スマホゲームプレイ動画共有サービス『OPENREC』や、スマートフォン広告ソリューションツール『Force Operation X(F.O.X)』を提供するCyberZブースでは、『モンスターストライク』のミクシィ代表取締役社長 森田仁基氏、『キャンディークラッシュ』のKingJapan代表取締役 枝廣憲氏、そしてCyberZ代表取締役社長 山内隆裕氏による対談が行なわれた。
↑ミクシィ代表取締役社長 森田仁基氏(左)、CyberZ代表取締役社長 山内隆裕氏(中)、KingJapan代表取締役 枝廣憲氏(右)。 |
ゲームの実況・攻略動画について枝廣氏は、「動画の使い方が変わった。モバイルで観られる環境が整ってきたことも大きい」とし、森田氏は「マーケティング的な観点だとテレビと同等の効果がある」と、エンターテイメントとしての動画というだけでなく、広告効果として大きな影響をもっていることを実感しているようだ。
両タイトルはテレビCMがユニークなことでも話題になっている。その狙いについては、「まずは埋もれてはいけないので、変わったことをやろう。(フンコロガシのCMなど)ぱっとみてモンストとわからないもので、思わずツイッターで突っ込んでしまい、それが拡散されていくような波及効果を狙ってる」という。また、「LINEキャラクターを起用したことで、ゲームが身近ではない女性など、新しいユーザーが増えた」とのこと。
あまりゲームらしくないキャンクラのCMについて、枝廣氏は「CMはとにかく効く。CMがあると超えられない限界をカンタンに飛び越える。日本では未だにテレビを平均90%、平均4時間見ているというデータことでまだまだ大きい」そうだ。
続いて山内氏からイギリス生まれのキャンクラと、日本発信のモンストの、グローバル展開について、地域性や文化の違い、ゲーム性の影響についての質問がされた。
枝廣氏は「Kingはもともと日本のゲームを触ってきた人たちばかりがいる。(そういう人たちが作ってゲームなので日本人の)バリアはなくなってきている。実際に世界中のDAU(アクティブユーザー)は1億人だが、日本のDAUは全体の4位」と感じている。
森田氏はすでに展開済みの台湾でのモンストの状況を、「シンプルなゲーム性やLINEを介したユーザー同士が紹介しあうマーケティングは想定通りうまくいっている」としながら、想定外の例として「日本ではフェイス・トゥ・フェイスで遊ぶというイメージがついているが、まだ台湾では広まっていない」ことを挙げた。「台湾での手応えがあるからこそ、今日発表した北米などに展開していく」と付け加えた。
グローバル展開については一日の長があるKingの枝廣氏は、日中韓について「似て非なるもの。キャンクラは韓国ではカカオ、中国でテンセントとパブリッシング契約をしているが、現地では適切なパートナーと組んでいくことが大切」とした。
台湾ではモンストの日本語版が流行し、マーケットが日本と似てきていることや、アジアは日本と比べて英語慣れしている国が多い。英語ゲームに対する抵抗感がないといった状況のなか、両者口を揃えたのが「結局はカンタンに遊べるゲームが流行る」ということだった。
森田氏にモンストにも動画投稿機能を実装する可能性があるのか直接聞いたところ、「様々なサービスがあるので、良いものがあるか検討している」と答えてくれた。すぐに実装という段階ではないが、ここまで巨大なゲームとなったモンストにとってもゲーム動画のマーケティング面での効果は無視できないのだろう。
また、山内氏にもOPENRECと類似したサービスとの違いを聞いてみた。「SDKが軽量なので、アプリ自体が重くなることを避けられます。もう1点は、投稿される動画について人力で確認し、不適切な動画が挙げられないように監視している」ことがある。アプリが重くならないという点は、ユーザーと開発側の双方のメリットにもなる。動画を監視する仕組みも、視聴者の安全を守り、ゲームが不本意な使われ方をされにくくなる。
OPENREC以外にも同じような動画投稿機能をもつサービスを提供するメーカーが増えてきた。ゲームにとって動画は切っても切れない重要なマーケティング方法となりつつあることを再確認できる対談となった。
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