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アナログレコードとデジタル音楽を同時に売れるウェブサービスQratesが逆に新しい

2015年04月24日 10時00分更新

 トウキョウ・デジタルミュージック・シンジケイツ(TDMS)は、リアルのアナログレコードとデジタル音楽を融合した、逆に新しい音楽配信プラットフォーム“Qrates(クレイツ)”のベータサービスを開始した。

 Qratesはアーティストや音楽レーベルが楽曲をストリーミング配信、ダウンロード販売できるプラットフォームで、最大の特徴は実際のレコードをつくって販売できるということ。レコードは100枚という通常では注文できない小ロットから注文でき、クラウドファンディングのように募集枚数を決めて販売する“ファンディング”ができるため、あらかじめ予約オーダーを受けることで、売れずに在庫を抱えるというリスクを回避できる。通常のクラウドファンディングと違い、オーダー数に達しない場合でも注文が可能。差分は自ら在庫として受け取り、ライブ会場などイベントで販売することも可能だ。

Qrates

 レコードはジャケットやラベルなどを“3Dデザインツール”というサイト上の機能で作成できる。レコードに着色すると価格が上がるなど変動。製造枚数と販売単価と入力するとその場で収益を確認コントロールできる“マネージメント機能”も備える。サービスの利用料は無料、販売手数料はファンディングのでレコード販売が15%で、それ以外のケース(デジタル配信など)は10%となり、残りはすべてアーティストや音楽レーベルに支払われる。

Qrates

 TDMSのBae Yong-Bo(ペ・ヨンボ)代表取締役によると現在、ほかの方法でレコードをつくろうとしても「最低でも300~500ロットが必要で相当なコストとなり、製造、流通コスト、小売りマージンを含めると、300枚売り切っても赤になってしまう」と問題点を指摘する。Qratesは「100枚からオーダーできるよう特別に欧州の工場と契約。レコードをつくる在庫リスクをなくすために、プリオーダーという仕組みにした。オープンプラットフォームで誰でも利用できる」ものだ。それこそ音楽以外にも利用シーンはあり、「スピーチ、結婚式、大学の吹奏楽部から、お経でも良い」という。

 Qratesは個人、法人問わず利用できるため、ボーカロイド楽曲や同人音楽など、レコードをファンといっしょにつくったり、即売会でグッズとして販売するのに利用するのもおススメで、ちょっと欲しいと思ってしまう。アンプを内蔵する低価格のレコードプレーヤーも人気を集めており、新しいブームの火付け役になるかもしれないサービスだ。

■関連サイト
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