2014年11月05日21時15分

Windows情報局ななふぉ出張所

どうなるXperia? 低迷するソニーモバイルに打開策はあるか

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 10月31日に開催されたソニーの第2四半期決算説明会では、ソニーモバイルの今後に注目が集まりました。前日には、Xperiaシリーズを手がけるソニーの子会社であるソニーモバイルコミュニケーションズの社長交代を発表。業績不振に伴う、事実上の更迭と報じられています。

どうなるXperia?
↑ソニーモバイルコミュニケーションズの新社長に就任予定の、十時裕樹氏。ソニーの決算発表では、モバイル事業の今後に注目が集まった。

 果たして今後の展開はどうなるのでしょうか。11月25日に予定される投資家向けイベントでは、ソニーモバイルの新社長に就任する十時裕樹氏が、今後の詳細な計画を発表するとのこと。そこではXperiaシリーズのラインアップの整理や、中国を含む展開地域の絞り込みを含む、事業戦略の抜本的な見直しが期待されます。

■中国市場向け展開を大幅縮小へ

 ソニーモバイルについては、9月17日の時点で業績の大幅な下方修正を発表しており、端末数の絞り込みや人員削減といった対策を発表していました。今回の社長交代も、この改革路線を遂行するためと考えてよさそうです。

 ソニー全体を見渡しても、子会社化したテレビは好転しつつあり、赤字だったPC事業は売却が終わり、コンテンツや金融分野ではしっかり黒字を確保しています。しかし、モバイル事業の大きな赤字が、それらを帳消しにする形となっています。ソニーにとって、モバイル事業が最大の課題といえます。

 そこで今回、ソニーが新たに打ち出したのが、中国向けモバイル事業の大幅縮小です。具体的にはSIMフリーモデルを除いて、中国向け専用モデルの開発を中止するとしています。

どうなるXperia?
↑中国最大のキャリア、チャイナモバイル向けのXperia Z2。

 ただ、中国では独特の通信規格や周波数が多く、グローバルモデルではない、中国向けモデルが求められます。特に今後は、中国のLTEバンドに対応したモデルの競争が激化することから、ソニーモバイルは実質的に中国市場から退場することになるでしょう。

 中国以外にも、一部の新興市場からの撤退が予想されます。製品ラインアップについても、ミドルレンジ製品の一部を廃止、あるいはハイエンドのZシリーズのみに絞りこみ、さらには年2回のZシリーズの新機種発表も、見直しは必至との見方が強まっています。

■ソニーとは対照に世界3位に躍り出たXiaomi

 中国市場で白旗を揚げたソニーとは対照的に、決算発表の会場でも話題となっていたのが中国のXiaomiです。IDCの調査により、世界第3位の出荷台数を誇るスマートフォンメーカーになったことが明らかとなりました。他にも中国ではMeizuやCoolpad、そして日本でも知られるレノボやファーウェイがしのぎを削っています。

どうなるXperia?
↑Xiaomi創業者の1人であるリン・ビン氏による講演のようす(2014年6月のMobile Asia Expoにて)。

 もちろん、製品を細かく見ていけばXperiaシリーズは非常によくできていることは明らかです。Xiaomiを始めとする中国メーカーに劣っているとは感じられません。ただ、問題は同程度のスペックで比べたとき、値段が高すぎるという点に尽きるでしょう。

 それでは、中国以外にもスマートフォンの出荷台数が激増している新興市場はどうでしょうか。インドではMicromaxなどの地元メーカーが強く、サムスンも健闘していることから、ソニーが巻き返すのは難しそうです。

 さらに今後は、こういった新興国で成功したメーカーが、海外に展開する動きも予想されます。元グーグル幹部からXiaomiに移ったことで知られるヒューゴ・バラ氏は、サーバーを中国から海外に移すなど海外進出の準備を進めており、他の新興市場への展開を表明しています。

どうなるXperia?
↑元グーグル幹部のヒューゴ・バラ氏が海外進出を進める(2013年12月のLeWeb Parisにて)。

 ただ、ブランドの影響力という点では課題が残ります。たとえば中国のファーウェイは、欧米でもかなりその名を知られる存在になっています。その背景には、サッカーチームのスポンサーになるなど、知名度向上のための地道な努力があります。

 長い歴史のあるソニーは有利かと思われるところですが、日本を除くグローバルでみると、モバイルから白物家電まで幅広くカバーするサムスンに押されているのが現状です。特にモバイルでは2強であるアップルとサムスンを追う、第3集団の中に埋もれており、そこから抜け出すことができない状態です。

■Xperiaシリーズにも、わくわくするような新展開を期待

 ソニーモバイルはXperiaシリーズの今後の打開策として、各国キャリアとの連携強化を打ち出しています。すでに日本ではNTTドコモ、KDDIに加え、ソフトバンクからも初となるXperiaを発売しました。タイムリーな提案ができるメーカーとして、要求にしっかり応えつつ、他キャリアと密接な関係を築いていけば、安定した事業運営が見込めることになります。

 その上で、Xperiaシリーズにはもっと魅力的な新製品も期待したいところです。最新モデルのXperia Z3やZ3 Compactはいずれも完成度が高く、既存ユーザーが安心して買い換えられる順当な進化を遂げています。

 ただ、すでに膨大な数のユーザー抱えるアップルやサムスンならともかく、新しいユーザーを取り込んでいく立場にあるソニーモバイルには、もっと攻めの姿勢が必要ではないでしょうか。

 そういう意味では、レンズスタイルカメラや、香水瓶型のCyber-shot『DSC-KW1』といったデジカメ製品、あるいは独自OS採用のハイレゾ対応小型ウォークマンなど、最近のソニーはユーザーの予想を上回る新製品を次々と打ち出しています。

どうなるXperia?
↑セルフィーに特化したデジカメとしてインパクト抜群のDSC-KW1。ソニーはこういう製品を作れるメーカーだと再認識させられた。

 これまでXperiaは、デジカメやオーディオといったソニーの技術を次々と取り込んできました。それなら逆に、デジカメやオーディオ製品にXperiaの通信技術を統合することもできるはずです。このようなデバイス間の垣根を取り払うことが、ソニーモバイルの打開策につながるのではないでしょうか。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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