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死ぬまで使えるLED電球 まさかの100年寿命に挑戦する『001プロジェクト』

2015年03月28日 07時00分更新

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 米国・カリフォルニア州リバモアの消防署には点灯してから100年以上、現在も光り続ける白熱電球があるという。Centennial Light(100年電球)と呼ばれる街の名物で、ギネスにも認定されている。

 100年の長寿命を今度はLED電球で実現しようと27日に始まったのが、クラウドファンディングMakuakeでの『001プロジェクト』だ。2013年創業のベンチャー企業・KKテクノロジーズが開発を行う。

 LED電球と言えば、長寿命で省エネが特徴だが、商品パッケージに書かれているような省エネ的売り文句に対して、長持ちしないケースも指摘される。LED電球のなかで唯一寿命をもつ電解コンデンサーは熱に弱く、回路にこもった熱と使用時の温度で寿命が大きく影響されてしまうのが原因だ。

 KKテクノロジーズによれば一般的な電解コンデンサーの寿命は、105℃5000時間。約4万時間と言われる一般的なLED電球の寿命は、実はコンデンサーによるものだった。

 今回同社は、業界初となる保証付・寿命10万時間のLED電球製作に挑戦。LEDの寿命を決定づけていた電解コンデンサーをサイズの小さな通常のコンデンサーに変更。ノイズや光のちらつきが出てしまう部分を、独自のLEDドライバー電源を開発することで克服したという。

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明るさは60W相当の明るさ(810ルーメン)。

 寿命制限のある部品が実質的になくなったため、10万時間という設計寿命を超えても、消える事がない可能性もあるという。寿命100年を目指すカギはここにある。

私たちの電球は、おそらく熱や経年変化によって蛍光体が化学変化して、少し色合いが変わるかも知れませんが、使えないレベルにはなりにくいものです。寿命がある部品を使っていないのですから、使用者が、「お前はいらん」といわれるまで、一応ついていてくれると思います。 イメージ的には「大きなノッポの古時計」の歌詞や「忠犬ハチ公」みたいですね。 (KKテクノロジーズ

 28日現在、Makuakeでは1個2500円からの支援で予約が可能。集めた資金は人件費を除き、開発、部材、試作、試験などに使われる予定だ。長寿命にあたって最大のボトルネックである電源部分が完成しているため、深刻な問題が発生する可能性は低いとのこと。

 MakuakeでLED電球といえば、暖かみのある革新的なデザインのSiphonが話題になったが、今回は真逆の実質的な使用を重視したものだ。10万時間は単純計算で、1日あたり6時間の点灯で約45年。期待も込めて、長い目で見て使ってみたい。

目標仕様(Makuake)
・形状 : 一般電球型(口金E26サイズ)
・発光色 : 電球色(色温度 2700K)
・明るさ : 白熱球60W 相当
・演色性 : Ra83以上
・消費電力 : 7W(目標値)
・発光角度 : 光が広がるタイプ(290度)
・設計寿命 : 10万時間
・メーカー保証 : 有(保証期間は検討中)
・ボディーカラー : 黒色(放熱のため)
※画面イメージは開発中のものです。
※製品の仕様は予告なく変更される場合があります。

■関連サイト
Makuake(001プロジェクト)

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