2014年11月03日14時00分

ドコモは第2四半期も減収減益 セット割“ドコモ光”で巻き返しを狙う

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 ドコモは31日、2014年度第2四半期の決算を発表した。営業収益は前年同期比1.2%減の2兆1729億7600万円、営業利益は同15.5%減の3995億8600万円で減収減益。音声通話定額プランの導入による減収が響き、パケット通信料収入の増加やコスト削減効果を相殺した。

 同社の加藤薫社長は、「厳しい内容だがオペレーションの数字は改善傾向が続いている」と強調。しかし、通期予想を下方修正し、営業収益は1900億円減の4兆4000億円、営業利益は1200億円減の6300億円とした。

ドコモ 決算
↑ドコモの加藤薫社長。
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↑2014年度上期の決算概況。

 音声定額を含む新料金プランの契約数は943万契約で順調に増加。純増数は同約5倍となる119万件の契約となった。前年の不調に対して、iPhoneなどの導入が効果を発揮し、純増数を拡大した。新規販売数も同約7%増となる366万契約、解約率は0.24ポイント改善の0.62%など、各指標は改善傾向にある。

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↑主な財務指標。
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↑セグメント別では、本業が不調だが、スマートライフやそのほかの事業は伸びている。

 端末販売数も前年上期から今上期は5%増の1095万台となり、スマホ販売数も7%増の676万台、タブレットは同約60%増となる72万台に拡大した。スマホの利用数は2640万契約にまで達し、LTE対応端末の比率も87%となった。LTE契約数は前年同期から1000万近い増加となる2622万契約となった。さらに、VoLTE対応機種は8機種合計で約130万台に達したという。

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↑新料金プランは1000万契約を突破。 ↑純増数は大幅に増加。
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↑MNPは改善傾向。 ↑パケット収入増につながるスマホ比率は順調に増加。
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↑LTE契約数も拡大。VoLTE対応端末は130万台に。 ↑ネットワークでは、LTE基地局の設置は計画通りに進捗。

 こうした数字は好調で、パケット収入は前期に比べて311億円増加。新領域と呼ばれるサービスなどの収入も355億円増、端末販売収入も424億円増となったが、月々サポートが同809億円減、さらに音声収入も542億円減となり、増収分を吹き飛ばした。端末販売数の増加により端末販売費用などの営業費用も476億円増加し、結果として大幅な減益となった。

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↑パケット通信や新領域収入は伸びたが、音声収入が大きく下がって利益を押し下げた。

 本業のモバイル通信事業が減収減益となる中、“dマーケット”などの新領域事業は、年間目標7700億円の売上に対して順調に推移しており、今上期は前年同期比13%増の3630億円となった。“dマーケット”の取扱高も同30%増の346億円となり、“dマガジン”、“dヒッツ”、“dアニメストア”など、順調に拡大している。

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↑dマーケットをはじめとする新領域は計画通りに拡大。

 通期予想の下方修正は、とくに音声定額の“カケホーダイ”が大きく影響した。当初予想に対して1200億円の減益要因となっており、さらに端末販売の収支が600億円の減益となり、500億円というコスト削減を実施してもまかないきれないと判断した。

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↑新料金プランの影響が大きく、通期予想を下方修正。

 音声定額は、これまで通話料が大きかったユーザーが当初移行することで、減収になることはもともと織り込み済みだった。しかし、サービス開始当初の6月だけで470万弱が新料金プランに移行し、「予想外だった」(加藤社長)という。ドコモとしては、「もう少し検討してから移行する」(同)と考えていたようで、大量の音声利用者が一気に移行したことで、収益が予想以上に悪化した。

 ただ、音声定額で大きく収益が悪化するのは、音声を多く利用するユーザーが移行するためで、そうしたユーザーが上期に一気に移行したため、9〜10月をピークに収益へのインパクトは小さくなると予想。「来年度には黒字化する」(同)と見る。

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↑新料金プランの影響は順次減少していく。

 新料金プランは、音声定額と複数のパケットパックから選択するかたちで、もともと「パケット収入の増大が狙い」(同)だった。トラフィックは前上期から1.5倍になり、順調に増加している。

 音声通話が多いユーザーほど、新料金プランを選択すると毎月の利用料は減少するため、ドコモとしては減収要因となる。しかし、その後利用率の低いユーザーが新料金プランに移行することで、減収幅が小さくなってきている。さらに、新料金プランによってパケット利用が増えるユーザーが増加しており、今後は収益が改善するとしている。

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↑パケット利用は順調に増大。 ↑新料金プラン以降による減収幅は縮小していく。

 減収減益となった上期に対して、その傾向は下期も継続する見込みだが、下期は重点施策で収益の改善を図りたい考え。とくに、NTT東西が予定している光回線の卸を受けて、固定回線と携帯回線のセット割“ドコモ光”を導入する計画。

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↑NTT東西の光卸を活用した“ドコモ光”を予告。
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↑ドコモが固定、携帯回線、ISPを一貫して提供する。ISPは、他社も参加可能だという。 ↑携帯の新料金プランとセットでおトクになるサービス。

 ドコモ光は、携帯の新料金プランとセットで料金を割り引くサービスで、ドコモがNTT東西から回線を借り受け、携帯回線とISPをセットで販売する。携帯のシェアパックやパケットパックが高額なユーザーほど、光回線の追加料金が安く抑えられる、という形になるという。

 従来、KDDIが“auスマートバリュー”として固定と携帯のセット割を提供しているが、これはau携帯契約者が固定回線を導入する際に、月額料金を一定額割り引くが、“ドコモ光”は、携帯料金に対して「固定回線の追加料金を安くする」という考え方になっている。

 一体型料金で、ドコモが固定から携帯までワンストップで提供できるため、「簡単、便利でリーズナブル」(同)という料金プランになる見込み。2015年2月から提供を開始する予定だ。

 コスト削減もさらに進め、500億円規模の削減を行い、当初目標の年間55億円に対して1050億円のコストを削減する。

 こうした取り組みを行って下期を乗り切るとともに、2017年度までに利益を回復させ、営業利益は2013年度の水準以上にするのが目標。新領域事業は1000億円以上の利益を目指し、コスト削減も2013年度比で4000億円以上を削っていく。

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↑2017年度までの中期目標。

 加藤社長は、「今年は成長の礎を築く年と言ってきた」と話し、その“骨格”である新料金プランと、新たに開始する“ドコモ光”という2つの軸をベースに、「長期利用者や家族のユーザーを大切にし、ドコモを選んでもらい、使い続けてもらうことで競争ステージを変える」(同)ことを目指す。2017年度まで、「ドコモの真価が問われる3年間」(同)として、業績回復を図っていきたい考えだ。

●関連サイト
ドコモ 決算短信ページ

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