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大変! MZ-80BにX68000、シャープのレトロPCカタログが無料DLだって

2015年03月02日 20時00分更新

 「パーソナルワークステーション」と言われて「ピン!」とくる人はおそらく40代でしょう。“マンハッタンシェイプ”と呼ばれる、革新的かつイカしたボディーでわれわれマイコン少年の心をワシづかんだ、そのマシンの名前は『X68000』。シャープが1987年に発売した名作パソコンです。通称ペケロッパ(あるいはペケロク)。NECのPC-9800シリーズが80286という16ビットCPUを載せて“国民機”などと言っているときに、X68000はモトローラの32ビットCPUであるMC68000を搭載してきました。まだ、MS-DOSというOSが主流でウィンドウズなどない時代にトラックボールにもなるマウスを付属するなど、「そこらのパソコンとはモノが違うよ、格が違うよ」という気概が、まさに“パーソナルワークステーション”という呼び方に見て取れます。まぁ、シャープがなんと言おうがパソコンはパソコンなんですけどね。

 なんでこんな話をしているかというと、シャープがやっている電子書籍ストア『GALAPAGOS STORE』が、“シャープ製品カタログ復刻版”と題して、X68000やX1、MZシリーズ、ポケコン、ザウルスのカタログを無料で公開中だからです。

シャープ製品カタログ復刻版
↑GALAPAGOS STORE内にある特別企画“シャープ製品カタログ復刻版”。http://galapagosstore.com/web/labs/special/catalog/top
シャープ製品カタログ復刻版
↑1989年のX68000総合カタログ。X68000 EXPERTとPROが載っています。なんでツタンカーメンマスクかっていうと、当時は、この金色がPCのグラフィックで出せるってことがちょっと驚きだったんです。シャープ側にも、たぶん、そういう意図があったんだと思います。憧れたなぁ。ものすごい個人的な印象としては“PRO”のほうはマンハッタンシェイプをやめて“ピザボックス”型のボディーだったので、仲間外れでした。
シャープ製品カタログ復刻版
↑こちらは、1991年の同総合カタログより。X68000XVI(エクシヴィと読む)が登場したころか。「父のパソコンを超えろ」はエクシヴィのキャッチフレーズ。これを見るまでは、X68000のキャッチだと勘違いしてました。「父のパソコン」とはもちろん、PC-9800シリーズのことだろうけど、シャープは認めないかもね。ちなみにエクシヴィはアルファベットではXVIと書き、これをローマ数字として読めば「16」。エクシヴィからはCPUの動作クロックが16MHzに上がった(それまでは10MHz)ためこの命名だったと記憶しています。
シャープ製品カタログ復刻版
↑そのほかこんな感じのカタログが公開されています。残念ながら初代X68000のはありませんでした。それでも資料としてとても貴重。販売店向けの“販売マニュアル”まであります。


 カタログは、ウェブブラウザーで見ることができますが、会員登録(無料)すれば高解像度版をダウンロードできます。ただし、見るにはアプリのインストールが必要。Android用、iOS用、Windows用とありますので、ご自分の端末に合わせてインストールしましょう。
 この企画がいつまで行なわれているのかわからないので、ぜひダウンロードしておきたいですね。
 さて、そのほかにどんなカタログが見れるかも見ておきましょう。

シャープ製品カタログ復刻版
↑左上に載っているのが“ポケットコンピューター(通称ポケコン)”のPC-1210。私も持ってました。一応コンピューターなので、BASIC言語でプログラムが組めるんですが、メモリーが少ないんですよね。約1KBしかありませんでした(“STEP”っていう言い方でしたが)。このカタログは、1981年のシャープ電卓総合カタログ。そうか、電卓扱いだったんだ……。
シャープ製品カタログ復刻版
↑“PDA”として大人気を博した、液晶ペンコム『ザウルス』シリーズ。と思いきや、一番右のをのぞき“パーソナルモバイルツール”と銘打たれているので、比較的新しい製品のカタログのようです。でも、ザウルスのシリーズは、タッチパネルを搭載し、スタイラスペンで絵や文字が書けるという、未来感あふれる製品でした。スマホの祖先のひとつと言っていいでしょう。
シャープ製品カタログ復刻版
↑MZ系のカタログはこんなラインアップ。BASIC解説書なども公開されていますね。が、MZ-80Bのカタログがないだと! シャープのパソコンは、他社製のパソコンと違い電源を入れただけではBASICが使えないので、電気屋さんであまり遊べず、個人的には印象が薄かったです。それでも“グリーンコンピューター”こと(?)MZ-80Bのカッコよさにはシビれたものです。どんなルックスかは、ぜひググってみて!
シャープ製品カタログ復刻版
↑出ました、“パソコンテレビ”ことX1。チューナーを内蔵していて、テレビ画面の上にパソコンの画面を重ね合わせて表示できる“スーパーインポーズ機能”が特徴でした。残念ながら、今のテレパソとは違い、番組の録画なんかはできませんけども。余談ですが、のちにインターネットAQUOSを発売したときも、ひかえめに“パソコンテレビ”って言ってましたね。それよりも、“データレコーダー”の巻き戻しや頭出しをプログラムで制御できるのが超イカす(と当時は思ったものです)。“ローズレッド”と名付けられた、当時としてはめずらしい真っ赤な本体カラ―バリエーションもクールでした。


 しかし、おもしろい試みです。私は全カタログダウンロードしちゃいました。
 私もナイコン族(っていう言い方も恥ずかしいけど、当時PCが買えない人々のことをこう呼んでいました)のころは電気屋さんなどでカタログ集めをしていたものです。今でも実家に帰ればあるはずですが、親にごっそり捨てられてしまった可能性も否定できず。ぜひ他社もみならって、昔のカタログを配信していただけないものでしょうか? 

●関連サイト
シャープ製品カタログ復刻版

 

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