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【私のハマった3冊】新たなる年の幕開けに読みたい 人生の先輩たちの3冊

2015年01月10日 17時00分更新

1011BOOK

頑張る力、創る力
著 RUMIKO
集英社
1404円

女(じぶん)を磨く 言葉の宝石
著 白木夏子
かんき出版
1404円

プリンシプルのない日本
著 白洲次郎
新潮文庫
529円

 

 新年を迎えると、休暇の間にリフレッシュしたせいか、やる気がみなぎり「やるぞやるぞ、なんでもやっちゃうぞ!」というエンジンがかかる。でもちょっと待って、エンジンをフル回転させる前に、ドライブの方向性やガソリンがちゃんと満タンになっているかの確認をいま一度しておきたいものである。

 知る人ぞ知る化粧品ブランド『RMK』の創始者RUMIKOさんによる『頑張る力、創る力』は、30年もの間、NYで活躍してきた著者によるキャリアエッセイだ。自分の興味の対象に対して、一歩一歩前に進んで夢をつかみ取り、かなえてきたその道筋がつづられた本書は、きっと、新たなる年の幕開けに希望の光を届ける一冊となるだろう。

 ジュエリーデザイナーの白木夏子さんの『女を磨く言葉の宝石』は、12の誕生石の物語を紡いだ一冊。宝石それぞれの、ロマンチックな由来を紹介しながらつづられたエッセイだが、著者の仕事に対する倫理観や姿勢がぴりっとした印象を残す。

 世界をフィールドに活躍する女性ふたりのエッセイを読んだところで“プリンシプル”という言葉が頭をよぎる。このふたりの著者が共通してみせる仕事に対するそれぞれのプリンシプルこそが、彼女たちを成功へと導き、今もなお輝かせているのでは? と感じさせるからだ。

 そこで、無性に読み返したくなったのが、白洲次郎の直言集『プリンシプルのない日本』だ。表題にもなったこの随筆は、45年ほど前の“70年安保闘争”の最中、“安保”、“日米経済自由化”、“沖縄返還”などの切り口で、この国のあり方や政治について発表されたものであるが、個人においても、この“プリンシプル”基準で考えることの重要性を私に初めて教えてくれた本だった。“働く”上で自分に課した大原則をぶれずに生き、開けていった未来を示してくれる本の数々。人生の先輩たちの本を助手席に、新たなる年へとドライブに繰り出そう。
 

奥村知花
成城大学卒。書籍のPRに携わりつつ、”本しゃべりすと”として書評の執筆やラジオにて書籍紹介など。

※本記事は週刊アスキー1/20号(1月5日発売)の記事を転載したものです。

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