週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ノキアのAndroid タブ『Nokia N1』レビュー アプリ起動が超ラクチン(動画あり) :MWC 2015

2015年03月04日 13時30分更新

 携帯電話事業をマイクロソフトに売却したノキアが、2014年11月に突如Androidタブレット『Nokia N1』を発表し、大きな話題となった。実際には、ノキアが持つブランドや技術的なノウハウ、知的財産などをライセンス提供することで開発された製品で、ノキア自身が端末事業を復活させたわけではない。それでも、“ノキアブランドのタブレット”ということで、その完成度は非常に気になるところ。

 Nokia N1は、アスペクト比4対3の7.9インチIPS液晶を搭載するAndroidタブレットだ。液晶の表示解像度は2048×1536ドットと、このクラスの製品としては非常に高精細。表面ガラスは液晶パネルと空気層なく貼り付けられた“zero air-gap display”で、高コントラストを実現。実際に表示される画像のクオリティもなかなか優れており、表面ガラスはCorningのGorilla Glass 3を採用している。

NokiaN1
Nokia N1の液晶画面。サイズとアスペクト比、表示解像度からピンと来る人もいると思うが、iPad mini 3に搭載される液晶と全く同じ仕様。表示品質はなかなか優れている。

 本体デザインiPad miniにかなり似ており、iPad miniを強く意識した製品という印象を強く受けた。ただ、ボディはアルミニウム製で表面にサンドブラスト加工が施され、質感は十分に優れている。見た目はiPad miniにかなり近いと感じるものの、粗悪なiPadクローンとは一線を画す仕上がりと感じた。また、重量は318gと非常に軽く、片手で持っても警戒に利用できそうという印象だ。

NokiaN1
背面。アルミニウム製でサンドブラスト加工が施され、手触りなめらかで質感もなかなかのもの。また、とても軽く片手でも疲れない。
NokiaN1
中国のメーカーが製造しているようだ。
NokiaN1
下部側面。ステレオスピーカーの穴や中央のUSBポートなど、もはやiPad miniにしか見えない。
NokiaN1
左側面。側面が曲面となっているのも、どこかで見たような感じだ。
NokiaN1
上部側面。電源ボタンとヘッドホン端子が見える。LTE/3G非対応、かつmicroSDカードも利用できないため、側面はキャップなどがなくなめらか。
NokiaN1
右側面。ボリュームボタンが用意されている。

 Nokia N1の特徴のひとつとなっているのが、『Nokia Z Launcher』という独自ランチャー機能。

 これは、ホーム画面上に指でアルファベットを書き込むことでアプリを絞り込み、簡単に見つけ出して起動できるという、独特な仕様のランチャーだ。例えば、指で“A”と書き込むと、Aから始まるアプリが一覧表示される。もちろん、2文字3文字と書いていけば、さらに絞り込まれ、目的のアプリを容易に見つけられるという寸法。また、絞り込まれるのはアプリだけでなく、ブラウザーのブックマークも対象となっている。

 イマドキの製品なので、文字の認識率は十分に優れており、多少崩して文字を書いてもほぼ問題なく認識してくれる。ただ、どこまで有用かというと、時と場合によるという印象だ。目的のアプリのアイコンの場所を覚えているなら、一覧表示から起動した方が速いかもしれない。ただ、多数のアプリをインストールしている状態で、普段頻繁に利用しないアプリを起動するといった場面では、活躍してくれそうだ。どういった動作になるのか、動画を掲載しておくので合わせてチェックしてみてもらいたい。

NokiaN1
ホーム画面下部の“Scribble to search”と書かれた部分に指でアルファベットを書くと、アプリが絞り込まれる。
NokiaN1
横画面ではこのようなレイアウトになり、右側に文字を書くエリアが用意される。

NokiaN1
ホーム画面右スワイプでアプリ一覧メニューに切り替わる。アプリのアイコンがアルファベット順に並んでいる。

 CPUは64bit Atom Z3580(2.3GHz、クアッドコア)を採用しており、Android 5.0も軽々動作する。実際にアプリなども操作してみたが、動作の重さを感じる場面はなく、非常に軽快に利用できた。RAMは2GB、内蔵ストレージは32GB。microSDカードスロットを備えないため、ストレージ容量はやや心許ない。

 本体下部にはUSB 2.0 Type Cポートを備えており、上下の向き関係なくコネクタの抜き差しができるので、利便性がいい。Type Cコネクタをいち早く採用しているあたりも、本体デザインと合わせ某機種の影響が大きいのだろう。

NokiaN1
USB 2.0コネクタにType Cコネクタをいち早く採用。ケーブル装着時もコネクタの上下を気にする必要がない。

 カメラは、リアが800万画素、フロントが500万画素。通信機能としては、無線LANとBluetoothに対応し、LTE/3G通信機能は非搭載。現時点では、LTE/3G対応モデルの投入計画はないとのこと。無線LANは、802.11a/b/g/n/ac準拠で、2×2 mimo対応で高速な通信が可能。Bluetooth 4.0も搭載している。

NokiaN1
リアカメラは800万画素。フラッシュなどはなく、機能的にはタブレットとして標準的だ。

 ちなみに、設定メニューをチェックしたら、日本語にも対応していた。日本での販売が予定されていないのに日本語にも対応しているのかは不明で、係員もよくわからないとのこと。ただし、技適マークは確認できなかったので、日本国内での利用は難しい。

NokiaN1
言語設定にはなぜか日本語が用意されていた。
NokiaN1
きちんと日本語表記で利用できる。
NokiaN1
設定メニューで確認したところでは、機種名は『N1』でNokiaの表記はなかった。

 中国では1月より販売が開始されており、販売価格は1599元(日本円で3万500円ほど)。現時点では、中国以外での販売計画はないが、ワールドワイドでの販売を完全にあきらめているわけではないとのこと。仕様的におもしろい部分が多く、スペック的にも不満のないレベルに仕上がっているので、できれば日本でも販売してもらいたいと感じた。

■関連サイト
Nokia N1

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう