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毎秒2.7GBで神速!NVMe対応超高速SSD『Intel SSD750シリーズ』がヤバすぎる

2015年04月03日 01時00分更新

  インテルから“NVM Express”(Non-Volatile Memory Express、NVMe)対応SSD『Intel SSD750シリーズ』が登場した。本製品は、同社のコンシューマー向けSSDの中で最もハイエンドに位置し、前作730シリーズの後継にあたる製品である。従来のシリアルATA(SATA)ではなく、PCI Express(PCIe)を接続インターフェースに採用し、内部インターフェースの仕様も現在主流のAHCI(Advanced Host Controller Interface)ではなく、NVMeを採用している点が最大の特徴だ。

Intel SSD750シリーズ

 ちなみにNVMeとは、PCIeをベースにSSD向けに策定された新しいインターフェース仕様である。現在主流のAHCIは策定時期が古く、HDDを前提として設計されていたため、SSDの特性を最大限発揮できるようには設計されていなかった。NVMeではこの問題を解決すべく、PCIeをベースにSSD専用として策定されている。

 なお、NVMeはコンシューマー向けだけでなく、エンタープライズ領域もカバーする。その代表的な機能が、AHCIと比較して大幅に強化されたコマンドキューの実装である。この機能は、CPUでいうところのアウトオブオーダーに相当する機能で、AHCIでは“NCQ”(Native Command Queuing)という名称で呼ばれているものだ。

 AHCIとNVMeとの違いは、コマンドをためる器に相当する“コマンドキュー”の最大数と、コマンドキューにためることができるコマンドの最大数にある。AHCIでは、コマンドキューがひとつでそこにためられるコマンドは最大32個だった。しかし、NVMeでは、コマンドキューが最大64K個となり、ひとつのコマンドキューにためられるコマンドも最大64K個に大幅に拡張されている。

 加えてNVMeは、マルチタスク動作に対応している点もAHCIとは異なる。NVMeではアプリに対してそれぞれ独立したコマンドキューを割り当て、それを並列に動作させることも可能だ。

 NVMe対応SSDは、SAMSUNGがSM951シリーズをOEM向けに出荷を開始しているほか、インテルもデータセンター向けのDC P3600/P3700シリーズの販売を開始しているが、コンシューマー向けの製品はこれまで発売していなかった。そのため、750シリーズはコンシューマー向けに発売する初のNVMe対応SSDとなる。この期待の新製品を試用する機会を得たので、その実力を検証するだけでなく、OS起動が行なえるかなどの点についてもレポートしたい。

ラインアップは400GBと1.2TBモデルのみ
自作PC向けはPCIe拡張カード形状の製品がメイン

 750シリーズは、接続インターフェースに最大データ転送速度32GbpsのPCIe 3.0×4接続を採用し、“HHHL”(Half-Height Half-Length)と呼ばれるPCIe拡張カード形状の製品と2.5インチ形状の製品が用意されている。ただし、後者の2.5インチ形状の製品は厚さが15mmで、コネクター形状は“SFF-8639”を採用している。そのため、SFF-8639コネクターを備えたラックマウント向けの製品と言っても過言ではない。

 というのも、SFF-8639のコネクターを備えたSSDを自作PCで利用するには、“SFF-8643”というPCIe接続用のコネクターを備えたマザーボードと専用ケーブルを利用するか、外部電源を接続するための電源コネクターを備えた、片側がSATA Express、もう一方がSFF-8639という特殊なケーブルを用意する必要がある。このような機材は、現在のところ発売されていない。また、後者のSATA ExpressはPCIe×2接続となるため、本製品の最大性能を発揮することはできない。そのため、自作PCユーザーが購入するとすれば、事実上、HHHL形状の製品一択となるだろう。

Intel SSD750シリーズ

 750シリーズは、400GBと1.2TBの容量の製品を用意しており、インテル製の20nmプロセス製造の128GbitのNANDメモリーを搭載。なお、今回試用したのはHHHL形状の1.2TBモデルである。

リード最大2400MB/s、ライト最大1200MB/s
コンシューマー向け最強スペックを実現

 次に公称スペックを見ていこう。750シリーズは400GBモデルと1.2TBモデルをラインアップしているが、記録容量によって最大速度は若干異なる。400GBモデルのシーケンシャルリード速度は最大2200MB/s、シーケンシャルライト速度は最大900MB/s。1.2TBモデルのシーケンシャルリード速度は最大2400MB/s、シーケンシャルライト速度は最大1200MB/sとなっている。1.2TBモデルのほうが、それぞれ200MB/sと300MB/sほど速い。4KBランダムリード/ライト速度も同様だ。1.2TBモデルの4KBランダムリードは440K IOPS。4KBランダムライトは、290K IOPSとなっており、400GBモデルと比較すると、リードは10K IOPS、ライトで60K IOPSほど速い。

 従来のSATA接続のSSDと比較すると、750シリーズの驚異的な性能が一目瞭然だ。SATA接続のSSDでは、高速な製品でもシーケンシャルリードは最大550MB/s、シーケンシャルライトが500MB/sほどだった。しかし、750シリーズは、若干性能が劣る400GBモデルですら、シーケンシャルリード速度は約4倍、シーケンシャルライト速度は約2倍も速い。

 4KBランダムリード/ライト速度も圧倒的だ。SATA接続のSSDでは、高速な製品でも4KBランダムリードは100K IOPS、4KBランダムライトは90K IOPSほどしかない。一方、750シリーズは、400GBモデルで4KBランダムリードが430K IOPS、4KBランダムライトが230K IOPSとなっており、それぞれ約4倍、約2.5倍も高速だ。750シリーズは、これまでのコンシューマー向けSSDとは次元の異なる性能を実現した製品となっている。

 また、耐久性を表わす書き換え可能容量(TBW)は、400GB/1.2TBモデル共通で1日70GBのデータを書き込むことを前提に“219TB”となっており、保証期間は5年間だ。これを少ないとみるか、多いとみるかは人それぞれだが、前提条件となる1日70GBの容量を5年間毎日書き込むと総容量は計算上、約128TBになる。これを前提に考えると、想定書き込み容量の約2倍の書き込み可能容量が保証されており、期間にして約9年ほどは書き込み可能容量に到達しない計算だ。前提条件と保証期間を考えると、ハイエンド向けの名に恥じない長寿命の製品と言えるだろう。

Intel 9シリーズ以降ならOS起動も問題なし
ドライバーはMS標準とインテル製が利用可能

 750シリーズは、コンシューマー向け初のNVMe対応SSDということもあり、そのパフォーマンスだけでなく、OS起動がきちんと行なえるのかという点に注目しているユーザーが多いはずだ。そこで、性能チェックの前にOS起動について説明しておこう。OS起動の検証を行なったのは、Windows 8.1 Update Enterprise 64bit版とWindows 10 TechnicalPreview 10041である。両OSは、ともにNVMe対応ドライバーを標準搭載している。

 まず、結果から報告すると、今回検証に利用したASRock製マザーボード『Z
97 Extreme 6』では、問題なくOS起動が行なえた。Z97 Extreme 6は、2014年末にNVMe対応UEFI(P1.70)をリリースしており、このUEFIに更新することで問題なく利用可能だった。ASUSやギガバイト、MSIなども同様にNVMe対応のUEFIをリリースしている。今回はチェックを行なっていないが、これらのメーカー製マザーボードでもNVMe対応UEFIに更新することで問題なくOS起動が行なえるはずだ。

 また、OS起動を行なう際に、UEFI上では何の設定を行なう必要もなかった。というよりも、Z97 Extreme 6では、750シリーズを接続してもUEFI上には何の設定項目も表示されない。OSをインストールしてはじめて、起動ドライブの選択画面に「Windows Boot Manager」という文字が表示されるようになる。NVMe対応SSDからのOS起動は、UEFI 2.3.1以降が必須で、同時にNVMe対応ドライブを起動するための仕組みがUEFIに含まれている必要がある。このため、OS起動は、UEFIブートに限定され、従来のレガシーブート(BIOS BOOT)は、サポートされていない可能性が高い。OSをインストールするときは、その点に注意してほしい。

 なお、Windows 7の起動は今回、確認する時間的余裕がなかった。しかし、対応ドライバーがマイクロソフトのWebサイト(http://support.マイクロソフト.com/en-us/kb/2990941)で配布されている。このドライバーが含まれたインストールディスクを自分で作成すれば、Windows 7のインストールを行なうことができる可能性が高い。また、インテルでもNVMe対応ドライバーを準備している。これを使ってWindows 7のインストールを行なう方法もある。

 さて、前置きが長くなったが750シリーズのパフォーマンスをご紹介しよう。テスト環境は以下に示した通りで、比較用にSATA接続の730シリーズも用意した。検証に利用したのは、750シリーズの1.2TBモデルと730シリーズの480GBモデルである。また、性能の検証に利用したベンチマークソフトは、『CrystalDiskMark 3.03b』、『IOMeter 1.1.0 32bit版』、『TxBENCH 0.95b』、『PCMark 8 Ver2.3.293』の4種類。OS標準のマイクロソフト製ドライバーとインテル製ドライバーの両方で検証を行なっている。また、OS起動時間も測定した。

●検証環境
CPU:Intel Corei5-4460(3.2GHz)
マザーボード:ASrock Z97 Extreme6
メモリー:16GB(Crucial BLT2K8G3D1608ET3LX0、8GB×2)
グラフィック:Intel HD Graphics 4600(Corei5-4460内蔵)
システムドライブ:TOSHIBA THNSNJ256GCSU(HG6y)
OS:Windows 8.1 Update Enterprise 64bit版
電源ユニット:玄人志向KRPW-P630W/85+

CrystalDiskMarkはリード最大1630MB/sを記録
ドライバーによって性能差が発生

 最初に定番のCrystalDiskMark 3.0.3bの結果から見ていこう。750シリーズのシーケンシャルリードは、OS標準のマイクロソフト製ドライバーの場合で1274.9MB/s、インテル製ドライバーの場合で1630.3MB/sを記録した。公称値の2400MB/sという速度を考えると、若干物足りない速度だが、SATA接続の730シリーズと比較すると約3倍も高速な結果となっている。加えて、ドライバーの違いによっても速度が異なっており、なんと300MB/s以上の速度差が発生している。この傾向は、シーケンシャルライトでも同じで、マイクロソフト製ドライバーの1099MB/sに対し、インテル製ドライバーでは1288.2MB/sと約200MB/sも高速な結果を叩き出している。

Intel SSD750(インテル製ドライバー)
Intel SSD750シリーズ
Intel SSD750(マイクロソフト製ドライバー)
Intel SSD750シリーズ
Intel SSD730
Intel SSD750シリーズ

 一方、4KBのランダムリード/ライトの速度は、シーケンシャルリード/ライトの結果とは若干異なる傾向となった。QD1の結果は、マイクロソフト製ドライバーでリード42.9MB/s、ライト247.9MB/s。インテル製ドライバーの場合でリード42.7MB/s、ライト240.4MB/sとなり、結果はほぼ同等だった。QD32の結果も同じ傾向となり、マイクロソフト製ドライバーがリード701.8MB/s、ライト622.4MB/s。インテル製ドライバーがリード672MB/s、ライト564MB/sで、ややマイクロソフト製ドライバーのほうが速いが、誤差のレベルといって差し支えない範囲だろう。

IOMeterでシーケンシャルリード2700MB/s
シーケンシャルライト1300MB/sを記録!

 次にIOMeter 1.1.0の結果を見てみよう。IOMeter 1.1.0では、2つの方法で速度計測を行なっている。ひとつが、SSDに対してダイレクトにリード/ライトコマンドを送って速度を計測する“RAWモード”だ。この方法は、NTFSなどのファイルシステムを利用しないため、その影響を受けない。つまり、ドライブの素の性能を計測できる。実際に750シリーズは、IOMeterを利用してRAWモードによって計測された速度が公称値として記載されている。

 もうひとつが、CrystalDiskMark 3.0.3bと同様にファイルシステムを介した速度計測である。この方法では、速度計測用のファイルを作成し、それを仮想ドライブとしてアクセスすることで速度を計測する方法だ。本稿ではこの方法を便宜上“ファイルモード”としている。

 これら2種類の方法で速度計測を行なったのは、ファイルシステムのオーバーヘッドが原因で、CrystalDiskMark 3.0.3bの速度が振るわなかったと考えたからである。さらにNVMeはマルチタスク対応でAHCIよりも多くのコマンドをキューイングできるため、通常のQD32に加え、QD64やQD128の速度計測を行ない、QD32のタスクを複数同時に実行し、複数タスクによる速度の違いなども計測している。

 計測サイズは、シーケンシャルリード/ライトで128KB、ランダムリード/ライトで4KBとした。シーケンシャルで128KBを選択しているのは、実際のドライブに送られるコマンドあたりの最大データ転送長が128KBとなっているからである。ランダムの4KBは、通常の利用で最も多いアクセスが、4KBとなるからである。

RAWモードで計測
Intel SSD750シリーズ
ファイルモードで計測
Intel SSD750シリーズ

 結果は、RAWモードを利用する限り、インテル製ドライバー(図ではInte Dirverと表記)/マイクロソフト製ドライバー(図ではMs Driverと表記)ともにほぼ同じシーケンシャル速度を実現していることがわかった。両者ともにシングルタスク時にシーケンシャルリード最大2700MB/sオーバーを記録している。この速度は、公称値よりも約300MB/sほど速い。また、シーケンシャルライトも両ドライバーともに1300MB/sを記録しており、こちらも公称値よりも100MB/sほど速かった。

 ランダムリード/ライトの結果も、RAWモードについてはシーケンシャルと同じ傾向になった。インテル製ドライバー/マイクロソフト製ドライバーともにほぼ同じ速度となっており、誤差レベルの差しか出ていない。

複数タスクを利用することでランダム速度が向上
4タスク時に4KBランダムリードが1900MB/s超え

 興味深いのが、Queue Depthを通常の32から64、128へと増やした場合の速度と、RAWモード/ファイルモードという計測モードの違いにおける性能差やインテル製ドライバーとマイクロソフト製ドライバーの性能差だろう。

QD別の速度差
Intel SSD750シリーズ

 Queue Depthを増やした場合の速度は、グラフからもわかるようにシーケンシャル、ランダムともにQD32~128でほとんど違いが出ていない。NVMeでは、タスクに相当するコマンドキュー当たり最大64Kコマンドをキューイングできる。このため、キューイングできるコマンドの数を増やす、つまりQueue Depthを増やせばそれだけ多くのコマンドがキューイングでき、速度が上がっても不思議ではない。しかし、この結果を見る限り、現状ではそのようには設計されていないように思える。

 一方で、タスクを増やした場合の結果は、Queue Depthの違いによる結果とは傾向が異なる。

タスク別の速度差(RAWモード、シーケンシャル)
Intel SSD750シリーズ
タスク別の速度差(RAWモード、ランダム)
Intel SSD750シリーズ
タスク別の速度差(ファイルモード、シーケンシャル)
Intel SSD750シリーズ
タスク別の速度差(ファイルモード、ランダム)
Intel SSD750シリーズ

 シーケンシャルリード/ライトは最大速度に達しているためか、タスクを増やしても速度の変化はほぼない。しかし、4KBのランダムリード/ライトは、タスクを増やすごとに確実に速度が上がっていく。最終的に4タスクの同時実行時のRAWモードにおいては、公称値を超えるランダムリード460K IOPSオーバー、ランダムライト300K IOPSオーバーという驚異的な速度を叩き出している。マルチタスクに対応したNVMeの本領発揮といったところだろう。

 計測モードやドライバーの性能差にも注目したい。計測モードは、RAWモードのほうが、シーケンシャル/ランダムともに速い数値が出ている。ここから推測できるのは、ファイスシステムのオーバーヘッドによってファイルモードで計測すると若干速度が遅くなるということだ。

 また、インテル製ドライバーは、RAWモード/ファイルモードに関係なく、安定した性能を実現しているが、マイクロソフト製ドライバーは、ファイルモードで利用したときに性能が安定していない点が気にかかる。それが顕著に出ているのが、ファイルモードのシーケンシャル性能だろう。マイクロソフト製ドライバーは、最も速度が出るはずのこの項目で、シーケンシャルリードがわずか500MB/s強に留まり、シーケンシャルライトも1000MB/sを切ってしまっている。

 この傾向は、RAWモードとファイルモードの両方で速度を計測できるTxBENCHでも出ており、ベンチマークソフトの問題という感じではない。

インテル製ドライバーで計測(ファイルモード)
Intel SSD750シリーズ
マイクロソフト製ドライバーで計測(ファイルモード)
Intel SSD750シリーズ

 可能性として高いのは、マイクロソフト製ドライバーの完成度が低いということだろう。製品の購入を検討しているユーザーは、この点を覚えておいたほうが良いだろう。

現役最強の性能を実現したSSD
専用ツールも準備されている点も魅力

 次にOS起動時間と実使用感を測定できる、PCMark 8の結果を見てみよう。

OS起動時間を計測
Intel SSD750シリーズ

 OS起動時間は高速起動のチューニングを一切行っていない状態でチェックを行ない、730シリーズは5回平均で20.6秒。一方、750シリーズは、24.2秒だった。750シリーズは電源投入時やリセット時に、UEFIに認識されるまでのイニシャライズに体感で3秒前後ほどの時間を要していた。これが従来のSATA接続のSSDよりもOS起動に時間を要した理由だと考えられる。

 また、PCMark 8の結果も僅差だった。750シリーズのトータルスコアーは、マイクロソフト製ドライバー利用時で5012、インテル製ドライバー利用時は5069、730シリーズは5006という結果だった。

 750シリーズは、従来のSATA接続の製品とは比較にならないほど高いポテンシャルを秘めてていることはベンチマークの結果で明らかになった。しかしその一方で、NVMeなどによって強化された部分は、ストレージに対して常にアクセスが発生するようなデータベースサーバーなどの用途に向けたものが多い。マルチタスクへの対応などはその最たる例だろう。このため、個人ユーザーの一般的な用途における恩恵は少なく、体感速度の向上にはあまり寄与していないと考えることができる。というよりも、SSDは現段階で十分に高速化されており、一般的な用途では多少の性能向上は体感し難くなっていると考えるべきだろう。

 ちなみに、インテルは750シリーズに対応した専用ユーティリティー『SSD Tool Box』を用意している。このユーティリティーを利用することで、750シリーズに記録されているデータをすべて消去し、工場出荷時の状態に戻したり、Trimコマンドを手動で送ることができる。

 前者の消去機能は、SATA接続のSSDで“Secure Erase”と呼ばれていた機能である。NVMeでは、この機能をSecure Eraseではなく、“Format NVM”コマンドとして実装している。Format NVMコマンドは、Secure Erase相当の消去を行なえるほか、暗号化機能を搭載している場合は、暗号化を解除する“Crypte Erase”機能も合わせて実装している。

 現状、NVMe対応SSDの“Format NVM”に対応したユーティリティーは、インテルが準備しているSSD Tool Box以外に存在していない。このユーティリティーを利用したデータ消去は、マイクロソフト製ドライバーでは利用できなかったが、インテル製ドライバーをインストールすることで利用可能になる。本製品を購入するユーザーは、入手しておくことをオススメする。

Intel SSD750シリーズ
↑インテル製ドライバーのプロパティ画面。上位モデルDC P3700/P3600/P3500と共通のドライバーとなっている。
Intel SSD750シリーズ
↑インテル製ドライバーの詳細画面。ファイル名は「IaNVMe.sys」となっている。
Intel SSD750シリーズ
↑SSD Tool BoxのSecure Erase画面。ここで消去を実行するとFormat NVMeコマンドが実行される。実行には、Intel製ドライバーのインストールが必要だ。


 

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