ベンチャー会合「全国StartupDay」に中国・四国の企業と関係者が集まった |
広島はやばい。広島は仁義なき戦いであり、故・菅原文太氏であり、ササラモサラなのである。やばい! つまり広島にやばいベンチャーが集まるのは必然なのだ。
何の話かといえば全国のベンチャー企業が集まるイベント「全国StartupDay」だ。ベンチャー企業の支援をしているトーマツベンチャーサポートとサムライインキュベートが主催しており、1月17日、広島に中部・四国のベンチャーが集まった。
※全国StartupDay 中四国 in 広島についての解説はコチラの記事をどうぞ
イベントは事業の可能性が最もやばそうな企業を第1位から第3位まで決めていた。文字量が足りる限り紹介してみたい。一気に行くので最後までドーン!
月6800円でルイ・ヴィトン借り放題
グランプリに輝いたエス代表の児玉昇司社長 |
いきなりグランプリの発表だ。グランプリ企業はエス! グランプリだから文字量も大サービスだ。たっぷり書くぞー!
エスが開発しているのはバッグのレンタルサービス「ラクサス」だ。月額6800円で1つ20万円はするような高級バッグが1000種類も借り放題になる。分かりやすく言うとルイ・ヴィトンが借り放題になる。飽きたらいつでも返品して次のバッグと交換できるし、気に入ったらずっと手元に置いておいておける。
なにそれ百貨店ヤバくない!? というサービスだ。もちろん買うことと借りることは違うのだが、高級バッグは通常中古市場で8回転はしている商品なのだという。つまり「傷んでなければ新品じゃなくてもまあいーや」というニーズがある商品なのだ。
ターゲットはもちろん女性、しかし本当に需要があるのか。作家の塩野七生先生は「女にとってのハンドバッグは(中略)持ち歩くことに意味がある」と書いていたそうだが、かさのあるバッグがクローゼットにあってもただ邪魔になるだけだ。つまりバッグはただ「所有」するより「使用」することに魅力がある商品なのである。
ビジネス、カジュアル、パーティー、冠婚葬祭、さまざまなシーンに必要なバッグを揃えようとすると、お金も足りなければクローゼットの空きもない。そして市場原理に従いかわいいバッグの値段は決してかわいくないのが世の女性が抱える課題だ。
しかし高級バッグを借り放題、気に入ったらずっと持っていても大丈夫なんて商売になるのだろうか。気になる事業モデルはレンタルビデオ屋と同じなのだという。
通常の通販で1億円分の在庫を持つと50%にあたる5000万円の売上が必要になるが、ラクサスは売上比率を68%で計算して在庫を持つことになる。また服の定額レンタルサービスには「エアクローゼット」があるが、服の場合はクリーニング代がバカにならず、メンテナンスの手間がかからないバッグの方が有利だそうだ。
かさばるバッグは往復の送料が高くつきそうだが、そこは創業者4人が全員14年以上の経験を持つ通販事業のベテランのため、配送業者に顔が利くのだという。ある程度の融通が利き、「驚くほどの料金」で配送を頼める状態になっているそうだ。
だが悪いことを考える人がルイ・ヴィトンを借り、偽物のルイ・ヴィトンを返して本物をオークションサイトで転売してしまったらどうするのか。そこはバッグに取れないRFIDタグを仕込んでおき、商品をトレースできるようにしているらしい。
隙の見えないビジネスモデルに評価が集まり、エスは見事グランプリに輝いた。エス代表の児玉昇司社長は「10年後に売上6兆円、1億人が使うファッションプラットホームになる」と意気込んでいる。サービスの正式ローンチは5月予定とのことだ。
月300円で子供を不審者から守る
ヤバい、調子に乗って書きすぎた。残り文字量が激減してしまった。ともかく次は2~3位だ。3位は同立で2社あるので合計3社のヤバい会社を紹介する。
第2位(トーマツ賞)に輝いたのは見守りサービスのotta(オッタ)! 見守りサービスは現在こどもケータイ、ICタグを使った商品があるが、スマートフォンにつながるBluetoothビーコンタグを使うことでさらに安く、さらに便利にするのがねらい。
具体的には、小学校の近くで黄色い旗を持って子供を見守る「見守り人」にスマートフォンを持ってもらい、小学生のランドセルにつけたビーコンタグから位置情報を取得、それをネットワーク上で共有しようというものだ。利用料は月額300円。
見守り人の数だけ細かいネットワーク、いわゆるメッシュネットワークが作れるため「どこで情報が途絶えたか」という情報を詳細に、素早く把握できる。Bluetoothを使った見守り技術は特許出願中。実証実験に向けて自治体と協議中とのこと。
小学生はあくまで最初のターゲット。「高齢者やペットなどより行動範囲が広いターゲットに広げていきたい」とは同社の山本文和代表。そういえば落とし物を同じくタグで見つけるMAMORIO(マモリオ)というサービスもあった。
8万円で英語が学べる保育園
第3位(サムライ賞)、リノヴェ!
リノヴェは企業内に英語保育園を作っている会社。いわゆる事業所内保育園の7割に子供が預けられず赤字と言われる中、常に満員御礼、黒字状態が続いているそうだ。「保育士の給料も高くできる」という。単純に言えばとても儲かっているわけだ。
理由は、競合がインターナショナルスクールであるため。地方にそもそも業者が少なく、東京では20万円を超えるインターナショナルスクールがある中、リノヴェは8万円と安い。保育園は基本的にクライアント企業の従業員が子供を預けるために使われるが、リノヴェでは地域の子供にも門戸を開き、受け入れを進めている。
通常の保育園として考えても、コストが圧倒的に安い。保育園を新築すれば1億円ほどかかるが、リノヴェはクライアント企業の遊休設備に間借りしているため設備投資がゼロだ。クライアントからは運営委託料が入るし、クライアントには国から補助金が出る。まさに実業家が夢見る三方一両得のビジネスモデルとなっている。
同社代表・柏木陽佑社長の出身地である徳島から始めたサービスだが、もちろん全国展開をねらっている。事業を通じ、保育士の「給料が安い、しんどいという労働環境を改善したい」と柏木社長。課題解決型ベンチャーの手本のような会社だ。
全国の相手と合コンできるカラオケ
同立第3位、斬! オンライン合コンサービス「合コン戦国時代」!!
最後に本当ヤバいのきちゃったアアァァァ! スイマセエエェェーーーン会場間違えましたアアァァァァ!! くらいの気合いでプレゼンしてくれたのは小田雄介社長だ。
エクシングのカラオケ店で使えるオンライン合コンサービスを開発している。オンラインゲームにログインするように「合コン戦国時代」にログイン、合コンしたい相手を全国から探してリクエストを送り、承認されればその場で合コンが始まる。
スマホで相手に対する「いいね!」「よくないね!」を送り、双方どちらかのゲージがマイナスに振り切れるとゲームオーバー。最後にお互いを評価する項目があらわれて、合コン終了後の「反省会」で協議に使う資料ができる仕組みになっている。
「恋愛のPDCAサイクルが成り立つ仕組み」(小田社長)
小田社長は長崎県の津島出身、10年間で人口が1万人ほど減り、いずれ出生地が消滅してしまうという危機感を抱いた。地方での結婚が増えない理由として、雇用不安などと共にある「出会いが少ない」という課題を解決するために事業を考案した。
わざわざカラオケを選んだのは、見ず知らずの人と合コンをする不安を解消するため。出会い系サービスやデーティングアプリのような匿名性のコミュニケーションではなく、入り口で身分証の提示が必要になる「実名性」のある場所を選んだ。
目指すは地方で「出会いがない」と嘆く人や企業に出会いのチャンスを作るサービス作り。合コンが終わったあとには「手紙をやりとりすることで距離を縮める機能を考えている」そうだ。最初本当にやばい会社かと思ったので(失礼)ほっこりした。
弾はまだ残っとるがよ
それじゃ最後の2社を──ダメです! 文字量限界です! 紹介できません!!
えーいそうなりゃ仕方ない。事業紹介とリンクだけ書くので、気になったらゴーしてほしい。山守さん、弾はまだ残っとるがよ! 中国・四国のベンチャーは大きく跳ねそうな会社がとても多いので、ぜひこれからも見ていきたい。ではまた次回!
MEDIAS
「Googleおみせフォト」より機能が多く、しかも自分で編集できる360度パノラマビュー商品「めでぃパノ」を開発・販売
パルブライト
自分に似合う服のタイプを「かわいい・ふんわり・きれい・リッチ・クール」から選んでくれる「診断システム」を開発
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