2015年05月23日11時00分

【私のハマった3冊】密かに応援していた“彼女”が売れっ子になったときに読む3冊

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ジュンのための6つの小曲
著 古谷田奈月
新潮社
1728円

ならずものがやってくる
著 ジェニファー・イーガン
ハヤカワepi文庫
1296円

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと
著 チャールズ・ユウ
早川書房
1728円

 

 メディアでひと目見た”彼女”を密(ひそ)かに応援している自分。しかし、よく雑誌やテレビで目にするようになってしまった日には「ああ売れてしまった」というノスタルジアを(勝手に)感じる。

『ジュンのための6つの小曲』の主人公ジュンの純粋さには、状態保存しておきたいほどのかわいさと、「好きすぎるから吐きそう」という感想を抱いた。しかし、非凡なジュンと凡なトクの比較が浮き出る後半には才能の差から生じる、年齢とは関係ない残酷な現実を垣間(かいま)見る。純粋さが人を傷つける様や、才能が違う子にはこんな風景が見えているのか、応援していた彼女も小さいころから違っていたのかなという妄想が止まらない。

『ならずものがやってくる』は、後悔を感じてもすでに遅いという時間に関することを思い知るが、同時に未来についても自在に描かれていることから、現在をひたすらに生きること、見ておくことが大事、という気持ちの整理になった。目を光らせていた、売れてしまった彼女とは、すでにメディアから接触したのである。その時点で業界としては売っていこうという明確な意志があったのだ。お目かけ役というポジションはこっち側の私にはありえないことで、せめてこの小説のタイトルにある”ならずもの”でも良いので彼女の日常のどこかに接触していられたら、という気持ちがわく。

 タイムマシンさえあったら、売れてしまう前の彼女の人生に影響を与えることができたかも、というキモい考えも『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』にあるタイムマシンに乗って時間のはざまを漂っている主人公が、過去に戻った場面においてその場の正解を知っているにもかかわらず、未来をねじ曲げるような失敗を犯してしまうところから、それさえ難しいことを思い知る。

 現在の応援するという立場、関係からは何も変わらない変われないのだからまじめに応援しようと3冊から学んだ。
 

あんろ
気持ち悪さとハードボイルドさ両方を兼ね備えた大人にぼくはなりたい。矢吹奈子ちゃんかわいすぎ。

※本記事は週刊アスキー6/2号(5月19日発売)の記事を転載したものです。

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