2014年10月28日08時30分

台湾のLTE対応プリペイドSIMを格安のZenFone5などで試してみた

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 2014年5月に始まった台湾でのLTEサービス。すでに台湾の大手3キャリアがサービスを開始していて、台湾でのLTEのカバー率も高まってきているようです。この台湾のLTEサービスですが、当初は各キャリアの通常契約でなければ利用できませんでした。

 しかし、9月より台湾モバイルがLTE対応プリペイドSIMの提供を開始し、旅行者でもLTEを利用した高速なデータ通信が利用可能になりました。そこで、実際にこのLTE対応プリペイドSIMを入手して、台湾のLTEサービスを試してきました。

台湾 LTE
↑安くて高品質なASUSスマホ『ZenFone』も使いました!

●カードの入手方法は3G版プリペイドSIMと同じ

 台湾でLTEサービスを提供しているのは、中華電信、台湾モバイル(台灣大哥大)、FarEasTone(遠傳電信)の3キャリアです。そして、9月よりLTE対応プリペイドSIMの提供を開始したのは台湾モバイルです。ほかの2キャリアは、現時点ではまだLTE対応プリペイドSIMを用意しておらず、台北市内のキャリアショップで聞いた限りでは、いつ頃提供するか未定とのことです。

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↑台北市内の台湾モバイルショップ。台北市内のいろいろな場所にあるのですぐに見つかります。
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↑ショップには“4G LTE”と書かれたポップが飾られ、LTEを大々的にアピールしています。

 台湾モバイルのLTE対応プリペイドSIMは、台湾内の台湾モバイルショップで入手できます。ショップの店員に、「LTE対応のプリペイドSIMがほしい」と言うと、出してきてもらえます。SIMの形状は、マイクロSIMとナノSIMが選べます。

 購入時に必要なものは、パスポートなどの身分証明書です。今回の購入時はパスポートの提示のみで入手できましたが、台湾でプリペイドSIMを購入する場合には公的な身分証明書が2つ必要という場合もありますので、念のためパスポート以外に運転免許証や学生証、保険証なども持っておいた方が安心です。

 ちなみに、たばこを購入する場合に利用するTASPOでもオーケーとのことです。このあたりは、台湾で3G対応プリペイドSIMを購入する場合と全く変わりませんので、過去に台湾でプリペイドSIMを買ったことがある人なら、問題なく入手できると言えます。

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↑こちらがLTE対応のプリペイドSIMです。購入はそれほど難しくありません。 ↑ナノSIMも用意されているので、iPhoneユーザーも安心ですね。
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↑こちらは3G対応のプリペイドSIMです。3Gと書かれているのでカンタンに識別が可能です。

 利用時のAPN設定も3Gの場合と同じで、APNに“internet”または“twm”と入力するだけです。IDやパスワードなどその他の項目の設定は一切不要です。

 なお、台湾モバイルのショップは台北の台湾桃園国際空港にもありますが、空港のショップでは現時点でLTE対応プリペイドSIMを扱っていません。LTE対応プリペイドSIMは台北市内などの台湾モバイルショップで購入する必要がありますので、この点は注意が必要です。

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↑APN設定は、APNに“internet”または“twm”と入力するだけとカンタン。ほかの項目は設定不要です。
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↑9月17日現在では、台湾桃園国際空港の台湾モバイルショップではLTE対応プリペイドSIMの扱いはありませんでした。

●LTE対応プリペイドプランは定量型プランのみ

 台湾モバイルが提供するプリペイドプランには、容量定量型のプランや、日数制限でのデータ使い放題プランなどがあります。それに対しLTE対応プリペイドSIMでは、容量定量型の2プランしか用意されません。

 1つは、データ通信の総容量が1.2GBで金額が300元(約1080円)のプラン。もう1つは、データ通信の総容量が2.2GBで金額が500元(約1800円)のプランです。データ通信の有効期限は双方とも30日です。LTEがつながらない場所では3Gでの通信となりますが、3Gでのデータ通信もこの容量に含まれます。

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↑ショップ店員に説明された、LTE対応プリペイドSIMのプラン。新規購入時には、1.2GBと2.2GBの定容量プランのみ契約可能です。

 有効期限内に容量を使いきった場合でも、別途容量をチャージできるようになっています。容量チャージの金額は、1.2GBが180元(約650円)、2.2GBが300元(約1080円)、5GBが699元(約2520円)です。また、容量チャージでデータ通信の有効期限が新たに設定され、1.2GBと2.2GBはチャージした日から30日、5GBはチャージした日から90日となります。データ通信の有効期限を過ぎると残っている容量は使えなくなりますが、SIM自体は最終チャージ日から180日間有効ですので、SIMが有効な限りチャージすれば再度利用可能となります。

 ちなみに、容量のチャージは台湾モバイルのホームページからオンラインで行えます。中国語サイトなので少々面倒ですが、日本のクレジットカードでも問題なくチャージできました。チャージのたびに台湾モバイルのショップに行ったり、プリペイドカードを購入したりする手間がかからないのは便利ですね。

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↑容量チャージは、1.2GB、2.2GB、5GBの3プランを用意。チャージはオンラインで行え、日本のクレジットカードでも決済できます。

●上り下りとも20Mbps越えを記録も 700MHz対応がカギ

 では、台北市内の数箇所で速度をチェックしてきましたので、結果を紹介します。今回の計測は、9月19日(金)の午後12時から午後3時にかけての時間帯に行ないました。利用したスマホは、海外版の『Xperia Z1』と、台湾で購入した『ZenFone 5 LTE』で、双方にLTE対応プリペイドSIMを取り付けて1箇所に付き3回スピードテストアプリを利用して速度を計測し平均を出しました。利用したスピードテストアプリは“OOKLA Speedtest.net”です。また、比較のために台湾モバイルの3G版プリペイドSIMも用意して、3Gでの速度も同様に計測しました。

 テストを行なった場所は、台北市内の中心部に位置している“台北駅”付近、101階建ての高層ビルで台北のランドマークとなっている“台北101”付近、そしてCOMPUTEX TAIPEIの会場にもなる“南港展覧館”付近の3ヵ所です。結果は表にまとめたとおりです。

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 ZenFone 5 LTEではLTE通信時に上り下りとも20Mbpsを超える場合が多く、最も遅かった台北101付近でも上り下りとも13Mbps以上の速度が出ています。実際のウェブアクセスなども非常に快適でした。

 それに対し、Xperia Z1ではZenfone 5 LTEの半分程度の速度しか出ていません。それでも3Gに比べると圧倒的に速いので、こちらも十分快適と言えます。

 なお、台北では地下鉄でも3Gは通じますが、LTEはまだ通じないようです。また、地下街でもLTEが通じないところが多いようでした。ただ、今後地下鉄や地下街でも順次LTEが使えるようになると思われます。

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↑速度チェックのために、急遽LTE対応スマホ“ZenFone 5 LTE”を購入しました。
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↑Zenfone 5 LTEは、台北市西門町にある”スマホビル”こと獅子林ビルで購入。
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↑速度チェックは、ZenFone 5 LTEと海外版Xperia Z1(右)で試しました。
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↑台北市中心部にある台北駅。市内最大のターミナル駅で、台湾国鉄や台湾新幹線、地下鉄などが発着しています。
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↑台湾一の高層ビル“台北101”。まさに台北のランドマークで、いつも観光客でごった返しています。
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↑COMPUTEX TAIPEIの会場としてもおなじみの南港展覧館。テスト当日は展示会はなかったようですが、周辺にはオフィスビルが多く、平日の昼間人口は比較的多い場所です。
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↑地下鉄のホームやトンネル内ではLTEは通じず、3Gでしか通信できませんでした。
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↑デパート地下のフードコートや地下街でもLTEは通じませんでした。

 今回のテストは全て野外で行ないましたので、基本的には電波状況の良い状況での結果と言えます。ただ、結果を見るとわかるように、ZenFone 5 LTEのほうがXperia Z1よりも全地点で速度が2倍近く高速でした。

 また、テスト場所以外でもいろいろな所で確認してみましたが、Xperia Z1ではホテルや飲食店など、室内でLTEの電波を拾わない場面がかなり多くありました。それに対して台湾で購入したZenFone 5 LTEでは、室内でも安定してLTEにつながっていました。この違いは、双方が対応するLTEの周波数帯域に大きな要因があります。

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↑地上のお店やホテルの部屋では、ZenFone 5 LTEならLTEが通じるところが多かったですが、Xperia Z1では3Gに落ちるところが大多数でした。

 台湾モバイルのLTEサービスは、700MHz(Band28)と1800MHz(Band3)の2つの周波数帯域で提供されています。速度は、Band28が帯域幅15MHzで下り最大112.5Mbps、Band3は帯域幅5MHzで37.5Mbpsとなっています。台湾モバイルではこの2つの周波数帯域を利用しつつ、キャリアアグリゲーション(CA)により下り最大150Mbpsの通信速度を実現しています。そして、ZenFone 5 LTEは、この2つの周波数帯域双方に対応しCAもサポートしていますが、海外版Xperia Z1はBand3しか対応しません。

 しかも、Band28はいわゆる”プラチナバンド”で、建物などの障害物に強く室内にも届きやすいのに対し、Band3はやや障害物に弱い電波です。つまり、Band28への対応有無が、速度差や室内でのLTE接続状況に大きく影響する要因と言えます。現在日本で販売されているスマホもほとんどがBand28に対応しないので、SIMロックを解除したとしても台湾のLTEサービスを最大限利用するのは難しいでしょう。

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↑台湾モバイルのLTEサービスは、700MHz(Band28)と1800MHz(Band3)で提供されていますが、メインは700MHzなので、700MHz対応スマホでの利用がベストとなります。

 それでも、Band3の電波が受けられる場所なら3Gよりも十分に高速なデータ通信が可能です。とくに上りが3Gに比べて圧倒的に高速になりますので、Band28非対応のスマホでも利用時の快適度は十分に高まると言えます。

 加えて、日本でも2015年からBand28を利用したLTEサービスの提供が予定されていますので、今後登場する日本のスマホでもBand28に対応するものが増えてくるでしょう。そのため、来年以降は日本のスマホでも台湾のLTEサービスを利用しやすくなるはずです。

 また、日本で販売されているSIMフリー版のiPhone6およびiPhone6 Plusは、Band28およびBand 3双方に対応しています。今回はiPhone6/6 Plusでの検証は行なえませんでしたが、おそらく問題なく利用できると思いますので、iPhone6/6 Plusユーザーはこの点で有利と言えるでしょう。

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