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ブルーボトルはなぜ流行ったか「サードウェーブ」をコーヒー業界の人たちはどう見る?

2015年05月22日 17時00分更新

サードウェーブコーヒー文化と西海岸スタートアップを語り尽す限定セミナー 5/29(金)開催
(CC)Girl Making Espresso by Petteri Sulonen

 日本上陸が話題のブルーボトルコーヒー。「意識高い系」とか揶揄されたりもしますが、実際飲んでみると確かにうまい。長時間並んで飲む価値を感じるかはそれぞれですが、スターバックスが流行らせたシアトルコーヒー系とはまったく違う、豆の味わいを感じる優しいコーヒーが特徴です。

 ブルーボトルとセットで語られる「サードウェーブ」とはそもそも何なのか?

 カリフォルニア州サンフランシスコがその発信地とされ、『Sightglass(サイトグラス)』、『FourBarrel Coffee(フォーバレル・コーヒー』、『Ritual Coffee Roasters(リチュアル・コーヒーロースター)』そして『BlueBottle(ブルーボトル)』をひっくるめて、4大コーヒーロースターなんて言われてたりします。

 位置関係はこんな感じ。

ブルーボトルはなぜ流行った?「サードウェーブ」をコーヒー業界の中の人たちはどう見るか?
林檎マークは、6月に開催されるアップル開発者会議『WWDC2015』会場であるモスコーンセンター。市内中心部には意外と店舗が少ないことがわかります

 サンフランシスコ市内や近郊には、TwitterやUber、Pinterestといった有名なネット企業がたくさんあり、ここまで大規模ではなかったとしても、社員10数名で世界で名を知られるようなスマホアプリの会社などもたくさんあります。EvernoteやFacebook、Googleのヘッドクオーターは南下したシリコンバレー近辺ですが、そうした企業社員はサンフランシスコ近郊に住居を構えていたりもします。

 サンフランシスコ市内は基本、WiFiが使える場所が多く、かつこうしたカフェは居心地も非常に良い。

 そういわけで、ノマドワークよろしく休憩代わりにPCやタブレットを持ち込むネット企業の人達が増え、サードウェーブコーヒー×IT企業の文脈ができた、という背景があります。

 さて、サードウェーブ、つまり第三の波というわけですが、第一、第二の波は?一説にはこう言われてます。いずれもアメリカ視点です。

・ファーストウェーブ
19世紀後半。コーヒー豆の大量生産・大量流通が可能になる一般家庭に普及した時期。

・セカンドウェーブ
1970年代前後。深い焙煎の豆をつかったシアトル系コーヒーが代表格。ちなみにスターバックスの創業は1971年。

・サードウェーブ
2000年前後から。高品質な豆によるおいしいコーヒーを求めるファンに向けて一部のコーヒーショップが提供を開始した。ブルーボトルの創業は2002年。リチュアルコーヒーロースターは2005年創業、フォーバレルは2008年創業。

ブルーボトルはなぜ流行った?「サードウェーブ」をコーヒー業界の中の人たちはどう見るか?
(CC)Renee Mcgurk

 ご存知かもしれませんが、ブルーボトル以外のもう1社が、実はつい最近まで日本上陸寸前でした。フォーバレル・コーヒーです。
 どれくらい寸前だったかというと、名前入りで告知され、各種ファッション系メディアの記事にもなっていたくらいです。場所は代官山の新名所・ログロード代官山(またこういう場所だから、意識高い系とか言われる)。その中に入る、『タルティーンベーカリー』というカフェでフォーバレルのコーヒーが提供されるハズでした。

 その後、水面下で何があったかは定かではないですが、ある時点からフォーバレルの代わりにブルーボトルに変わった、というのが今の状況です。タルティーンベーカリーは記事公開時点ではまだオープンしていません。
 米ブルーボトルは今年4月にタルティーンベーカリーを買収しています。この奇妙な入れ替わりは、この一件が理由ではないかと個人的には思っています。

 コーヒー業界の人の中には、「サードウェーブコーヒーとは、要するにスペシャリティコーヒーのことだ」という人もいます。
 つまり豆の供給量は限られるわけで、いまのブームのまま拡大路線で進むには限界値があるという見方もあります。その供給の限界とクオリティのバランスがどこなのか、まだ誰もわからないのですが。
 一方、IT業界のファンド・起業家たちがサードウェーブに投資し、期待しているのも事実なんですよね。

 CrunchBaseによれば、ブルーボトルのビジネスには、初期段階からGoogleVenturesやインスタグラムの共同創業者、変わったところではプロスケーター(といってもいまや資産家)のトニー・ホークが投資しています。GoogleVenturesは初期段階、シリーズBともにコミットしていて、ブルーボトルのビジネス展開を評価しているということでしょう。
 サイトグラスには、Twitter共同創業者、ジャック・ドーシーが投資しています。

ブルーボトルはなぜ流行った?「サードウェーブ」をコーヒー業界の中の人たちはどう見るか?
CruncBaseより。https://www.crunchbase.com/organization/blue-bottle-coffee

 こうした目ざとい人々が注目するコーヒービジネスの裏側ってどうなってるんだろう?おいしく"スペシャル"なコーヒー豆の世界ってどうなってるんだろう?

 そんなことを含め、5月29日(金)に開催するコーヒーxITセミナー(大江戸スタートアップアカデミー主催)では語りたいと思っています。
 登壇者は、

・サンフランシスコ近郊のバークレー在住のITジャーナリスト 松村太郎さん
・スペシャリティコーヒーの独立系ロースター・猿田彦珈琲 村澤さん
・コーヒーマシン世界トップシェアのデロンギ・ジャパンの北元さん、戸倉さん

 という豪華なメンバー。
 こういうセミナーですから、徹底的にコーヒーを語りつつ、デロンギのエンジニアの方とコーヒーマシンを体験したり、猿田彦珈琲さんの豆を使った試飲も予定(スペシャル!)。

 毎月のとおり参加人数限定のセミナーです。5月29日(金)19:00〜(体験・試飲は18:30〜)。 東京・飯田橋駅の角川第3本社ビル9Fにて開催。ぜひお早めに参加登録をお願いします!

ブルーボトルはなぜ流行った?「サードウェーブ」をコーヒー業界の中の人たちはどう見るか?

『Twitter創業者も虜にする”豆”のベンチャー文化 サードウェーブコーヒー×西海岸ITベンチャー最新事情』の参加登録はコチラから

●関連サイト
デロンギ・ジャパン
猿田彦珈琲
tarosite.net

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