ホンダは2シーター・オープンスポーツの『S660(エスロクロクマル)』を4月2日に発売すると発表。本日発表会が行なわれた。青山一丁目交差点にあるホンダ・ウェルカムプラザ青山には、報道関係者や招待客が多数詰めかけ、立ち見が出るほどの盛況ぶり。軽自動車の2シーター・MRオープンスポーツといえば、ホンダの『ビート』を思い浮かべる人も少なくないはず。ビートが1991年の発売なので、あれから24年の月日が経ったが、“走る喜び”を体感できるスポーツカーを追求して生まれたのが、このS660である。
開発責任者は、2007年に入社し26歳という若さでこの大役を任された椋本陵氏。
椋本氏「S660はスポーツカーをつくりたいという夢から生まれたクルマです。私は幼いころからクルマが大好きでした。さらに小学校の図書室で見つけた本がきっかけでホンダに憧れました。晴れてホンダに入社し、数年後に行なわれた本田技術研究所50周年を記念したイベントで新商品提案企画が行なわれることを知り、ここで軽スポーツカーの提案をしました。このイベントでグランプリを獲得したことが、S660の開発のきっかけです。提案した私が開発責任者となり、それだけではなく、スポーツカーをつくりたいと自ら手を挙げた若手エンジニアを、各領域のプロジェクトリーダーに起用し、その若手を支えるベテランエンジニアとともにS660開発チームを結成しました。昨今クルマ離れという言葉も聞き慣れたように感じますが、あえてクルマ離れと言われるわれわれ世代が、クルマの楽しさを追求したS660をつくり上げ「クルマって楽しいんだぜ」というメッセージを、世の中へストレートに発信していくことを目指して開発してきました」
椋本氏「S660の楽しさには大きく2つあります。まずはスタイリングからくる見る楽しさ。そして人と車が一体となり、いつまでも乗っていたくなる乗る楽しさ。さらに自分たちにとって身近でこれからも長く愛していけるクルマ、という観点も加えいています。車の魅力に慣れ親しんだベテランドライバーが、心底思いっきり楽しめることはもちろん、ビギナーをはじめ、ひとりでも多くの人がクルマの楽しさを実直に楽しめる、そんな懐の深いスポーツカーを目指しました。見る楽しさ、そして乗る楽しさ、さらにいままで培ってきたホンダスポーツのDNAをきっちり継承し、ドライバーの心が高ぶるハートビートスポーツ。これがS660のコンセプトです。このS660で多くのお客様に笑顔を届けられることを願っております」
峯川尚専務執行役員は、
峯川氏「2013年の東京モーターショーから1年4ヵ月経ちましたが、本日ようやく皆様にお披露目できる運びとなりました。S660の企画を開始したとき、社内では2シーターのスポーティーなクルマを目指すべきか、本格的なスポーツカーを目指すべきか、その方向性について多くの時間を費やし議論しました。検討を進めていく中で、このS660に期待する中心的なお客様は本格的なスポーツカーにあることを知り、そのご期待にこたえるべく開発の方向を定めました。ただし、今回のこのS660には6速MTに加え、7速パドルシフト付きCVTを設定することで、より多くの方々に選びやすいようにいたしました」
S660は八千代工業で製造。ロボットだけでなく人間の手を加え1つ1つ丁寧に製造されるため、1日40台、月産800台となとのこと。すでに3000台の受注が完了し、7月までに順次納車されるという。今後、とくに生産を強化させることはないため、早く手に入れたい人は今すぐにでも注文したいところ。納期については随時サイト上に掲載する予定だ。
↑椋本氏は会見後も記者たちの注目を集めていた。 |
グレードはαとβがあり、それぞれ6MTとCVTの仕様がある。βが198万円から。αが218万円から。またS660 CONCEPT EDITIONが238万円から、660台限定で発売される。ボディーアラーは プレミアムスターホワイト・パール(新色)、プレミアムミスティックナイト・パール、アドミラルグレー・メタリック、プレミアムビーチブルー・パール(新色)、カーニバルイエローII(新色)、フレームレッドの全6色。S660用の無限パーツも4月2日より順次発売される。
■関連サイト
S660スペシャルサイト
S660オフィシャルサイト
■写真で見るS660
↑フロアマットのラベル |
↑ロールトップをしまう場所はフロントに。 |
↑エンジンルームは後ろ。 |
↑エンジンルームからマフラー部分を見たところ。 |
↑CVT仕様の運転席足元。 |
↑エンジンルームとガソリンタンクのオープナーは床に。 |
↑パドルシフトは小さめだが、違和感なく操作できると思う。 |
オプション装着車の写真は次のページで。
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