幕に先駆けて発表会を開催したASUSからは、オールインワン型PCとして『Zen AiO』が登場したものの、Windowsノートやタブレットの発表はなし。ZenFone 2の派生型ともいえるAndroidスマートフォン『ZenFone Selfie』と、7、8、10型をラインアップするAndroidタブレット『ZenPad』が中心になりました。

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ASUSが発表したオールインワン型の『Zen AiO』。高性能さをアピールしたが、肝心のOSについての言及はなかった。

 Zen AiOは、搭載OSについて詳細を発表していないものの、音声アシスタント機能“Cortana(コルタナ)”を快適に使えると紹介していることから、Windows 10を搭載する可能性があります。

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Cortanaを利用できることから、少なくともWindows 10へのアップグレードは可能とみられる。時期的に考えて、Windows 10をプリインストールした状態で発売することも考えられる。

 気になるのは、Windows 10世代のノートPCやタブレットがどのように発表されるのか、という点です。今後、インテルやマイクロソフトの発表会でASUSの製品がさらに登場する可能性はあるのか、それともASUSが次に大きなイベントを予定しているという9月のIFAまで待つ必要があるのか。楽しみに待っていたいところです。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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