昨年のテレビアニメをきっかけに一気にブレイクした、諌山創さん原作の『進撃の巨人』。
ざっくりいうと人類が存亡をかけて圧倒的な力を持つ巨人たちと戦い続けるストーリーで、アニメや原作のコミックを見て、その巨人のサイズ感、登場人物が襲われたときの絶望感に「怖えぇぇぇ!」と心がキュッとなった人も多いはず。
そんな物語の世界をリアルに持ってきた展示会「進撃の巨人展」が、11月28日から2015年1月25日まで上野の森美術館にて開催されています。
↑上野の森美術館は、JR上野駅の公園口から徒歩3分の場所にある。まず美術館の壁に貼られた巨大ポスターに圧倒されます。 |
↑27日に開催したプレス向けの発表会では、吉木りささんがミカサ、千原せいじさんが巨人のコスプレをして登場していた。 |
原画の展示や恐怖体験シアター、1/1スケールで再現した「超大型巨人」など見どころがたくさんある中、ガジェットファンにはぜひとも360度体感シアター“哮”(こう)をお勧めしたいです。VRヘッドマウントディスプレー(VRHMD)の『Oculus Rift』をかぶって、約5分間の360度アニメを視聴します。
↑360度体感シアター「哮」は、進撃の巨人展とは別会場で、メインエントランスの右側に入口がある。 |
Oculus Riftを体験したことがない人に説明しておくと、従来のHMD(ヘッドマウントディスプレー)はかぶると目の前に長方形の大きなスクリーンが現れるだけですが、VRHMDでは映像で視界がすべておおわれてしまいます。さらにキョロキョロと辺りを見回すと、頭の向きに合わせて映像を自然に切り替えてくれるので、自分がCGの中に入ったように錯覚してしまう。これこそが“360度体感シアター”という名前のゆえんです。
表現するなら“臨場感あふれる”ではなく“実在感のある”映像で、今回は「進撃」のアニメの中に入れてしまうわけです。あまり語るとネタバレになってしまうのでアレですが、とりあえずプレス向け画像をいくつか紹介すると……。
↑映像の舞台はトロスト区奪還戦。目の前で巨人化するエレンが! |
↑ミカサやアルミンらも目の前に出てくるので、まるで自分が第104期訓練兵団の一員になった気分になれます。 |
立体機動装置で街を高速移動するシーンもしっかり再現。正面だけを見る必要はなく、飛びながら頭を動かして、街並みを見ることもできます。一部を映像でご紹介するとこんな感じ。
VR大好きマンこと筆者(ライター広田)のハードコアな目線でいえば、まず映像のカクつきがまったくないのが素晴らしいです。展示に使われているOculus Riftの第2世代開発キット(DK2)は、毎秒75フレーム(75fps)をキープしないと映像がガクガクして、体験の質を落としたり、VR酔いを引き起こしてしまいます。進撃のVRコンテンツでは最適化を徹底してるのか、素晴らしくぬるぬるでした。
巨人というテーマも、実はVRのよさを実感させてくれるものです。巨人化したエレンの足元にいて彼を見上げると、「めちゃくちゃでかい!」とサイズ感のヤバさが直感できます。普通に生きていれば巨人に会うなんて経験はしないわけですが、VRならそれができてしまう。
映像だけでなく、3Dサラウンドも要チェック。鳴り響く重低音を耳にすると、自分がトロスト区の戦場にいるんだという実感がさらに高まります。
↑1日に何人も体験していると、額にあたる部分のスポンジがどんどん劣化していきますが、そこをパットをつけてカバーしてるのも素晴らしい。運用面も考えられています。 |
……と、これだけ紹介してきてなんですが、上で挙げた画像や映像では、『進撃』のVRコンテンツのスゴさがちっとも伝わりません。現地にいってHMDをかぶって頭を動かして、フレーム外に続く部分をぜひ見て欲しい。毎シーンが驚きの連続で、体験時間の5分があっという間に終わってしまいます。
360度体感シアター「哮」は、進撃の巨人展とは別に600円がかかりますが、その価値は十分にあります。今、パーソナルVR業界は上り調子で存在感を増しているので、まだ未体験の人はぜひ初めてのVRコンテンツとしてかぶってみてください。
↑ぜひ上野で巨人に遭遇すべし! |
<進撃の巨人展>
●期間 11月28日~1月25日(期間中無休)
●時間 平日:10~17時、土日祝日:10~20時
●チケット料金 前売り:一般・大学生1900円、中高校生1400円、4~小学生以下900円 当日:一般・大学生2000円、中高校生1500円、4~小学生以下1000円 360度体感シアター“哮”:600円
●関連サイト
進撃の巨人展
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