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Windows情報局ななふぉ出張所

BASEのプリペイドLTEでアントワープを旅する

2014年09月17日 17時15分更新

 IFA 2014の取材を終えた9月11日。次はカメラ関連の展示会“フォトキナ2014”が開催されるケルンへの道すがら、アントワープに立ち寄ってみました。

BASEのプリペイドLTEでアントワープを旅する
↑アントワープ中心部。歴史的な建造物の多い港町だが、LTEも快適に使える。

 数年前に訪れたときには、あまり通信環境の快適な国というイメージのなかったベルギーですが、果たしてどのように変わっているのでしょうか。

■ブリュッセル空港の到着ロビーでSIMカードを購入

 今回の旅ではベルギーでの滞在が2泊3日程度ということもあり、SIMを購入するのではなく、Vodafone IrelandのREDローミング(1日あたり2.99ユーロ、約415円で100MBのデータ通信を、欧州の多くの国や地域で使える)で乗り切ろうかと考えていました。

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↑ベルギーまでは空路。スカンジナビア航空系列のBlue1を利用した(写真は隣のゲートで待機していたSAS機)。

 しかしブリュッセル空港の到着ロビーには、オランダKPN系のキャリア“BASE”のショップが店を構えており、旅行者向けのプリペイドSIMを購入できそうな雰囲気がただよっていました。

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↑ブリュッセル空港内のBASEショップにあった料金表。ほとんどの旅行者に10ユーロ・1GBのプランをすすめていることが見て取れる。

 さっそく店員にプランを確認してみたところ、SIMカードの価格は15ユーロ(約2080円)。この15ユーロはすべてクレジットとして利用できるため、1GB・10ユーロ(約1390円)のデータ通信を契約可能。さらに残りの5ユーロ(690円を音声通話に使えるとのこと。日本への国際電話も問題なく使えました。

 SIMカードはミニ・マイクロ・ナノの3種類に対応しており、有効期限は1年間。もし1年以内に再度ベルギーを訪れる場合は、改めてチャージすることで、同じSIMカードを継続して使うことができます。チャージ用のバウチャーはスーパーマーケットなどで販売されているほか、ブリュッセル南駅には自動販売機もありました。

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↑BASEを始め、LycamobileやOrtel Mobileのチャージ用バウチャーを販売する自販機。ロンドン・ヒースロー空港の自販機ほど有名ではないが、地下鉄への入り口に数年前からずっと設置されている。

■LTEバンド3対応機なら接続可能、速度も快適

 SIMカードを購入したときは、その場で開封して接続を確認するまで店員に付き合ってもらうのが無難なところ。それでもBASEの場合は簡単で、APNを gprs.base.be に、ユーザー名とパスワードにはどちらも同じ base と指定するだけで、ほぼタイムラグなしで3G接続が可能となります。

  さらにBASEではベルギー国内にLTEサービス展開しており、バンド3(1800MHz)に対応したSIMフリー端末ならば、プリペイドSIMでもLTEを利用できるとのこと。

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↑SIMカードのパッケージにも“4G”の表記が確認できる。

 LTEのカバー率という点ではまだまだという印象があるものの、わずか15ユーロのプリペイドSIMでお手軽にLTEを試すことができるのは嬉しいところ。テザリングにも対応しており、PCから利用することもできました。

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↑こちらはブリュッセル中心部。市街地の多くの地域ではアンテナが“4G”表記となり、速度も最大で下り8Mbps~10Mbps、上り10Mbps~20Mbps程度が出ることを確認。ただし建物の中では、3Gに落ちることが頻繁にあった。

■ベルギーの携帯ショップを探検

 アントワープまでは、ブリュッセルから列車で向かうのが便利です。列車にもよりますが、およそ30分~1時間ほどでアントワープ中央駅に到着します。

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↑アントワープ中央駅。17~18世紀のバロック様式を復刻したネオ・バロック様式による、大理石の装飾が特徴。100年以上の歴史があるという。

 それ自体が建造物として圧倒的なアントワープ中央駅には、さっそくBASEのショップが入っていました。

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↑中央駅が重厚すぎるため気付きにくいが、BASEショップがある。

 ちょっと興味をひかれたのが、ベルギーの大手キャリアとして知られるProximusのショップです。スマートフォンの横に置かれたスペック表が、メモ帳のように切り離せるようになっていました。

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↑スペック表部分がメモ帳のようになっている点に注目。

 もうひとつの特徴は、フランスの低価格スマートフォンメーカー“Wiko”の端末が充実しているという点です。ベルギーでは地理的にオランダとフランスに挟まれており、両国の言語が公用語となっていることからも、フランスの影響力は大きいようです。

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↑切り離して持ち帰ることができるほか、気になっていた友達にあげたりもできる。逆にショップ側では、どの端末に関心が集まっているか把握できそうだ。

 アントワープは小さな町ですが、それでも中心部にある“GRAND BAZAAL”はちょっとしたショッピングモールになっており、家電量販店“fnac”などがあります。ただしベネルクス地域に共通の傾向として、18時ごろには多くの店が閉まってしまう点には注意が必要です。

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↑日本では聞き慣れないが、Wikoの端末が人気となっている。
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↑欧州各地では、まだ“ソニーのVAIO”が売られている。すでに海外市場からは撤退したので、流通在庫のみと考えられる。

■大聖堂のあとは、ムール貝祭り

 アントワープといえば、名作『フランダースの犬』で有名な大聖堂があります。大聖堂の入場料は6ユーロ(約830円)ですが、作中でも重要な役割を果たすルーベンスの絵画を実際に見ることができます。内部はフラッシュを焚かなければ、撮影はOK。写真ではその迫力がなかなか伝わらないので、ぜひ皆さんの目で直接確かめてみてください。

 大聖堂を見た後は、ベルギー名物のムール貝を食べるのがおすすめです。アントワープやブリュッセルの中心部には多くのレストランがあり、多くの店がムール貝を提供しています。あまりに安い店、客引きの強引な店は避けるのが無難。白ワインやトマトソースなど、豊富なフレーバーを楽しめるのも魅力的です。

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↑ベルギーといえばムール貝。決して安くはないが、どのお店もムール貝をプッシュしているので、ついつい食べてしまう。2泊3日で3回くらいは標準的といってよいだろう。
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山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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