2014年08月11日13時00分

ウケるゲーム実況動画のつくり方とは ファミ通×電撃 ゲーム実況エクストリーム講座

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 六本木ヒルズにある『YouTube Space Tokyo』にて、ファミ通と電撃によるゲーム実況動画コミュニティー『ファミ通×電撃 ゲーム実況エクストリーム』が主催する、ユーザー向けの講習会が行なわれた。

 ゲーム実況エクストリームでは、単にユーザー動画をまとめるだけではなく、動画作成のノウハウのレクチャーなどサポートを行なう。特にゲーム実況動画で問題となる、ゲームタイトルの著作権問題について、メディアとして働きかけていく。すでに数社のメーカーと調整段階に入っているとのこと。また、将来的にはゲームメーカーとの”仕事”としての動画作成の橋渡しの役割を務める。

ゲーム実況エクストリーム
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 始めに、新ハードリリース後のゲーム業界の動向について、株式会社KADOKAWA 浜村弘一氏によるプレゼンが行なわれた。

 次世代機の世界累計台数は、PS4が700万台、Xbox Oneが500万台(2014年4月時点)で、PS3やXbox 360と比べて販売台数の伸び率は高いとのこと。さらに両ハードは巨大な市場の中国で販売を始めることもあり、4年目の予測でPS4が2560万台、Xbox Oneは2000万台にも達するという。

 なぜここまで欧米を中心に販売台数が伸びたのか、その理由として、浜村氏は前ハードから8年経ったことで期待が高まったことと、魅力的なソフトが揃っていたことを挙げた。今後発売予定の注目タイトルとして『Evolve』や『Uncharted 4: A Theif's End』、『Bloodborne』などを紹介した。なかでも、日本では9月11日に発売する予定のMMORPG『Destiny』への期待度は高い。500億円もの開発費がかけられた超大作で、ベータテストで460万人動員という記録的な数字を残している。米調査会社の予測によると、最低1500万本の販売本数に達するという。浜村氏は「今年イチバンのビックタイトルになることは間違いない。ゲーム実況をすると世界中からアクセスがあるかも」と述べていた。

ゲーム実況エクストリーム ゲーム実況エクストリーム

 そして、欧米での次世代機の人気を支えているのが”ゲーム実況”だという。PS4は動画共有機能『SHARE』をもっており、これまでに650万以上のコンテンツが共有されている。また動画配信サイト『Twitch』は、2013年末の統計データで、配信者全体の20%がPS4からのストリーミング配信だったと発表している。

 日本での状況を見ると、発売から6週間の推移で比較した場合、PS4は現在Wii Uより少ないという。また、2013年時点でハード市場全体で約70%を占めている、ニンテンドー3DSやPS Vitaといった携帯ゲーム機の存在も大きい。日本国内でのユーザーアンケートでは、PS4に期待するのはグラフィックでSHARE機能への期待は少ない。ニコニコ動画への対応が遅れたことも影響があったのか、購入者でも利用したことがないユーザーが約74%を占めるというデータもある。
 
 ゲーム実況について、欧米と違うのがゲームメーカーの考え方だという。欧米ではゲームメーカーがどんな映像をアップしてもいいというスタンスだが、日本ではゲームクリエイターの意見が強く、自分がつくりあげた作品をユーザーに”いじられる”ことを嫌う傾向にあるという。このような違いの結果、『Battlefield 4』や『Call of Duty』はノーカットで配信できるが、『龍が如く』は一部のミニゲームだけ、『無双』シリーズは配信時に音声が消える、といった差が生まれている。

 最後に、家庭用オンラインゲーム市場規模の推移を紹介した。2007年はニンテンドーDSとWiiが市場をつくり過去最高の市場規模となったが、2012年と2013年(予測)では、ハードやソフトの規模は及ばないもののオンラインゲームの伸びが著しいという。ゲーム業界の衰退が危ぶまれている昨今だが、ゲームそのものに対する興味は未だ失われず、重要なコンテンツであることは間違いない。

■なぜ今YouTubeにゲーム実況動画をアップするのか
 講習会は株式会社KADOKAWA 小島創氏によるYouTubeの概要から始まった。YouTubeに投稿するメリットは、主にユーザー数の多さと強力なインフラ、定期的な広告収入にある。

ゲーム実況エクストリーム

 インフラ面では、20ギガまでのファイルや4K動画もアップでき、動画やライブ配信の長さはほぼ無制限だ。視聴する側のメリットとしては、回線さえ許せば誰でも無料でHD画質で視聴できる。

 現在、YouTubeの人気カテゴリーは、1位が音楽で2位にゲームがつけている。3位には、おもちゃ・商品紹介がつづく。

ゲーム実況エクストリーム

 YouTubeのゲーム動画コンテンツは、パズドラやマインクラフトなど世間一般で人気のゲームがそのままトレンドになっている。ニコ動のようにフリーゲームやレトロゲームの実況動画が突然人気になることはあまりなく、YouTubeのユーザー層はより一般的でゲームへの関心もややカジュアルよりだ。

日本で人気のゲームチャンネルの例
マックスむらい
赤髪のとも
HikakinGames

■考えるべきポイントは”誰が”、”何を”、”どう”プレイするのか
 次の例を見てほしい。

【動画A】ごく普通の大学生Aくんが、1時間で作った自作ゲームを、普通にプレイ
【動画B】日本の総理大臣候補者たちが、マリオカート8を、総理大臣の座をかけてプレイ

 動画AとB、どちらを視聴してみたいだろうか。おそらく多くの人がBと答えるだろう。つまり、ただやみくもに動画をアップしてもダメで、誰が、何を、どうプレイするのか、ひとつずつでもよいので意識してつくるべきだという。

 “誰が”という点は、ほかのクリエイターとの差別化できるポイントを考えるこという意味だ。

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差別化のできるポイントの例
・声が良い
【COD:G】弟者が実況するFPS#106【本当に、待たせたな!】
【実況】アクロバティック死にゲーッ!【TRIALS EVOLUTION】Part17

・リアクション芸
最強に怖いホラーゲーム!TheHALLOWEEN 実況プレイで失神寸前!

・そもそも有名人
GACKTがロックマン2に挑戦!【ネスレプレゼンツ GACKTなゲーム!? ガメ先手ル! -ガメセンテル-】 #1

 “何を”は扱うゲームタイトルについてだが、まずは自分が楽しめることが前提として、実況というフォーマットに適したコンテンツであるかどうかという点がある。例えば、ゲーム内のテキストを読ませたいのに、文字が小さくて視聴者が読めないのであれば、そのゲームタイトルは実況には合わないということになる。また、そもそもプレイ人口が少なければ視聴される機会も少なくなる。すでに同じゲームタイトルで投稿されている場合、違う見せ方ができるのかどうか確信をもてない限り手を出さないという判断も必要だ。

 “どう”プレイするのか、すなわち”切り口”については、ガチ攻略/スーパープレイやゲーム内での縛りプレイといったやり込みを主体にするか、ゲーム外での縛りプレイやお笑い、なりきり/ものまねといったバラエティーを主体にするかに分けられる。

切り口の方向性を示す動画の例
・ガチ攻略/スーパープレイ

EVO 04 Semifinal - Daigo Umehara Vs. Justin Wong
【ゼウス降臨!】超地獄級 超高速!コスケがゼウスを1分クリア!

・ゲーム”外”縛り
ローション塗ってダンスダンスレボリューション 【実況】

・お笑い
1分実況第10シリーズ『I WANNA BE THE GUY』

・なりきり/ものまね
【実況】もしも自分が「ゼルダの伝説」の主人公だったら Part1

■動画の中身と同じくらい付加情報が重要
 動画を撮影したら、視聴しやすい動画に編集する。なお、今回は詳しい方法やテクニックの解説はなかったが、ゲーム実況エクストリームではフォーラムで技術的なサポートも行なう予定だ。あとはアップロードするだけだが、ここでも再生数を伸ばすために重要な要素がある。それが”メタ情報”だ。タイトル、サムネイル、説明文、タグなどがそれに当たる。株式会社KADOKAWAの花崎憲士氏が解説した。

 下の例では、どの動画を見たくなるだろうか。

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 4つのサムネイルのうち3つがゲーム画面そのもので、ひとつだけが配信者の顔を組み合わせたサムネイルになっている。思わずクリックしてしまうはずだ。このように、再生ボタンを押してもらえるかどうかはメタ情報にかかっているといっても過言ではない。

 タイトルの付け方だが、動画の強みを表現すること、検索されそうなキーワードを含めること、そして適度な”煽り”をいれておくことが基本となる。検索で動画を見つけることができなければ、再生数は増えない。画面の”ホラーゲーム”、”マックスむらい”、”実況プレイ”は、実際に検索してみるとわかるがヒット数が多い。同じタイトルでも”マインクラフト”、”Minecraft”、”マイクラ”と呼び方が様々ある場合も、ヒット数で判断して使用すべきだ。

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 動画の説明文は折りたたまれて全文が表示されないため、長文を書いても視聴者がクリックして開かないとわからない。1〜3文程度の簡単な文章に動画の内容を正確に盛り込みたい。また、自分の動画を広めるためにも、後述のチャンネル登録や関連動画、再生リストなど、関連するリンクを加えておきたい。

 タグはキーワード検索とほぼ同じ考え方だが、動画固有の具体的なキーワード(個人名やゲームタイトルなど)と、一般的なキーワード(ゲーム実況やホラーゲームなど)を組み合わせるのがコツとのこと。また、正確な検索を阻害するので必要なタグのみを使用したほうが良い。

 サムネイルは特に力を入れるべきだという。参考になるのがHikakinGamesさんで、単純にゲーム画面を切り出すだけでなく、自身の顔を出すことで配信者が何をしているのかわかり、文字も大きくシンプルで伝わりやすい。

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 サムネイルを実際に作成する際のポイントは、アスペクト比16:9の比率で、HD画質以上のなるべく高解像度でつくること。最近はモバイルでの視聴が多いため、大きい画面でも小さい画面でも見栄えがするように意識したい。また、人の顔には訴求力があるため、顔出しNGであっても、似顔絵でもいいのでつけたほうが良いそうだ。これらのメタ情報は動画アップロード後でも変更可能なので、すぐに実践できる

■ファンが増えれば再生数は底上げされる
 最近ではチャンネル登録を活用する投稿者も増えてきた。自分の動画を見たいファンやユニークユーザーが増えれば単純に再生数は増えるが、それだけではなくYouTubeの仕様にも再生数を底上げできる要因がある。

 動画を投稿すると、自分のチャンネルの登録者のトップページのフィードや、メールで自動的に通知される。そもそもチャンネルに登録しようという人はYouTubeのヘビーユーザーで、積極的に視聴する傾向なのですぐに再生してくれるだろう。この結果、アップ後の再生数の”初動”が大きく増えるため、YouTubeのアルゴリズムで「この動画は人気だ」と認識され、トップページや関連動画などに自動的に登場し宣伝されることになる。こうして再生される可能性が増えるという。

 チャンネル登録を増やすコツは「とにかく呼びかける。単純だが効果的」とのこと。良い例として挙げられたのが赤髪のともさんで、アノテーション機能を使ったチャンネル登録ボタンが大きくわかりやすく、モバイルユーザーのために手順をしっかり解説している。長い説明になったとしても動画の最後(エンドカード)につければ、既存のファンにとってもじゃまにならない。やりすぎかな、と思うぐらいがちょうどいいのだそうだ。
 赤髪のともさんの動画の最後に付けられた、チャンネル登録を促すパートでは、PC向けの登録の仕方より先にスマホ向けの説明をしている。そもそもスマホ上ではアノテーション機能を使ったボタン操作ができないので丁寧に解説してあげるという意図に加えて、増加しつつあるスマホユーザーを意識した構造にもなっている。

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 ヒントとなるアイデアもいくつか紹介された。まず、最初の10秒が勝負であるということ。視聴者はこの時間で見続けるべき動画なのかを判断しているという。すぐに視聴者に語りかけたり、動画の内容を伝えたい。ほかにも、アイキャッチを入れる場合は長くても3秒程度(例:HikakinGames)にし、長めの動画の場合は最初にハイライトを見せて興味を惹くのも手だ。

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 更新頻度については高いほうが良いが、高クオリティーな動画を1週間に1回投稿している人気ユーザーもいるので一概にはいえない。ただし、ゲーム実況動画については、頻度が高いほうが良い傾向にあるようだ。
 
 投稿する時間帯は、自分の視聴者を意識すること。社会人ターゲットなら、帰宅後の夜20時ぐらいに設定する、といった具合だ。また、事前に告知したらスケジュールどおり投稿することも重要。約束を守ることで視聴者を大事にすることが伝わり、ファンになることも多い。
 
 視聴者とのコミニュケーションも積極的に行ないたい。これはニコニコ生放送の”コメント返し”と同じで、動画につけられたコメントにはなるべく返信したり、実況してほしいゲームを募集するのもアリだ。マックスむらいさんは質問の募集と回答だけの動画もアップしている。(【12/13】今週のお便り!むらいアメリカ一周の思い出 他

 ほかの動画クリエイターとコラボするのも再生数を増やす手段だ。お互いのチャンネルで告知したり、相互にプロモーションができる。また、ニコニコ動画では人気だがYouTubeは初投稿という人でも、YouTubeの人気クリエイターとコラボすることで早期に視聴者を増やせる。その場合、YouTubeの人気クリエイターをニコ動に呼ぶなど、お互いにメリットがあることを考えたい。

 ある程度投稿数が増えたら、名場面集やNG集も立派な作品になる。PewDiePieさんの動画のうち、再生回数のトップ10のうち、7つは過去の動画の総集編だ。普段から、これぞというシーンがあればURLや時間をメモしておくと作成しやすくなる。

 ちなみに、精力的に動画を投稿したい時期がある。ひとつは、まさに今、学生が暇をもて余しがちな夏休みだ。次が春休みで、休み中なだけでなく、日本の企業の年度末にあたり、予算を消化するために頻繁に広告を投下したり単価を上げたりする時期だ。がんばって再生数を伸ばせば広告収入の分配が増えてくるのでやりがいもある。

■情報を制するものが再生数を増やす
 最後に、動画を投稿する上で役立つウェブ上のツールがいくつか紹介された。自分や他者の動画を分析することで、次の動画を作成するときにより良いものができるはずだ。

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・今何がトレンドなのか知る
Google Trends
YouTubeも含めたウェブ全体での検索キーワードについて、検索量の推移を最大5つのキーワード同時に確認、比較できる。
YouTube キーワードツール
任意のキーワードについて、前月のYouTube検索の検索量を確認できる。同時に数多くのキーワードを比較できる。

・ほかの人気チャンネルを研究する。
VidStatsx.com
ゲームカテゴリー以外も含む、日本国設定をしているYouTubeチャンネルのトップ100がわかる。
WIZTracker Gaming YouTube Category
YouTubeのゲームカテゴリーの人気チャンネルがわかる。
niconicoゲームタグの再生回数ランキング
ニコニコ動画からYouTubeに流入するトレンドもあるため、先物買いするためのチェックに使える。

・自分のチャンネルや動画を分析する
YouTube アナリティクス
再生回数やユーザー層、視聴端末、視聴者維持率などがわかる。

・動画作成やアップロード時の参考文献
YouTube クリエイター ハンドブック
本講習会で紹介されたような、再生数拡大のための考え方。
YouTube オーディオ ライブラリ
自分の動画で自由に使用できる無料の楽曲や効果音を配布。
日本版 YouTube クリエイター ブログ
イベント情報などを配信しているYouTube公式ブログ。
YouTubeクリエイター ハブ
YouTube上で使用できるツールの紹介など。

■面白いからといって何をやってもいい訳ではない

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 ゲーム実況時に避けるべきことも押さえておきたい。特に著作権の問題は、ゲームタイトルだけでなくBGMに使う音楽や効果音も注意したい。また、インディーズゲームは著作権フリーだと勘違いしている人も多いようだ。
 ファミ通×電撃 ゲーム実況エクストリームでは、ゲームメーカーへのライツクリアランスの働きかけを行なっており、すでにエイリム『ブレイブフロンティア』、コナミ『100人対戦ボンバーマン』『キャッスルヴァニア』、UBI『ウォッチドッグ』など、容認するゲームタイトル・メーカーが登場しているとのこと。こういった個人では難しい活動も、ファミ通と電撃という2大ゲームメディアだからこそ実現されているのであり、ここで認められたゲームタイトルなら安心して動画を作成できる。
 
 ゲーム実況エクストリームという舞台を、自分のゲーム実況動画を世に広めるためにうまく利用してみてはいかがだろうか。

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■関連サイト
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