2015年04月13日12時30分

Cocos2d-xのv3系のロードマップが明らかにCocos 2015春期開発者会議レポート

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 4月2日に中国の北京で開催された「Cocos 2015春期開発者会議」(Cocos Developers Conference(Spring)2015)に参加してきた。春期とあるように半年に一度、春と秋に開催されている Cocosの開発者会議だ。Cocosに関して詳しくない方にはどうして北京で開催されているのか不思議だと思うかもしれない。Cocos2d-xおよび、Cocos2d-JSなどのCocosシリーズは中国のChukong Technologies社が開発を手がけているのだ。中国はまさにCocosの本場。また、Cocos2d-xのバージョン3からはCocos2d for iPhoneを開発したRicardo氏もChukong Technologies社に加わり開発を担当している。

Cocos2d-x
Cocos2d-x
Cocos2d-x

 午前はメインセッションがあり、午後はテックセッション、ゲームセッション、企業セッションと3つに分かれての進行だ。参加者のほとんどが中国人なので、カンファレンスは中国語で進められる。午前中のキーノートは一部の方には英語の同時通訳が入る形式となったが、午後のセッションは中国語オンリーとなり、プレゼン資料の漢字とたまに記載されている英語を頼りに理解をする流れとなる。

Cocos2d-x

 筆者は午前のメインセッションと午後はテックセッションに参加した。これらを聴講した感想として、本カンファレンスの目玉はCocos v2.2だと思った。「2d-x」などの付かないCocosという製品はまだ一般になじみが薄いと思う。Cocosは今までバラバラに提供されていたCocos2d-x、Cocos2d-JS、Cocos Studio、Cocos Code IDEなどを統合する環境であり、さらにCocos Frameworkというランタイムライブラリも追加していくようだ。

 新たに Cocos ShopというUnityのAsset Storeに近いものも組み込まれた。まだ、Cocos Shop内からダウンロードできるものは少ないが、Cocos2d-xをインストールする際に必要なAndroid SDKやAndroid NDKなども入っているのは初心者にはうれしい配慮だろう。またCocosを中心としたツールチェインが提供されたことにより、各ツールをシームレスに使って開発を進められそうだ。

Cocos2d-x
Cocos2d-x

■Cocos v2.2紹介ビデオ

 2015年3月現在、Cocosのマーケットシェア(Cocos2d-xとCocos2d-JSを指しているものと思われる)は、中国では55%、日本では32%ということだ。中国では以前は70%以上あったことを思うとUnityなどのほかのゲームエンジンの勢力が増してきているのだろう。

Cocos2d-x

 今回カンファレンスに参加して、中国でのCocosのサポート体制に驚いた。中国で広く普及しているインスタントメッセンジャーである「QQ」のグループを使ってのサポートなども実施されているそうだ。日本でもフォーラムや何かしらのサポート体制がもう少し手厚くなるともう少しシェアを拡大できるのではないだろうか。

 また中国の特徴としては、Cocos関連の学校教育に関して力を入れていること。筆者も今年の3月までゲーム専門学校でCocos2d-xを教えていたが、日本ではまだそれほど例がない。一方、中国では北京大学をはじめ、60もの大学で講義が開催されているそうだ。しかも講師陣は Cocos2d-xの開発陣という豪華な顔ぶれ。エンジニアの認定制度もあり、受講する学生にもメリットは大きいだろう。

Cocos2d-x

 午前のメインセションの後半は Cocos2d-JSの話だった。中国ではCocos2d-JSでの開発がかなり以前から活発だったが、JavaScriptでもかなりハイクオリティーな3D ゲームが開発されているのをデモで見て驚いた。最近、日本でもCocos2d-JSが使われはじめてきている。JavaScript という使えるエンジニアが多い言語はそれだけでもメリットが多く、性能的にもクオリティー的にも問題ないとなればなおさらだ。Cocos Code IDEとの親和性が高いのも大きなメリットだろう。日本でも今後注目のゲームエンジンのひとつとなるだろう。

■Cocos2d-JS作品紹介

 日本の開発者が最も気になるのは、やはりCocos2d-x v3の今後とv4の話だろう。やはり3Dに力を入れていく印象だ。現時点ではv3.5までリリースされているが、v3.5では 3Dパーティクルに対応した。さらにv3.6ではSkybox(広大に広がる画面全体を覆う空を表現するもの)、Terrain(地形の生成)に対応、v3.7ではNavigation Mesh、3D Path finding、3D Physicsへの対応が予定されているそうだ。

 さらに午後のRicardo氏のプレゼンテーションで、v3.7とv4に関して追加の情報があった。v3.7では3Dの立体モデルにテクスチャーを貼り付けることが可能になるNavigation Meshのほか、ブラーや白黒、セピアなどのエフェクト処理やエッジ検出などもサポートされる予定だ。v3.8ではマルチスレッドレンダラーをサポートするとのこと。最近のスマートフォンではマルチコアのプロセッサーを搭載しているので、マルチスレッドレンダラーを効率的に利用できる環境は整っており、メモリーの使用効率とパフォーマンスの向上につながるだろう。なお、去年のAppleの開発者会議であるWWDCで発表されたiOSのMetalをCocos2d-xがサポートするのは、その先になるようだ。v4ではGPU AgnosticとFrame Graphに対応予定ということだ。

 Cocos2d-xの今後に関してパッと目を引くような発表はなかったが、それはCocos2d-xが成熟してきた証拠だろう。v2系と違い、v3系はマイナーバージョンアップが頻繁で開発がより本格化している証拠といえる。ひとまず開発者は安心して現行のv3系で開発を進めることができるだろう。今後のCocos2d-xは、3Dのサポートの強化、使いやすさ、パフォーマンス向上を極めていくことだろう。

 現在、特に日本でCocosと言えば、Cocos2d-xがひとり歩きしている。2Dのイメージを払拭したいのと、インストールをより簡単にするためにも、今後は「2d-x」を取った 「Cocos」という名前を浸透させていきたいのだろう。これからのCocosの目指しているところはキーノートの冒頭部分のスライドに書かれている、次の2文に集約されている気がする。

Cocos2d-x

Cocos is tailor made to make game development quickly and easily with a great focus and dedication on the ever growing mobile gaming industry.

Cocos combines the best ingredients from cocos2d community. We are able to create the complete all in one solution that is more focused and more robust than ever before.

■関連サイト
Cocos Developers Conference(Spring)2015
Chukong Technologies

■編集部からのお知らせ
 さて、週刊アスキー編集部では4月23日(木)19時から、モバイルアプリ開発者向けのセミナー「アドネットワークとスマホAppの未来」を開催します。場所は、東京・飯田橋の角川第3本社ビル。Cocos2d-xの開発元であるChukong Technologies Japanの清水友晶氏による、Cocos2d-xでアドネットワークを組み込む方法や注目の開発環境「AnySDK」の紹介など、注目の講演内容が目白押しです。まだ席には若干余裕がありますので、アプリ開発者のみなさんはもちろん、インディーズアプリに興味のあるユーザーのみなさん、ぜひ参加をお待ちしております(吉田ヒロ)。

応募はこちらから

Cocos Developers Conference (Spring) 2015

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