2015年02月04日08時30分

LINE型戦略でリクルートと戦う 急成長『Pairs』『Couples』エウレカ赤坂優CEOの失敗と逆転

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エウレカ 赤坂優CEO(31)。婚活マッチングサービス「ペアーズ」、カップル向けアプリ「カップルズ」で年間数十億円規模の売上を出す

 国土が広いアメリカではネットで「婚活」することも多いらしい。オンライン婚活サービス事業者は2013年時点で3500社以上、市場規模は2000億円にのぼったそうだ。

 日本でもオンライン婚活サービスは話題だ。会員190万人の恋愛・婚活マッチングサービス「ペアーズ」(pairs)を運営している企業がエウレカ。カップル専用のコミュニケーションアプリ「カップルズ」(Couples)も運営している。

 ペアーズはサービス開始後わずか半年で黒字化し、現在の売上は数十億円規模。エウレカ代表取締役の赤坂優CEOは「婚活」だけで終えるつもりはないそうだ。狙うはライフステージメディアのすべて。最大手リクルートの牙城に攻め入る計画だ。

 今でこそ注目されているが、道のりは失敗の連続だった。

失敗続きの起業家人生

 赤坂代表は31歳。初めて起業したのは25歳のとき。通販カタログ・イマージュ子会社でECサイトの広告営業をしながら、デザイナーを集めたクラウドソーシングサービス「ミリオンデザインズ」を立ち上げた。2008年のことだった。

 結果は見事に泣かず飛ばず。月商は20万円もなく、儲けるどころか自分一人が暮らすこともできない。結局、同じ時期に創業していたランサーズに事業を売ることになる。今ではランサーズは国内最大級のクラウドソーシング企業となった。

 次に開発したのは、iPhoneアプリを利用者同士が紹介するアプリ「ピッキー」。「AppBank」のようなアプリのレビューサイトが出てくる前だった。今度は行けると踏んだが、誰も使ってくれない。アプリの広告を打っても響かなかった。

 面白いものを作っているのに、どうしてうまくいかないんだ。

 相次ぐ失敗に悩んだ赤坂代表は、今までの事業を振り返り、今度は逆にシンプルなことをやろうと考えた。一歩先や二歩先に行きすぎると理解してはもらえない。恋愛、結婚といった人間の欲求を中心にやってみたらどうだろう。

 そして出来たのがペアーズだ。月額1980円の有料プランを設け、不安を抱えながらも反応を待った。

大手からの依頼を武器にした

 結果は信じられないくらい順調だった。

 「リリース初日に利用者の1人が1980円を課金してくれた。利用者はまだ120人しかいないのに、初日にいきなり1980円が売れた。『これはすごいね』と社内で盛り上がった」

 フェイスブックの広告を出すと、さらに10人がお金を払ってくれた。1万9800円の売上だ。1ヵ月後には月商200万円を超えた。米国ではメジャーなサービス分野だが、日本では「出会い系」のイメージがあるため、大手がすぐに手を出す心配もなかった。競合もあるにはあったが、気にならなかったそうだ。

 自信を持てる最大の強みは、アプリの使いやすさとフェイスブックのファン数だ。ペアーズは現在、国内最多となる800万超の「いいね!」を獲得している。

 アプリが使いやすく、フェイスブックでうまくプロモーションができれば、広告を大きく打たなくても十分な売上は作れる。収益逓増型、売上と成長が比例する事業モデルを作っていける。

 ペアーズ開発のかたわら大手企業からアプリの開発依頼を受け、蓄積したノウハウが強みになる。同じように大手企業からフェイスブックのファン数を増やす仕事も受けていた。

 当時の経験を強みにペアーズを成長させたあと、開発したのがカップルズだ。しかし、カップルズ単体の売上はほとんどない。

カップルズはLINEのような事業

 売上の9割を稼ぐペアーズと、まったく別アプローチの事業がカップルズだ。

 なぜカップルズを運営するのかといえば、アプリを使う頻度(同時接続数)が比べ物にならないから。ペアーズは5000人程度だが、カップルズはリリース8ヵ月で2万人を超えた。

 モデルとしてはLINEと同じ。LINE事業の売上は6割がゲームで、スタンプや企業の広告収入は4割程度。エウレカにとって、LINEゲームにあたるのがペアーズだ。コミュニケーションツールのカップルズは集客装置としても機能する。

 ペアーズとカップルズの規模を広げ、狙うは人生のすべて。まさにライフスタイル事業の最大手リクルートの牙城だ。

 「新しい出会いがあって、恋人が出来る。愛をつむぐためのコミュニケーションアプリがある。次は結婚、出産、育児……というシナリオで情報交換やコミュニケーションが生まれる。それをスマホでリプレイスするのが事業のベースになる」

 スマホ中心のビジネスモデルを武器に国内最大手の攻略をもくろみながらも、それだけで終わるつもりはない。

アジア展開にも動いている

 台湾とシンガポールに現地法人を持ち、アジアを経由した展開を考えている。少子高齢化が進む先進国は限界があるが、これから人口のピークを迎えるアジアや発展途上国にはチャンスがごろごろ転がっている。

 エウレカ社員の平均年齢は26.6歳。IT企業の中でも飛び抜けて若い。顔と名前をフェイスブックで公開するのにも慣れ、子供の頃からネットにつながる端末を持っている。

 次の世代はもしかしたら、インターネットがきっかけで恋をするのが当たり前になっているのかもしれない。そのときエウレカは主役でいられるだろうか。

写真:編集部

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エウレカ

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