2014年09月03日08時00分

KickStarterで20万ドル獲得する日本インディーゲームの現状:CEDEC 2014

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 日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス“CEDEC 2014”がパシフィコ横浜で2014年9月2日~4日に開催。業界で活躍するゲームクリエーター、デベロッパーなどが集まり、3日間で数多くのセッションが行なわれる。2日には大手ゲームメーカーに所属せずゲームを制作販売している“インディーゲーム”を制作する個人クリエーター、メーカー代表が集まり“日本インディーメーカーの挑戦、軌跡、その展望”というセッションが行なわれた。注目度は高く、20人ほど長テーブルが置かれたセッションルームだったが、その数倍と部屋に人があふれるほど集まった。

 PCゲーム、モバイルゲームにとどまらず、プレイステーションやWii、Xboxなどコンソールゲームにもインディーゲームを扱うようになった昨今、インディーゲームはある程度の認知されるようになっている。この状況を前に、手探りで日本のインディーゲーム市場を開拓した4名が登壇し、これからインディーゲーム市場へ参入するためのアドバイスとなるようなセッションとなった。

日本インディーメーカーの挑戦、軌跡、その展望

 登壇したのはインディーゲーム配信サイト『PLAYISM』の広報の水谷俊次氏、海外で高い評価を受けるインディーズゲーム『La-Mulana』を開発した楢村匠氏、ニンテンドー3DSへの配信も果たした『メゾン・ド・魔王』の川勝徹プロデューサー兼ディレクター。世界で人気の3Dアドベンチャーゲーム『Tengami』を開発した東江亮氏の4人だ。

 まずインディーゲームの定義として、インディペンデントは自由な、独立したという意味。受注じゃなく、自分でつくりたいと思ってつくったゲームとする。実現のための「つくるための」KickStarterにおける資金調達、「売るための」プラットフォーム、「広げるための」コミュニティーの3つをテーマに展開した。

日本インディーメーカーの挑戦、軌跡、その展望

 始めは資金調達の面。貯金を切り崩しながら、また国内で投資を募る方法があるが、ひとつの手段にゲームを開発する前にアイデアを登録し、企画に対して資金を投資してもらうクラウドファンディングがある。その世界最大のサイト“KickStarter”は、元カプコンの稲船敬二氏が『Mighty No.9』で400万ドル以上を集めたことでも話題になったサイトだ。ゲームだけではなく、アニメ、映画などクリエィティブに関わるものなら何でも登録できる。

『La-Mulana2』もKickStarterで、5200名から26万ドル以上を集めて成功した。ただ、この成功も珍しく10万ドル集めたプロジェクトも少ない、登録されたプロジェクトの8割は20%にもいかないことが多いという。すでに前作が海外にファンが多かったシリーズであることが成功につながっている。また開始するハードルもやや高く、日本の法人口座は受け付けてもらえなく、米国、英国などの法人口座が必要になる。成功すれば、それ自体がニュースとなり、メリットも大きい。

日本インディーメーカーの挑戦、軌跡、その展望

 売るための環境は、インディーゲームならではのプラットフォームに縛られない自由がある。モバイルOSはもちろん、コンシューマーもPS4から3DSまでインディーゲームを配信する環境が整ってきた。PCであれば、世界最大のゲーム配信プラットフォーム“STEAM”がある。言語は初めから英語の展開が必要。国内にはまだダウンロードの文化も根付いていなく、ゲームだけで生計をたてるつもりであれば、日本語だけではダメだという。

日本インディーメーカーの挑戦、軌跡、その展望

 ただ言語のローカライズといっても、ゲーム自体のシステムやキャラクターのデザインなどの文化までローカライズする必要はなく、そこをいじってしまうとつくりたいものをつくるというインディーゲームをつくる意図を失ってしまう。『メゾン・ド・魔王』の場合、Xbox360に始まり、日本語、英語でのPC配信。ニンテンドー3DSでの配信も決まった。もちろん、配信時期のタイミングや開発環境の違いもあるがこのように開発者が配信するプラットフォームを戦略的に選択できる。

日本インディーメーカーの挑戦、軌跡、その展望

 最後のテーマ広げるためのコミュニティーでは、組織でつくっているインディーゲームメーカーもあるが、基本インディーゲームの開発者は単独での展開が必要。自分たちのコンテンツだけで勝負するしかない。人とつながってもゲームが良くなるわけじゃないが、事務処理などの開発以外のことも全部ひとりでやらなければならないので、横とつながると有利なことは多いとする。宣伝の仕方すらわからず、知らせることに苦戦している例をも多い。そのため、インディークリエイターコミュニティーサイト『Indie Stream』を発足させ、個人クリエーターの横のつながりを支援、BBSやプレスキットを載せるサイトを展開する。

日本インディーメーカーの挑戦、軌跡、その展望

 また、質疑応答ではインディーゲームと同人ゲームの違いについて質問が出た。日本は同人ゲーム市場が先でコミケなどの即売会でも一定の地位を確保している。両者に違いはないものの、同人ゲームは2次創作なども含む部分とコミケや即売会の市場で利益を得ていて世界に出ていく必要がなかったなどもあり、棲み分けがされているとのことだ。

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