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世界制覇を狙う最強スマホが目白押しの展示会に行ってきた

2014年10月08日 12時00分更新

 新製品ラッシュに沸いた9月ですが、その月末には新興メーカーを中心とした各社自慢の最新スマートフォンが集まる展示会が北京で開催されました。iPhone 6やXperia Z3もウカウカしていられない、知られざる最強スマホをご紹介!

PT/Comm 2014

 9月末に開催されたPT/Comm 2014には老舗から新興メーカーまで中国を中心に製品を販売するメーカーの最新スマートフォンが一堂に集結しました。各社とも積極的に海外展開を図っており、アジアやヨーロッパでも一部のモデルは販売が予定されています。

PT/Comm 2014
↑こんなスマホ、見たことないわ!

 まずは日本でもおなじみのファーウェイ。別ブランドHonorで展開している最新モデルの『Honor 6』はとにかく通信速度が最強。LTEのカテゴリ6に対応し、下り通信速度は最大300Mbpsを誇ります。端末はここまで速いのですが対応キャリアがまだほとんど少ないのがもったいないところ。

PT/Comm 2014
↑ハイスペックなのにお得なお値段。

 CPUは子会社のハイシリコン製Kirin920を採用、ベンチマークではSnapdragon 800シリーズに負けないスペックをたたき出すとのこと。5インチフルHDディスプレー、RAMは3GBと余裕の設計。それでいて価格は約3万6000円とコストパフォーマンスも抜群です。ファーウェイは日本に続々とSIMフリースマートフォンを投入していますが、このHonorシリーズのモデルの投入もお願いしたいもの。

PT/Comm 2014
↑爆速300Mbps!LTEカテゴリ6対応のHonor6。

 日本ではまだまったく知られていないメーカーであるIUNI(イウニ)。その最新モデル『NU3』は5.5インチのWQHDディスプレーを搭載しています。無名メーカーがいきなり超高解像度な製品を出すとは驚きです。こちらもRAMは3GBとたっぷり。Snapdragon 801搭載とパワーも十分。もちろんLTEにも対応します。

PT/Comm 2014
↑WQHDディスプレーの新鋭スマホ、IUNI NU3。

 背面カメラは1300万画素ですが、フロントには200万画素のウルトラピクセルカメラを搭載。HTCなどが採用する方式と同じで、これにより800万画素相当の画質で撮影が可能とのこと。

PT/Comm 2014
↑ウルトラピクセルカメラも搭載。

 カメラスペックでは負けていないのがDoov(ドゥーブ)の『iSuper3』。女性向けスマートフォン専業メーカーだけに、自分撮りを意識した製品になっています。ディスプレーは5.3インチと女性が持つ大きさとしてはギリギリでしょうか。解像度はHD、CPUはクアッドコア1.4GHzと抑えたミッドレンジの上位という位置づけ。ですが何よりも最強なのは「魔鏡Cam」と呼ばれるセルフィー専用カメラアプリが搭載されているのです。

PT/Comm 2014
↑史上最強のセルフィーマホ、iSuper3。

 魔鏡Camを起動するとフロントカメラがオンになります。自分の顔をアプリが認識すると、自動的に顔の部分が美顔化されます。元の顔はさすがに変わりませんが(笑)。色は白く、しわは見えなくなり、そして数年若返ったような印象の写真に仕上げてくれるのです。アプリを使ってあれこれ加工する必要も必要もなく、セルフィーばかり撮影するアジアの女性には絶大な人気となりそう。なおカメラは背面とフロントどちらも800万画素です。

PT/Comm 2014
↑どんな女子でも(男子でも)美しく若く写せちゃう?

 iPhone6は厚さ6.9ミリと薄くなったものの、それよりもさらにスリムなスマートフォンがあります。世界最薄の5.55ミリの記録を持っていたジオニーが、さらに薄さを増した『Elife S5.1』を発売しました。厚さは5.15ミリと、これまでの記録を0.4ミリも更新。iPhone6と同じ4.7インチモデルですが、その薄さははっきりとわかるほど違います。

PT/Comm 2014
↑もはや限界、世界最薄5.15ミリのElife S5.1。

 ここまで薄いとヘッドフォンコネクタやSIMスロットの設計もさぞかし大変だったかもしれません。でもカメラは頑張って出っ張りをなくして背面にツライチに抑えています。さすがにLTEの搭載は難しかったのか3Gモデルとなりますが、ぜひLTE版もこの厚みで出してほしいもの。

PT/Comm 2014
↑ギネスも認めた本当に薄いスマホ。

 ファーウェイがHonorなら、ZTEはNubiaという別ブランドを持っています。そのNubiaの最上位モデルがこちらの『Z7 Max』。Nubiaシリーズは赤丸のホームボタンが特徴となっています。2.5GHz駆動のSnapdragon801採用、5.5インチフルHDディスプレーとファブレットとしても最上位に位置する製品です。

PT/Comm 2014
↑ZTEの別ブランド、Nubiaのハイエンドスマホ。

 Z7 Maxのカメラはスマートフォンとは思えない使い勝手が魅力。ピント合わせは手動にも対応しマクロ撮影も楽々。一方星空の撮影もできるように、長時間露光にも対応しています。シャッター速度は1200秒(20分)まで開いておけるので、三脚にZ7 Maxを取り付け夜空に向ければスマートフォンでは撮影できなかった星の軌道撮影も可能になります。

PT/Comm 2014
↑手動フォーカスや長時間露光も可能。

 ZTEは他にも新しいブランドの製品として『Star1』を出しています。5インチフルHDディスプレー、Snapdragon400、LTE対応など十分すぎるスペック。しかも本体は薄く航空機にも使われるマグネシウムチタン合金をフレームに採用し強度を上げつつ軽さも両立しています。

PT/Comm 2014
↑スタイリッシュ&ハイスペックなZTEのStar1。

 ディスプレー表面はゴリラガラス3で割れにくくキズもつきにくくなっています。そして背面側も表面はガラス素材で平滑感と光沢感を高め、美しい仕上がりになっています。ピンクを最初から用意しているように、女性もターゲットにした製品なのですね。

PT/Comm 2014
↑両面ガラス仕上げでなかなかの美しさ。

 中小や新興のメーカーはオンラインニュースサイトのブースに端末がまとめて展示されていました。いわばアスキーのブースに無名メーカーの端末がずらりとまとめて置かれているような状況。そんなブースがいくつかあるのですが、ふらりと立ち寄ってみると知らないメーカーのスマートフォンだけでも20〜30機種もありどれがどれなのか確認するのも大変なほど。それだけ新興メーカーが今や続々とスマートフォン市場に参入を始めているわけですね。

PT/Comm 2014
↑まだまだ知らないスマホがずらり。

 Android OSだけではなくUbuntu OS搭載製品も出しているメイズ。その最新モデルは1152x1920ピクセルとフルHDよりちょっと解像度を上げた5.4インチモデルの『MX4』。価格も3万2000円とお値打ち感があります。ですがもちろんLTEには対応していますし、カメラも13メガを搭載。最近話題の新興メーカー、シャオミよりもこちらのほうがコスパは高そう。

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↑アジア最強を目指すメイズMX4。

 Datangの『LQ6954A』は6.98インチというファブレットとしても最大クラスのディスプレーを搭載。片手で何とか持てる大きさですが、この状態でフリック入力は厳しそう。メーカーもそのあたりはわかっているそうですが低価格ファブレットとしてODM供給するとのこと。そのためターゲットは先進国よりも新興国になるのかもしれません。とはいえLTEには対応しているのでヨーロッパのどこかの国で突然見かけることもあるかも。

PT/Comm 2014
↑ギリギリ7インチで片手持ちサイズの限界に挑戦。

 ここまで紹介したスマートフォンは主に中国やアジアで販売または販売予定。ですがヨーロッパのキャリアと組んで最初からアジア以外にも展開を狙った製品もありました。中国最大キャリアであるチャイナモバイルの『M812』は、フランスのキャリア、オレンジとの共同開発モデル。

PT/Comm 2014
↑フランスにも輸出されるLTEスマホ、M812F。

 オレンジ向けの製品型番にはフランスのFが入り『M812F』となります。オレンジは自社ブランドスマートフォンを多数出していますが、低価格なLTE端末を増やすためにこのモデルはチャイナモバイルと提携したもの。Snapdragon400、5.5インチHDディスプレー、800万画素カメラで約2万5000円と悪くありません。年内にはヨーロッパのオレンジグループにも採用が広がるそうです。

PT/Comm 2014
↑オレンジのロゴ、入ってます。

 リードフォンというメーカーの『Readphone2s』は電子書籍を読むときにディスプレーが目に優しい読書モードになる、読書をするためのスマートフォン。購入すると電子書籍の購入割引特典もついてくるとのこと。ホームボタンが右にずれているのも書籍のページめくりをしやすくしているのかもしれません。このボタンは着信などがあると周囲が光るというギミックも持っています。

PT/Comm 2014
↑読書のためのリードフォン。

 TVメーカーとしてもおなじみのHisenseのフラッグシップモデルとなる『X9T』。Snapdragon801、5.5インチフルHDディスプレー、1300万画素カメラ、LTE対応と申しぶんのない製品です。

PT/Comm 2014
↑意外なヒミツがあるHisenseのX9T。

 年内に中国や東南アジアで販売予定らしくロケールは英語と中国語のみ。ところがなぜか日本語入力が最初から入っています。もちろんまだ開発中の製品でありこれがそのまま市場に出てくるわけではないのでしょうが、スタッフに聞くと「え!知らなかった」と驚いていました。まぁ日本展開があるとは思えませんが、なぜこの展示品がこうなっていたのか気になるところです。

PT/Comm 2014
↑知られざるスマホはまだまだ存在する。

 この他にも1万円ちょいの激安LTEスマートフォンなど興味深い製品も多数見かけました。今回はハイエンド品を中心に紹介しましたが、新興メーカーながらも侮れない製品が結構あるなどPT/Comm 2014はなかなか面白い展示会でした。

(2014.10.15 19:00追記)Kirin920のRAM(メインメモリー)の容量に間違いがありました。正しくは3GBです。お詫びして訂正いたします。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
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