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カフェ併設店がなぜ増えたか 買う側の理由をツイートから考えてみた

cafe

 服屋、雑貨屋、本屋、CD屋、コンビニ、自転車屋まで、なんかもう最近なんでもかんでもカフェ併設だ。最近はクラフトビールが飲める理髪店まで登場した。それは関係ないが、どうなっちゃってるんだ。

 そりゃコーヒーは好きだけど、普通に考えたらカフェなんてやってもたいして儲からなさそうだ。オペレーション面倒くさいし、利率も大してよくないし、統計見れば喫茶店普通にガンガンつぶれてるし。一体なんでやってるのか。


●お店に来る動機づくりになるから?

 業界的には、お店に来る動機づくりが理由だといわれる。

 ふだん季節の変わり目とセールくらいしか行かない服屋も、雑貨屋やらカフェをかけあわせれば来てくれる回数が増えるはずだという話。業界では「ライフスタイル提案型ストア」なんて呼んでいるらしい。かっこいいけどイオンですよねそれ。

 それと、カフェで長居させることで滞留時間を伸ばせるという効果もある。

 2013年にリニューアルした伊勢丹新宿本店がそうだけど、店頭在庫をあえて12%減らしても接客時間を増やす方策をとった。セール時期でなくても「いるだけで楽しい」という感覚の演出になるというわけ。だからイオンですよねそれ。


●ちがう、ふぁぼられたいからだ

 だけど、2つともなんというか大きなお店を持っている業界の理屈っぽい。普通にお買い物をしている身としては、ソーシャル自己顕示欲要因説を推したい。

 なんでもネットで買えるいま、わざわざお買い物に来る人は、なんかこう店に対するこだわりがある人だ。この作家さんが好きとか、この店の雰囲気が好きとか、店員さんがかわいいとか、そういうのが自分の中にはっきりとある。

 で、そういう店に来た人には、やっぱ大なり小なり自己顕示欲がある。

「某店の新テキスタイルのバッグまじかわいい!神!」「ああ~某店の空気感ほんと最高~☆」とかなんとか、お店にひっかけたなんかどうでもいいコメントをつけて、きさまらもわたしのように美しい世界を見ろ的アピールをしたいのである。

 そこで必要なのが問答無用で写真である。あわよくば自撮りである。流行のパステルカラーできらきらさせたネイルでVサインとかそういうのが欲しい。「写真の有無ではインプレッションがケタちがいだからな」とか考えるわけである。


●ほらコーヒー生き物じゃないし

 だがしかし、いくらソーシャルで自己顕示欲があってもリアルではシャイなのが人間である。本屋、CD屋、雑貨屋、服屋で写真を撮るのは気が引ける。「写真撮ってもいいですかぁ~?」とか店員にヘラッと声かけるのは勇気がいる。

 そこで救世主、カフェである。液体なら黙って撮ってもまあ大丈夫みたいな意識がシャイ人間にはある。「ほらコーヒー生き物じゃないし」「コーヒー撮られても怒らないし」「ラテアート800円で高いけど1500インプは堅い」とか考えるのである。

 iPhoneの下にあるスピーカーを強く押さえ、テーブルに寝かせ、角度を変え、フィルターを変え、カップを持つ指先をぷるぷるさせながらVサインをするなどしながら何枚も撮り、「どこどこに来たついでにカフェ寄った~☆」とか書くのである。

 かくしてカフェ写真(含む自撮り)はソーシャルで広まり、お店はお金も払ってないのに勝手に宣伝される。そういう仕組みではないかと思うのである。あと普通にお茶しながらツイッターでお店の感想書きたいわけだし。以上根拠なし。


●フォロワーにコーヒー知識を聞かせよう

 でも、自己顕示欲がどうのこうの書いてしまったが、いいのだ! こだわりがあるのはないより素晴らしい。そしてそんなあなたにうってつけなのが今週金曜にあるアスキーのセミナーだ。インプが上がるのは確実だ。アスキー最高!抱いて!

ブルーボトルはなぜ流行った?「サードウェーブ」をコーヒー業界の中の人たちはどう見るか?

 恵比寿の猿田彦珈琲、コーヒーメーカーのデロンギ、サードウェーブコーヒーに詳しい松村太郎さんが最新コーヒーカルチャーについて、なんかいろいろ話すそうだ。来てくれればもれなく「フォロワーのみんなにも素晴らしいコーヒーの知識を分け与えてあげるよ!」(意訳:ふぁぼれよ)という感じのツイートができるはずだ。

 いま隣から聞いたところではコーヒーマシンの体験とか試飲もできるらしい。記念写真タイムだヒャッホー! そういうことだからとりあえず今すぐ申し込んでほしい。どうせならフォロワーを何人か巻き添えにするのもオススメだ。

●開催概要
■日時 2015年5月29日(金)
受付開始 18時30分 開演 19時〜終了予定 21時30分
■場所 株式会社KADOKAWA 角川第3本社ビル 9F(予定)
千代田区富士見1-8-19
■入場料 一般2000円(学生500円)
■募集人数 50名(予定)
■主催 KADOKAWA
■内容
第一部:各講師ご登壇
第二部:トークセッション
※セミナー後に交流の時間を用意しています。
※プログラム内容は予定です。都合により変更となる場合があります。
■■参加登録はコチラから!(Peatixの予約ページに遷移します)■■

写真:Leo Hidalgo

●関連サイト
http://www.tarosite.net/
デロンギ・ジャパン公式サイト
猿田彦珈琲

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