2015年03月12日07時30分

Twitterで人気爆発 猫がかわいすぎる放置ゲーム『ねこあつめ』開発者に癒された話

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Twitterで7000回以上リツイートされた画像(提供:ryo_yanagiさん)

 庭にかりかり(猫のえさ)やボールを置くと、ねこが来る。

 『ねこあつめ』はそれだけのゲームだ。その名も「放置ゲーム」というジャンル。ねこは庭を使わせてもらったお礼に銀のにぼし、金のにぼしを置いていく。プレーヤーはにぼしをコインとしてアイテムを買い、ねこが来るのをひたすら、待つ。

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コイン代わりの「にぼし」がもらえる

 ねこあつめの人気はまさに爆発中。ダウンロードは合計150万を突破し、ストアには好評のレビューが山のように書きこまれている。伝説の放置ゲーム『おさわり探偵 なめこ栽培キット』をほうふつとさせる大当たりだ。

 爆発したきっかけの1つはTwitterだ。ゲームのプレイ画面がタイムラインに投稿されるや「かわいい」「癒される」とたちまちクチコミが広がり、大きな宣伝もなしにヒットの階段を軽やかにかけあがってきた。

 なに、猫を使えばヒットするだろうって。いやいや、そんなに簡単な話ではない。放置ゲームの上位は猫、猫、猫。猫モチーフはいわば敵だらけのレッドオーシャン。開発元ヒットポイントを訪ね、企画者・高崎豊さんに疑問をストレートにぶつけてみた。

 ねこあつめは一体どんなすごいしかけを使ったのか。

「うーん、なんででしょうねえ~」

 いや、ちょっとちょっと。

 

息抜きで開発、半年で5万を目指してたのに

 ヒットポイントは京都市下京区にある小さなビルに入っている。取材した日は春の冷たい雨が降り、町の石畳も黒く濡れていた。

「すぐ近くに『にゃんこ大戦争』のPONOSさんもあるんです」と高崎さん。猫ゲームの聖地なんだろうか。

 ヒットポイントの設立は2007年、5年間で毎年2~3本のゲームを開発してきた。得意分野はロールプレイングゲーム。9割が大手から注文を受けて開発しているもので、スマホオリジナルゲームの開発本数はまだ少ない。

「空いた時間に作ってるんです。RPGってわりかし頑張らないと作れないので、オリジナルでやるものは好きなものを作ろうと。息抜きみたいな感じで」

 そんなわけだから、ねこあつめも「いやいや、ぜんぜん当たるとは思っていなかったですよ」と高崎さん。

「半年かけて5万ダウンロードを目指そうとしてたので『ええっ!』と。バグも残っていて、しばらく補正しながら作らないとなあと思ってたので、慌てて対応しました」

 社長はスタッフが何を開発していようと見守るのみ。納品が遅れなければ空いた時間には好きなゲーム開発して売ってていいよ、と自由な経営をなさっているそうだ。

 いわば放置状態から生まれたねこあつめ。実は他のゲームと大きな違いがひとつある。

 

猫好きの愛が宿った「猫あるある」ゲーム

 ねこあつめはキャラクターと触れ合えない。集まってきたねこを遠くから眺めて、写真(スクリーンショット)を撮るだけだ。

 なめこ栽培キットも「ぶにゅっ」と音をさせて収穫するのが楽しみの1つなのに、ねこあつめでプレーヤーの楽しみは「ねこ」「たからもの」を集めるコレクションだけ。

「野良猫とは言及していないんですが、自宅の猫じゃない。なので、眺めるというのがコンセプト。触れてはダメ!という決まりはないんですが、触れずに見て楽しめるものをと思って」

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ねこのコレクションが最大の楽しみ

 なぜこんな形になったのか、理由は開発のきっかけにある。高崎さんだけが社内で猫を飼っている生粋の猫好きで、猫のよさを伝えるためにアプリを作りはじめたのだそうだ。

「猫は自由奔放と聞いていますんで」とはイラストを手がけたデザイナーの森田一平さん。ご本人は猫アレルギーで、細かいしぐさは高崎さんに教わったらしい。

「一番意外だったのは『癒される』という声。企画者としては『猫あるある』を目指したはずだった。ダンボールにおさまってたりで、にやっとしてもらうのが目的だったんです」と高崎さん。

「なので、当初なかったおしりの穴も追加してもらいました」

 普通のゲームに猫をのっけてヒットをねらうのではなく、ただただねこを愛でてほしいという純粋な思いがプレーヤーにささったのかも。ゲームというか猫あるあるマンガに近い発想だ。

 そんな思いを反映してか、ねこあつめで大儲けしようという雰囲気は皆無だ。

 

まったり開発がヒットの原動力か

 アプリに課金する人は少なく、広告もほとんど入れていない。

 そもそも攻略を第一目的にしておらず、眺めるのが最高の楽しみなのだから、たまに見てくれれば御の字。当初は2週間あれば、すべてのねこを集めきれるよう設計していた。「ユーザーさんのペースで遊んでもらえればいいかな~と」。ガツガツ度、ゼロだ。

「作ったときは、言い方が悪いけど趣味みたいなもの。ガッツリかせぐより、自社で作っている他のアプリを発信していけたらいいかなあと」

 あらためて見てみると、アプリの一部にアイコンがちんまり。これ、気づいている人ってすごく少ないんじゃ……。

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自社アプリの宣伝もあるが、地味

 これだけ人気キャラクターになっているのなら、商品化やメディアミックスもありうるんじゃないかと尋ねてみても、「イヤホンジャックとか作ってくれないかな~という話はしてます」とのんびりした答えが返ってくるばかり。

 ゲームの追加要素にしても、自分たちから積極的にしかけていくつもりはない。基本は放置だ。

「売るためにこちらから何かしたわけではなくユーザーさん同士で広げてくれたので。さびしいですけど、(ユーザーが)いなくなるときはいなくなるだろうと。なるべく続けていけるよう、期待には応えていきたいですね」

 こうして話を聞いていると、リリースしたゲームに集まってきたユーザーを猫のように愛でている感があった。来るもの拒まず、去る者追わず。がつがつせず、まったりとした開発思想そのものが愛されるアプリの秘訣なんじゃないか。

「焦らず、まったりプレイしていただければ。どうぞ末永くよろしくお願いします」

画像:ryo_yanagi

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ねこあつめ

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