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新ジャンル店舗はここから生まれる! 盛り上がりを見せるクラウドファンディングでのリアル店舗開業

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サバの世界観を広げるお店・とろさば料理専門店「SABAR(サバー)」

 3,000万円を調達したメンズエステサロンや、開始1週間で500万円を調達した馬肉専門店の事例など、数多くの店舗開業に関するプロジェクトの成功実績を持つクラウドファンディングサービス「Makuake」は、無料のPOSレジアプリサービス「Airレジ」を提供するリクルートライフスタイルと合同で、店舗開業を促進するイベントを実施した。

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■店舗開業におけるクラウドファンディング活用法は?

 冒頭、サイバーエージェント・クラウドファンディングの坊垣佳奈取締役がクラウドファンディングを活用した店舗開業でのメリットについてプレゼン。

 「1点目のメリットは、初期費用が必要なく、集めた費用を返す必要がないので(物や権利でお返しをするため)、他の資金調達の方法に比べハードルが低いこと。2点目は、資金を調達しながら一般の人(将来の顧客)に接触することができるので、『店舗のプロモーション』に繋がるということ。そして3点目に、リターンの設計を、飲食店であれば食事券、エステサロンの場合は施術券などに設定することにより、店舗オープン後の『顧客獲得』にも繋がる」(坊垣取締役)

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 イベントでは、実際に成功した店舗開業実例が取り上げられた。

 馬肉専門店「Roast Horse」プロジェクトでは、こだわりの石釜調理を行うため会員権を販売。「オープン後一年間は、会員様とそのご紹介者様のみの営業とさせて頂きます」として、プレミアムな顧客獲得に成功した。渋谷の超人気店舗「ロッキー馬力屋」を立ち上げた店主によるプロジェクトはたちまち話題を呼び、開始9時間で300万円を調達した。

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■最初のファンには永久10%OFFの会員特典

 続いては、実例に挙げられた店舗開業プロジェクトを実施したゲストが登壇。

・国内クラウドファンディング史上最高額(2014年4月当時)の3,000万円を調達したメンズエステ「SALON by BULK HOMME」プロジェクト
・関西で大人気のとろ鯖専門店「SABAR」の関東初出店プロジェクト
・着せ替えできる日本製の腕時計「Knot」の初のリアル店舗オープンプロジェクト

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 「なぜクラウドファンディングを活用したのか?」という問いに関して、バルクオムの野口卓也代表取締役は、「新規事業としてメンズエステを始める時、やめた方がよいのでは? という意見も多かった。しかし、クラウドファンディングでもしも目標金額が集まったら、市場から認められた証拠だから、新規事業をやろうといえる『説得材料』になると思った」と語る。

 鯖やの右田孝宣代表取締役も、「『とろ鯖専門店』という新ジャンルの店舗が世に認められるのか? という需要を確かめるため、テストマーケティングを兼ねて実施した」とコメント。

 Knotの遠藤弘満代表は「クラウドファンディングにおいてプロモーションチャンスは2回あると考えている。1回目は、プロジェクト開始時。2回目はプロジェクト達成時。そのため、目標金額はあえて達成がぎりぎりに設定し、達成した時に再度プロモーション効果を狙えるようにした。また、100名限定でKnot店舗の商品が永久に10%OFFになる会員特典を設けるなど、リターンも工夫した」と語った。

 「クラウドファンディングを成功させるために工夫したことは?」という問いには、「期間中は通常業務をストップし、営業に時間を使い、戦略的に目標まで近づけた。プロジェクトの過半数は知り合いからの支援だったが、プロジェクト自体が盛り上がることで、知らない人も支援してくれるという好循環に繋がった」(野口氏)、「もっと顧客によりそって、どんなリターンであれば魅力的に思うか? ということを考えるべきだった。写真もリターンの良さが伝わる場面をもっと多く盛り込むなどすればよかった。また開業だけの活用だけでなく、イベント開催などファンを巻き込んだコミュニケーションツールとしても活用できた」(右田氏)といった意見も。

■店舗開業のハードルは下がりきった?

 無料のPOSレジアプリ「Airレジ」の活用法については、リクルートライフスタイルの大越知高プロデューサーがプレゼン。Airレジは、誰でも簡単に導入可能な無料のPOSレジアプリとして、2013年11月にサービスを開始。2015年1月には海外版のサービスも開始し、現在は134の国と地域に広がっているという。

●「Airレジ」のポイント
Ⅰ:売り上げや来店情報のクラウド処理
 複数のデバイスから同時に同じデータを閲覧できる。外にいる場合でも、売上や来店情報をリアルタイムで確認ができ、売上情報は自動で集計されるので、今一番売れている商品や一定期間で何が売れていたのかなども即座に確認できる。
Ⅱ:サービス連携
 昨年1年間で、約10のサービスと連携したAirレジ。クレジットカード決済サービスのSquare (スクエア)との連携のほか、会計システムでは、「Freee」、「弥生会計」、「マネーフォワード」と提携。店舗の会計情報と自動的に連携することで、毎日のレジ業務、売上情報の転記などの省力化につながる。
Ⅲ:店舗向けの機能拡張
 Airレジを通じたバーコードリーダーの接続や在庫管理など、小売店舗向けの機能も拡張。顧客管理面では、会計情報と顧客情報を紐付け、来店した顧客の購入履歴を確認できる。


 クラウドファンディングもレジアプリも、リアル店舗開業で立ちはだかるハードルを乗り越えるためのサービス。敷居が下がることで、これまでになかった新型の店舗が生まれることに期待したい。

画像:Makuake

■関連サイト
Makuake
Airレジ

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