本日3月12日、日本通信とVAIOは、協業初商品となるAndroidスマートフォン『VAIO Phone』を発表した。両者の役割としては製造を日本通信、デザインを中心とした監修をVAIOが担当している。
発表会のタッチ&トライコーナーで、わずかな時間ではあるが試用する機会を得たので、ファーストインプレッションをお届けしたい。
端末を見て最初に感じるのは筐体デザインのシンプルさ。本体裏面にはガラス素材、側面にはマット仕上げが施されており、『VAIO Z』と並べてみても遜色ない高級感を演出できている。
ホーム画面にはVAIOロゴを中心にあしらった、いかにもVAIOらしい壁紙が使われている。ホームアプリはAndroid5.0標準のものだが、壁紙と相まってシンプルな雰囲気を醸し出している。
上面にはイヤホンジャック、底面にはマイクロUSB端子、右側面には電源ボタンとボリュームボタン、左側面にはSIMカードとマイクロSDカードのスロットが用意されている。
SIMカードはマイクロSIMカード仕様。マイクロSDカードスロットはSIMカードスロットと重なる形で実装されている。SIMトレイはダブルSIMカード仕様にも見えるが、奥にSIMカードを装着することはできない。
ホーム画面、アプリのドロワー、端末情報を見てみると、VAIO Phoneのアプリケーション構成も実にシンプルなことがわかる。Androidのバージョンは5.0.2(Lolipop)。発表会場に展示された端末では、素のAndroidに追加されたアプリケーションはファイルマネージャのみだった。
なおVAIO Phoneに搭載されている『ファイルマネージャー』は日本通信製のもので、ほかにも独自のアプリケーションを追加する予定とのことだ。
本端末が搭載しているCPUは『Qualcomm Snapdragon 410』ということでけっして高速なものとは言えない。実際『AnTuTu Benchmark』のトータルスコアは“21947”となっており、『ASUS ZenFone 5』とほぼ同等のレベルだ。とは言え解像度が1280×720ピクセルに抑えられているおかげか、操作していてもたつきを感じるシチュエーションはなかった。
発表会場で“BNRスピードテスト”(画像版)で5回計測を行なったが、最大で19.87Mbps、最低で15.78Mbps、平均18.15Mbpsと比較的安定した下り通信速度を記録した。今回の下り通信速度がコンスタントに出るのであれば、快適に利用できそうだ。
本体サイズは71(W)×7.9(D)×141.5(H)ミリ。ディスプレーサイズとしては5インチで、女性でも無理なく片手で文字入力できるサイズだ。
最後にカメラ画質を見てみよう。
上の3つの写真はオートで撮影したものだが、1300万画素カメラを搭載しているだけに解像感には不満はない。しかし色がやや赤みが強かったり、青みが強調されるなど、やや色が転ぶ傾向が見られた。ホワイトバランスをまめに調整するか、サードパーティーのアプリを利用したいところだ。
VAIOがデザインを監修し、日本通信が仕様を決め、ODM生産された『VAIO Phone』は端末一括購入価格が税込み5万5080円となっており、昨今のSIMフリースマートフォンと比べると正直やや高いと感じる。とは言え、素のAndroidに余計な手が加わっておらず、素性はよい端末だ。VAIOファン、VAIOユーザーが持つスマートフォンとしては有力な選択肢と言えるのではないだろうか。
主なスペック
CPU MSM8916(1.2GHz、クアッドコア)
メモリー 2GB
ストレージ 16GB
ディスプレー 5インチ(720×1280ドット、294dpi)
カメラ 1200万画素(インカメラ 480万画素)
サイズ/重量 71(W)×7.9(D)×141.5(H)mm/130g
資格関連サイト
VAIO Phone(製品サイト)
VAIO Phone(PDF)
日本通信
VAIO.com
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