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Windows情報局ななふぉ出張所

MS、ノキア両社が出展するMWC2015はWindowsPhone対決の場になる?

2014年12月02日 07時00分更新

 2014年11月、Windows Phoneのブランドを取り巻く新たな動きが相次ぎました。マイクロソフトはLumiaシリーズからノキアブランドを撤廃し、代わりにノキアは独自のブランドライセンス戦略を発表。2015年を見据え、それぞれの思惑が交錯するかたちとなりました。

 今回は来年の展開を見据えつつ、最近のWindows Phoneトピックを振り返ってみましょう。

■Lumia 520が年末セールで30ドルに

 米国の重要な祝日である感謝祭翌日の金曜日は、多くの小売店が1年で最大の売り上げを記録して黒字を出すブラックフライデーとして知られています。その週明けの月曜日、オンラインストアを中心としたサイバーマンデーを含め、年末商戦の幕開けとなります。

 そして今年もまた、活躍が目立っているのが低価格のLumiaシリーズです。Amazon.comではAT&TのGoPhone版『Lumia 520』が29.99ドル(約3550円)の激安価格で販売されており、プリペイド端末カテゴリーで1位となっています。

MWC2015はMS、ノキア両社が出展?
↑Amazon.comではプリペイドのLumia 520を特売中。最も売れているプリペイド端末であり、世界で最も売れたWindows Phoneとしても知られる。

 Lumia 520は平常時でも50~100ドル前後で安売りされているローエンド端末で、2014年7月時点で1200万台以上を出荷した、Windows Phoneとして最も売れた端末となっています。

 一方、Best BuyでもGoPhone版の『Lumia 635』を30ドル引きの69.99ドル(約8280円)で、T-Mobile USのプリペイド版『Lumia 530』を35ドル引きの34.99ドル(約4140円)で安売りしており、こちらも売り上げランキングの上位を占めています。

MWC2015はMS、ノキア両社が出展?
↑大手家電量販店のBest Buyでも、Lumia 530やLumia 635を安売り中。低価格Lumiaが人気を博している。

■ノキアの名義貸しという新たなビジネスモデルに注目

 マイクロソフトによるノキアブランドの撤廃とは対照的に、ノキアブランドがAndroidタブレットで復活することが大きな話題となっています。携帯電話事業をマイクロソフトに売却したノキアは、今後スマホやタブレットの端末事業とは距離を置くものとみられていました。

 しかしノキアの新しい端末ビジネスは、ブランドをライセンス供給するというもの。ノキア自身が端末の製造や販売、サポートを手がけるのではなく、これらをOEMパートナーに丸投げするため、OEMパートナーは、ノキアのブランドや意匠や使って端末事業を展開できることになります。

MWC2015はMS、ノキア両社が出展?
↑ノキアブランドをライセンス供給した最初の端末となるNokia N1。Foxconnが端末を製造、中国市場向けにノキアブランドの下で販売していく予定となっている。

 たしかにデバイス事業では、端末の製造について自社で工場を持つのではなく、OEMやODMに任せることが一般的に行われています。しかし実際の販売やサポートまで任せてしまうというのは、おもしろい事例といえるでしょう。

 これによりノキアは製造ラインへの投資や端末の部品調達、在庫管理などのリスクを負うことなく、ノキアブランドの端末を展開できることになります。OEMパートナーが端末を売れば売るほど、ライセンス収入が得られる一方で、仮にOEMパートナーが事業に失敗して在庫を抱えるような事態になっても、ノキアとしては痛くもかゆくもありません。

 このような“名義貸し”が成り立つのは、ノキアが過去に築き上げたブランド資産があるためです。一時期に比べてノキアのブランド力は低下したものの、携帯電話といえばノキア、という地域が世界にはまだまだあります。

 もちろん、OEMパートナーのやり方次第では、ノキアのブランドを毀損することにもなりかねません。また、複数のOEMがノキアを名乗ることで混乱も予想されます。それでも、ノキアブランドを使わずに寝かせておくよりははるかにマシ、という判断であると考えられます。

 そしてマイクロソフトとの契約条件をクリアできる数年後には、再びノキアブランドのスマホを市場に投入できる可能性があります。その準備段階として、まずはタブレットなどのデバイスでライセンス供給ビジネスを試していく、というシナリオが見えてきます。

 過去に築き上げたブランドだけで食っていく、果たしてそんなにうまい話があるものなのか、まずは2015年春ごろという最初の製品を待ってみたいところです。

■マイクロソフトとノキアが直接対決? 2015年1月のMWC 2015(ホール3)に注目

 今後のマイクロソフト、ノキアの動きを見る上で重要な展示会になりそうなのが、3月2日から開始予定のMobile World Congress 2015です。

 実際にMWC 2015の出展計画によれば、会場内でもっとも華やかなホール3に、ノキアとMicrosoft Mobile Oyの両社がそれぞれ大型のブースを構えることが明らかになっています。

MWC2015はMS、ノキア両社が出展?
↑ソニーモバイルやサムスンなど、MWCの中でも特に有力なブランドが集まるホール3に、ノキアとMicrosoft Mobile Oyがブースを出展予定となっている。

 これまで米マイクロソフト本社は、大型展示会への直接の出展を見合わせてきました。しかしCEOが変わり、「その方針は前CEOのスティーブ・バルマー時代のもの。新しいナデラCEOの下では変わっていく可能性がある」(日本マイクロソフト広報)としています。

 ノキアのブース出展は、基本的にネットワークインフラを手がけるNokia Networksが中心になると予想されますが、端末としてNokia N1が並ぶ可能性も、十分に考えられるでしょう。

MWC2015はMS、ノキア両社が出展?
↑MSブースにはLumiaが、ノキアブースにはN1が並ぶ?(写真はMWC2014のノキアブース)。

 一方、Lumiaシリーズやフィーチャーフォンが並ぶのはMicrosoft Mobile Oyのブースです。その中にはノキアロゴの端末もまだまだ残っているはず。MWC 2015では、この両社の“対決”が見どころのひとつになりそうです。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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