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後からピント変更『LYTRO ILLUM』予約開始、秘宝館的エロスに浸るレビュー

2014年11月28日 13時45分更新

 『LYTRO ILLUM』(ライトロ イルム)。リフォーカスに加えて、若干の視点変更、F値変更に対応した未来的仕様のカメラだ。本日より国内での予約受付が開始し、発売日は12月12日。アスキーストアでも取り扱っており、送料無料だ。

Lytro ILLUM-1
Lytro ILLUM-1

 背面には4インチバックライト付きTFT液晶を搭載。2軸ヒンジのチルト式で下方10度、上方90度で可動。マルチタッチに対応し、リフォーカスビューがカメラ単体でできる。バッテリーは3760mAhで、撮影可能枚数は約400枚。無線LANも備え、IEEE 802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz、5GHz)に対応する。サイズは145(W)×166(D)×86(H)mm、重量は940g。

 通常は下からアオった場合にどこかしらボケてしまうのだが、F値が変更可能ということは、それを回避しやすくなる。また、ちょっとだけ視点変更できるということは、隠した場所も見えてしまうかもしれない。そんな秘宝館的な何かを感じた。

 取り急ぎ、下記画像の好きなところをクリックしたり、カーソルを動かしてみてほしい。

スマホ・タブレットで見た場合は、傾きを検知して写真が動くため、よりいっそう秘宝館的エロスを満喫できる。

 筆者だけでなく、週アス編集部員男児一同が何を伝えたいかよくわかっていただけたと思う。LYTRO ILLUMを編集部で見かけたとき、こいつは秘宝館メーカーだと感じたのだ。次に、仕様を突き詰めれば、見えそうで見えない写真に大革命が起きるのではないかとも。巧妙なアングルで撮影された写真は、脳内にステキな世界を生み出す。それもいいのだが、こうちょっと動かしたら見えるというのは、ロマンである。暖かい液体を入れたら絵柄が変わるコップみたいなというか。

LYTRO
Oculus Riftでも似たようなことが可能だが、趣は異なる。どちらもイイ。

 さて、LYTRO ILLUMにタッチしたのはごく短時間だったのが、気になった部分を見てみよう。まず意外と暗所に弱いことだ。暗くても明瞭な光源があればよさそうだが、少し薄暗い室内では弱い。またフレーミングした範囲内はだいぶしっかりと光を回しておく必要があるようだ。

 上記2点の状況は、ライトバンク×2を当ててたもの。各ライトバンクの被写体までの距離は、約2.5m。一眼レフの場合、これで問題なく撮影可能なのだが、クリックしまくったのであれば気がついたと思うが、リフォーカスは一部だけ機能していない状態のデータだ。撮影時、マニュアルフォーカスで合わせてもフォーカスが合わない状況もあり、だいぶクセがあるといったところだ。また2点目のように、画面中央に大きく脚などが伸びてきている写真は、視点がけっこう動くため、チラ見え写真の可能性を強く感じられる。

Lytro ILLUM-1
プレビュー左にあるオレンジとブルーのバーがフォーカスと、空間情報を記録する範囲を示しているようだ。光量が足りない場合、その縦幅が短くなった 。
LYTRO
モデルは姫乃たまさん。別件で撮影する予定を聞きつけた"世界の山さん”が、無言でLytro ILLUMを差し出してきたのが本記事の発端だ。

 クセはあるものの、専用処理アプリケーション『Lytro Desktop』を使うことで現像処理だけでなく、F1〜16間で調整可能なので、小物の撮影が多い人に適するだけでなく、アオったカットで全体をカリっとさせたい場合にもよさそうである。

LYTRO
LYTRO

 最初がF1、次がF16に変更したもの。こういった機能があるため、定点でさっさと小物を撮影しまくる場合、重宝するケースもあるだろう。現像するよりは、TIFFで出力→Photoshopでフィニッシュワークに入ったほうが楽かも。2450×1643ドットで出力されるため、Webサイト用であればに限るが。

LYTRO

 時間差でジサトライッペイ氏から「ローアングル、おなしゃす! Lytro ILLUMはローアングルで光るんす!」といった電話があったのでトライしたのだが、環境光的な問題からか、マニュアルフォーカスでもピントを取れなかった。おかげで全体に薄いボカシが入り、かえって想像力をかき立てるいかがわしい雰囲気に仕上がった。(編註・編集部が想像するローアングルではなかったのですが、林氏的にはほぼ真下以外はアオりとのこと)。

 

 ローアングルカット失敗の報を聴いた山さん、この表情である。短時間のチェックだったが、クセの強いカメラであるものの、仲良くなれると相当遊べそうな一品だ。またロマン(編註・=エロス)溢れる写真の可能性はとても感じられた。室内よりも屋外だと気軽に撮影しても問題なさそうであり、リベンジしたいところだ。

 今回は秘宝館的エロスに思いきり振った用途でレビューしたが、もちろん風景などの健全な被写体を撮りたい人にもオススメだ。

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