2014年11月28日15時00分

『白猫プロジェクト』紆余曲折の後に決まったタイトルのヒミツ(前編):召喚★アプリ神

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 話題のスマホゲームのクリエイターとスクウェア・エニックス安藤武博氏が対談する連載『召喚★アプリ神(ゴッド)』。週刊アスキー本誌で掲載しきれなかったインタビュー内容を3回に分けて掲載します。

 第6回目のゲストはこの人、コロプラ『白猫プロジェクト』のプロデューサー浅井大樹さんと、プロジェクトマネージャー角田亮二さん。(前編中編後編

 なお、第6回のゲストはマーベラス『剣と魔法のログレス いにしえの女神』のプロデューサー板倉基之さんと、開発を担当しているAiming ディレクター下川昌平さん。このインタビューを読んで気になっていただけた方は、11月25日発売の週刊アスキーをチェックしてみてくださいね。

『白猫プロジェクト』:召喚★アプリ神
↑コロプラ『白猫プロジェクト』のプロデューサー浅井大樹氏(中)と、プロジェクトマネージャー角田亮二氏(右)、スクウェア・エニックス安藤武博氏(左)。
白猫プロジェクト
『白猫プロジェクト』:召喚★アプリ神

■ 紆余曲折の後に決まったタイトルのヒミツ

安藤武博(以下、安藤):今回は、約3ヵ月で1800万ダウンロード達成(2014年10月19日現在)という超人気作『白猫プロジェクト』(以下、白猫)を手がけられたお二人を召喚させていただきました。浅井さんは以前にも別誌で対談させていただいたことがありますよね。

浅井大樹(以下、浅井):はい、よろしくお願いします。

安藤:浅井さんがプロデューサー、角田さんがプロジェクトマネージャーで、お二人が中心となって白猫をつくられた。

角田亮二(以下、角田):はい、そうです。

安藤:白猫はコロプラさんにしては珍しく、最初のお話よりリリースがやや伸びましたね。

浅井:そうですね、つくっている途中でいろいろと盛り込みたくなってしまって(笑)。

安藤:実際に遊んで感じたのは、これを短い期間でつくるのはちょっと難しいだろうなというくらい、盛りだくさんな内容だったことです。ゲームの序盤で飛行島が飛び上がってタウンを育成できるようになるとか、いろいろな要素が詰め込まれていて、パッケージゲームに匹敵するくらいのボリュームがある。もともとタウンの要素はあったんですか?

浅井:実はなかったんですが、制作の途中で話が持ち上がりました(笑)。でもほかのタイトルを見てみると、たとえば弊社の『軍勢RPG 蒼の三国志』に街を育成できる機能があって、その部分も盛り上がっている。スマートフォンで遊ぶことを考えたときに、ガッツリ遊んでいるときとそうでない時と、2つの遊び方ができてもいいんじゃないかと。そういう概念から入りました。

安藤:白猫でまず僕が気になったのはタイトル名です。以前の対談では『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下、黒猫)のスタッフがつくるから、次回作は”白猫プロジェクト”。つまりプロジェクト名でしたが、それがそのまま商品名になったので驚いたんです。

角田:タイトルはいろいろ候補がありまして、7つの国を冒険してルーンを集めるというベースストーリーがありますので、『七国物語』という名前に決まりかけたんです。

安藤:じゃあ七国物語になっていた可能性もあるんですね。

角田:そうです。その時点ですでに、代表の馬場がさまざまな場面で白猫プロジェクトというプロジェクト名を口にしていまして。チーム内外でもその名前が浸透していましたし、プロジェクトという響きの中に我々が届けたい思いやいろんな意味が込められると思ったので、悪くないんじゃないかなと。ドラマ性も絡められそうですしね。

安藤:それで今のタイトルになったんですね。以前、仮題がそのまま採用された『ガールフレンド(仮)』の横山祐果プロデューサーにお話をうかがったときも、「運命の相手を捜しにいくまでの”(仮)”という意味でちょうどいいかなとなってつきました」とおっしゃっていた。ちゃんとゲームの世界観や内容を表していますし、しかもタイトルとして目立つ。それと同じですね。仮題でつけたものが十分に意味をもって走り始めるというのはなかなか無いこと。白猫もゲームの神様に愛されたんだなと思います。

■“ぷにコン”は今世紀最大の大発明!

安藤:白猫には”ぷにコン”と名付けられたインターフェイスの大発明がありますよね。僕も『ケイオスリングス』というゲームで、タッチした場所を起点に出現する”どこでもコントローラー”を開発したんですが、アクションRPGとなると移動とアクションの両方をこなす必要がある。スマートフォンが出て以降、皆が解決法を模索している中で、ぷにコンは移動もアクションも対応できるし、敵AIの調整もうまい。本当にアクションゲームを遊んでいる感じが出ている。かなりの完成度だと思うんですが、開発で苦労されたところはありますか?

角田:白猫は当初バーチャルキーで移動して、敵に近づくとオートで攻撃するシステムだったですが、制作途中でアクションゲームを遊んでいる感じが足りない気がしてきたんです。

安藤:最初からアクションゲームというコンセプトでスタートしていたんですか?

角田:当初のコンセプトはRTS(リアル・タイム・ストラテジー)でした。

安藤:なるほど、だから戦闘がオートだったんですね。

角田:そこから始まって、馬場も交えて話し合った結果『ディアブロ』のようなゲームを目指そうという話になったんです。間口が広くて遊ぶと奥が深い、そういうものを目指そうと。突き詰めていくうちに、最終的に王道のRPGに行き着きました。

安藤:大きな変更だと思いますが、何か苦労はありましたか?

浅井:方向性が固まった段階で、キャラを動かして敵を倒してと、イメージ的にはだいぶ今のものに近くなっていたんですが、アクションに振り切るのは正直怖かったです。コアなゲームにすればするほど遊ぶ人が減るんじゃないかと。

安藤:アクションRPGはプレイヤーのスキルに依存するところが多いので、操作のストレス軽減がとても大事。ゲーム開始直後のぷにコンに関するチュートリアルがとてもよくできていますよね。スマホを持った手が実写ムービーで出てくるんですが、すごくよかったのは、「指で隠れてしまうから直接敵をタップしないで!」というところ。そこまで教えてくれるゲームは初めてだと思うし、それによってぷにコンの威力が実感できる。今までにないインターフェイスですから、チュートリアルに関する試行錯誤もあったと思うんですが。

角田:ありましたね、かなりテストプレイもやりました。弊社では子どもレビューというものをやっていて、一言も説明せずに子どもに端末を渡してプレイできるかを見るんですが、ほとんどの子どもが敵を直接タップするんです。特に女の子に多かったですね。

安藤:直感的には、敵をタップすると攻撃が加えられるんじゃないかと思いますものね。

角田:ゲームに慣れている男の子はすぐに使い方をマスターするんですが、結果としてぷにコンの習得にかなりの差があったんです。なので、できるだけわかりやすく伝えるために、僕が社員の手を撮ってムービーをつくったんです。

安藤:角田さんがつくられたんですね。どうりでいい意味での手づくり感があると思いました。

浅井:角田はもともと映像業界にいたんですよ。

角田:あそこだけ実写で大丈夫かなとは思いましたけど(笑)。

安藤:すごくいいと思います。今までのどんなゲームにもないし、スマートフォンのゲームならではのチュートリアルになっていると思います。冒頭のストーリー展開も含めて、白猫は最初から衝撃的だし、いろんなものを試行錯誤して必要のないものはそぎ落とし、必要のあるものを追加していったという意思が見えるんです。さすがだなと思いましたね!

『白猫プロジェクト』:召喚★アプリ神
↑安藤氏が絶賛したムービー。注意点を明示する姿勢には、ゲームを楽しんで!という意思が感じられる。

■ ぷにコンからかいま見えるチームを超えた強い結束

安藤:実はぷにコンという名前もすごく好きなんです。ぷにぷにしているし、あの名前はどういう経緯で決まったんですか?

角田:馬場が「これはぷにコンである」と。

安藤:なるほど、馬場さんがつけられたんですね。

角田:ぷにコンそのものは、実は弊社の別のチームが開発したものなんです。白猫に入れてみたらすごくよかったので、そのまま使うことにしました。

安藤:ほかのチームでつくったものを入れたということは、プロジェクトごとの敷居がすごく低いんでしょうか?

浅井:低いどころか、全くないです(笑)。

角田:いいものが生まれたらとにかく共有します。

安藤:スタッフはどうですか。たとえば、この間まで黒猫をつくっていた人が今は白猫をつくったり、チームのシャッフルも頻繁に行われるんですか?

浅井:しょっちゅうですね。僕はこの間まで白猫の運営に携わっていましたが、今は黒猫に戻っています(インタビュー時。現在は白猫の運営に携わっている)。白猫の開発の中期ぐらいに角田にバトンタッチをして、現場のしきりはほぼお願いしていました。

安藤:そうなんですね。スタッフの異動をコントロールする方がいらっしゃるんですか?

浅井:誰かに言われてというより、角田とは席が近かったので、何かあれば見に行ってという感じで進めていました。

安藤:みんなで話し合って、その時々で最適なスタッフを配置するわけですね。

浅井:スタジオが同じで行き来もしやすいので、かなり臨機応変にやっています。

安藤:会社そのものも大きくなってきて人も増えていると思うんですけど、お互いに声がけができるような距離感で仕事をしているんですね。チームが分かれたり異動があっても、スタッフどうしがきちんと繋がっていて、みんなでよいものをつくろうとしている。すばらしいですね。

『白猫プロジェクト』:召喚★アプリ神

※記事の内容は10月19日現在のものです。

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