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地方のお父さん・お母さんはなぜガラケーなのか?地方ライターが推察してみた

2014年07月26日 11時00分更新

 都市部と比べ、地方のガラケー率が高いことは言うまでもないでしょう。特に地方に住む中高年層のガラケー率は、都市部とは比べものにならないほどです。故郷に住むお父さん・お母さんに「スマホにしたら?」とすすめても、断固拒否されたという人は多いのではないでしょうか。
 今のご時世、スマホで連絡をするのは、LINEやFacebookといったアプリを利用したほうがラクだったりします。人によっては「両親のためだけにキャリアメールを使っている……」なんて人もいるのではないでしょうか。
 リサーチ会社のMM総研による発表だと、2014年3月末の携帯電話契約数は1億4413万件で人口普及率113.4%。そのうちスマホ契約数は、5734万件で端末契約数の47.0%。まだまだガラケーの人気は根強いです。ですが、都内に居るときは、あまりガラケーを見かけません。それとは逆に、地方ではガラケーをよく見かけます。しかも中高年層の多くがガラケーユーザーな気がするのです。知り合いなど、地方の中高年層に聞いてみると「必要ないから」と言う返答を返されます。なぜ、地方の中高年層は「必要ない」と思うのでしょう。その理由を考えてみました。
 

●そもそもの違いがわからない 
 通話やキャリアーメールはもちろん、ガラケーでもインターネットは利用できます。ケータイサイトのコンテンツがスマホ向けに移行している昨今、一部のサイトは使えなかったり閲覧しにくかったりします。それでも中高年のみなさんは、インターネットの利用をあまりしないので、不便は感じずに利用しているそうです。またスマホは、大型化したタッチパネル操作の高性能ケータイという解釈だそうで、アプリをインストールして機能を増やしていくという概念は理解しにくいとのこと。
 よって、地方に住むお父さん・お母さんにとってスマホは「ただの使いにくいケータイ」でしかなく、必要性が感じられないようです。

中高年のスマホ事情
↑インターネットをあまり使わず、アプリの利用も少ない中高年のみなさんはガラケーですべて事足りるらしいです。


●スマホの操作が難しい
 400万台を超える大ヒットを叩き出した、折りたたみ携帯電話のN503iの登場が2001年。それから13年間、ガラケーの性能は進化したものの、そもそもの操作性はほとんど変わりませんでした。ですから、今更新しい操作方法を覚えるのも面倒なのでスマホに買い換えたくないというのが中高年の主張です。65歳を過ぎた母に聞くと「いまさら新しい操作を覚えるのが面倒」と言います。確かに、いまだにデジタル放送のテレビの番組表さえ使えないような母がスマホを買っても、何も活用できそうにはありません。

中高年のスマホ事情
↑ガラケーの操作性から、スマホのタッチ操作へ移行するのは難しいようです。


●音声通話とキャリアメール以外は使わない
 中高年間のコミュニケーションや連絡は、LINEなどのメッセンジャーサービスよりキャリアメール、キャリアメールより音声通話が主体。なので、音声通話とキャリアメールがあれば、携帯電話の利用は間に合っていると言います。スマホユーザーの中高年の方でLINEを使っているという人でも「子供が使っているから」という感じでしょう。中高年同士で利用しているという人は少ないような気がします。
 これらを踏まえると、中高年層にはLINEやFaebookといったメッセンジャーサービスはキラーアプリだと言い難く、若者のようにスマホを購入する動機にはならないようなのです。

中高年のスマホ事情
↑キャリアメール、通話がメインの中高年は、LINEなどのサービスにあまり魅力を感じないとのこと。


●料金が高くなる 
「スマホにすると毎月の支払が高くなる」こう言われる中高年のガラケーユーザーは多いようです。スマホは、高速な回線やパケット通信量が多いため、利用料金が高めに設定されています。
 そのため「音声通話やキャリアメールで良い」という中高年層には恩恵が少なく、ただ高いだけの料金にしか思えないは当然のことではないでしょうか。シビアに家計を支えてきたお父さん・お母さんだからこそ、通信費は節約したいと思われるのではないのでしょうか。

中高年のスマホ事情
↑スマホへの魅力を感じないため、ガラケーより料金が高くなるだけとの認識が大半。


●地方ライターはこう考える 
 私たちは「なぜスマホにしないの?」、「スマホの方が便利なのに」と思ってしまうのですが、そもそもお父さん・お母さんと私たちは価値観が違うということなのです。むしろ、慣れ親しんだ今の端末から機種変更するのさえ抵抗があると思った方が賢明です。その証拠に、お父さん・お母さんたちは、ガラケーの機種変更でも、操作性の変わらなくて済む同じメーカー制の端末を選ぶのですから。
 これはあくまで私的な考えなのですが、中高年層の方の多くは「PCを趣味にしたい」と思いつつ、「PCは難しいので無理」と敬遠している人が多いと聞きます。そこで「スマホやタブレットならPCのWebサイトも見られる」、「WordやExcelの書類を閲覧したり編集もできる」といった『PC代替え案』を提示してみるといいのかもしれません。
 そのうえで、ドコモの『らくらくスマホ3』や『らくらくスマホ2』のように操作がカンタンなシニア向けスマホを勧めてみましょう。もしも「年寄り向けなんて馬鹿にしてるのか」と怒られた場合は、Android端末に比べ直感的な操作性のiPhoneシリーズがいいのではないでしょうか。

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