2014年07月10日11時30分

見せろスポ根! 筋肉がつるまで! コナミのMSXゲーム伝説9:MSX31周年

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MSX30周年スロット&スプライトロゴ

 MSXの歴史を彩る“ハイパー”シリーズ。“とにかくひたすら連打、腕の筋肉がつるまで根性で連打!”のイメージが強いこのシリーズだが、『ハイパースポーツ』シリーズではタイミングを重視した種目も多く存在する。
 元は例によってアーケード作品である。様々な機種ごとに色々なバージョンがあり種目もそれぞれなのだが、MSX版が最も充実しているのは間違いない。たとえば家庭用としてはファミコンでも展開されていたが、MSXでは『ハイパースポーツ1』から『同 3』までの3本で11種目なのに対してファミコンは1本、4種目のみである。


■ハイパースポーツ1(1984年発売)

 『ハイパースポーツ1』はダイビング、跳馬、トランポリン、鉄棒の4種目からなる。共通しているのは“回転”だ。シリーズ中最も徹底して回転にこだわっている。

ダイビング

MSX30周年:コナミ第9回
↑回転は大事だがいつまでも回っていると、まっすぐに着水できないぞ!


 ゲームを開始すると、ぐぐっと視点が上がって、青空と飛び込み台の上の選手だけがクローズアップされる。青い空に水着の白が今見ても“オムツしている”ようにしか見えない。それはともかく、スペースキーをタイミングよく押して3回飛び跳ねた後、プールに向かって飛び込み体勢に入る。右キーを叩きまくることでひたすら空中で回転、水面寸前にスペースキーで着水! 着水時に体が伸びていれば成功だ。
 ハイパースポーツ1では、5人の審査員がいて平均で点数が決定する。“どういう演技をすると高得点なのか”が箱にも説明書にも明記されていないので、とっかかりで苦戦した人もいたことと思うが、そういったコツを探るのもゲームの一部なのだ。何でもチュートリアルで丁寧に説明されることに慣れきった若造にはこの楽しみはわかるまいよ。とカッコつけてみたが実はそうたいした秘訣は無い。“よく回る”、“着水寸前に体を伸ばしている”の2点を守れば10点満点も難しくはないぞ。

跳馬

MSX30周年:コナミ第9回
↑踏切台で思わず「おりゃ!」とかって言っちゃう人も多いことだろう。私だけ?


 場所はプールから変わって体育館。ハイパーシリーズでは少ない屋内競技である。今度は跳馬というこで、スタート地点から踏み切り位置まで走っていく。が、特に激しく連打する必要はないようだ。超連打しても得点には関係しない。むしろ“踏み切りのタイミング”と、“飛び上がってからの回転”、最後に“着地の際にヨロけない(動かない)”ことが重要らしい。最後にヨロけることを抑えるのが非常に難しいため、10点を見ることは稀である。発売からはや30年近いというのに、いまだに“ヨロけないポイント”が完全に読みきれない! 老人ホームに入るまでにはコツを完全に会得して、婆さんたちから茶色い声援を受けられるよう精進し続ける所存だ。

トランポリン

MSX30周年:コナミ第9回
↑タイミング良くジャンプに成功し続けるとかなり気持ちいい。『ハイパースポーツ1』にはなにか不思議なアナログ感がある。審査にもちょっとしたファジー(死語)感が。


 天井の見えない競技場にトランポリンが置かれている(屋外なのか?)。ダイビングと同様に、ジャンプで高く飛び上がり、空中回転を行なう。トランポリンから飛び上がる際にスペースキーをタイミングよく押すことでさらに高く飛び上がれるが、足から降りていないとジャンプが無効になってしまい、高度がてきめんに落ちるので要注意である。
 空中回転に夢中になっているとどうしても頭から落っこちてしまいがち。時間内の演技の累計で得点が決まるらしいのだが演技時間が結構長く、また基準がよく分からない。まあダイビング同様に空高く舞い上がるのが非常に気持ちいいので、高度を稼ぐプレイに徹してみるのもよいだろう。

鉄棒

MSX30周年:コナミ第9回
↑そういや鉄棒でぐるぐる回るお爺ちゃんのCMがあったっけ。私らだってゲームでなら可能だぞ。


 ハイパースポーツ1最終種目にして最難関の競技。大車輪から飛び上がって着地までが審査の対象となる。跳馬と同じく、本競技も助走時には連打の必要がないのだが、鉄棒から手を離して飛び上がるタイミングを誤ると真上にポーンと飛んでしまって大減点されてしまう。難しいのは飛び上がるタイミングで、後の回転から着地は跳馬と同じ感覚で行ける。ちなみに、大車輪の時に放置していると後ろに飛んでファウルとなる。

 4種目を終えるとまた最初に戻ってダイビングからとなる。ダイビングは飛び込み位置が高くなるが、規定点数も上がるので難易度は高くなる。
 今となってはさすがにボリューム不足な感はあるものの、全種目ともに共通して楽しいのは“飛び上がる感覚”である。粗いデジタル入力ゲームなのに、どうしてこんな感覚を得られるのだろう。これこそが謎の“コナミ・ハイパースポーツ・リミテッドテクノロジー”なのだろうか。


■ハイパースポーツ2(1984年発売)

 さて第2作目、『ハイパースポーツ2』。なぜか本作だけは他と異なり1種目少ない3種目で、クレー射撃、アーチェリー、重量あげからなっている。パッケージ裏のアオリ文句“キミの参加度100%”というのも謎だ。

クレー射撃

MSX30周年:コナミ第9回
↑目は2つあるのに、2つの的は上手く追えない謎。年取ると動体視力が……。


 ハイパーシリーズの中でも特に異色の種目である。飛んでくるクレーをタイミングよく左右の照準に合わせてボタンを押すことで破壊できる。連続で破壊するとスピードが上がるが、照準の大きさも大きくなるのでリズムを掴めばパーフェクトも難しくはない。
 さてパーフェクトとなった場合には(なぜか)隠しキャラが出現する。UFOを打ち落とすと得点追加、ある条件で現われるカラスを撃つとさらに得点が追加され、世界記録の倍以上の点数になってしまったりする。『ハイパースポーツ1』の審査員と違い実力勝負なので、腕前がそのまま点数に反映されるぞ。

アーチェリー

MSX30周年:コナミ第9回
↑押すタイミングと押す長さだけなのだけれど、最初はなかなか真ん中に当たらない。だが、練習して当たるようになるとスゲー楽しくなってきてかなりハマる


 弓矢で移動する的の中心を狙う射撃モノと言えるが、こちらは矢を放つタイミングだけでなく、放った後にスペースキーを押していた時間の長さで上下の角度が決まる要素があり、的の中心に当てるのは非常に難しい。8本の弓でパーフェクトは相当に厳しいぞ!
 このゲームで最も注目するべき点は、弓を放ったときの“ヒョロロン”という音だ。これがもう脳内で何かが出るほど気持ちいい。コナミのMSX作品は操作性の良さが徹底されているが、本作でもその反応や効果音に工夫が凝らされ、結果プレイヤーの脳内で何かが出る好結果へとつながっているのだ。

重量あげ

MSX30周年:コナミ第9回
↑射撃のおじさんもそうだけど、どうしてコナミのスポーツゲームのおじさん達はみんなマ〇オのように口髭を生やしているのか。そういやサッカーの人たちも……。


 前の2種目と違い、バーベルを上げる屋内競技である。バーベルの重量を決めた後、右キーを連打して肩まで持ち上げる。バーベルが点滅したらスペースバーを押すと頭上にバーベルを上げるので、さらに右キーを連打して保持する。バーベルを頭上に保持する際の微妙な動きが細やかに描かれているのが面白い。
 この種目では持ち上げる重量を自分で選べるのだが、当然重量があればあるほどに連打はキツくなる。最難関のスーパーヘビー級は果たして人類にクリアできるのだろうか!? 「俺はクリアしたぞ」という方、ご一報ください。


■ハイパースポーツ3(1985年発売)

『ハイパースポーツ』は“1”と“2”は今でもわりと中古市場に出回っているが、この『ハイパースポーツ3』はその完成度とは裏腹に微妙にレアソフトである。
 種目は4つに戻り、自転車、カーリング、三段跳び、棒高跳びである。そして箱裏のアオリもさらに過激に“体力とテクニックのハイパースポーツ・リミテッド”という今では何だかよく分からないが、子供だったころワクワクした文言に。

自転車

MSX30周年:コナミ第9回
↑プレイヤー:ああ、攣(つ)る! 足が、じゃなかった腕が! MSX:右キーがぁー!

 ハイパースポーツとしては最も長時間の連打を要求される種目。とにかく連打で敵を引き離すのがポイント。レーンチェンジの要素もあり、これを使うことで妨害もできなくはないが、真っ当に勝負したほうが強い。しかし、腕が! そしてキーボードが!!

三段跳び

MSX30周年:コナミ第9回
↑「ほぉ〜っぷ、すてぇ〜っぷ、じゃぁぁんっぷぷ」って効果音が聞こえてきたら、すでにかなり上達しているはず。


 連打とジャンプのタイミングが命の、ハイパーシリーズらしい種目。例によって飛ぶときにスペースキーを押している時間によって角度が変わる。3回ともに角度を上手く45度近くに決めていかないと飛距離が伸びない。

カーリング

MSX30周年:コナミ第9回
↑これがもし、対戦ゲーム(人対人、人対CPU)だったらと妄想してみる。楽しそうだなぁ。


 ちょっとビックリな種目、カーリング。この時代はまだあまり日本では知られていなかったのではなかろうか。ちょっと見ただけだと“氷の上をホウキで掃く、ヘンなスポーツ?”的な目で見られがちなのであるが、実態は氷上のチェスなどと呼ばれるように、理詰めの頭脳戦が試合の流れとして存在する。ハイパースポーツ版では敵チームとの対戦要素はなく、目標となるサークルの中央にいかに寄せられるかだけを競っている。氷の温度と氷を掃くタイミング、速度でターゲットにどれだけ寄せられるかが決まる。簡単そうに見えてなかなかサークルの中央へ導くのは難しい。

棒高跳び

MSX30周年:コナミ第9回
↑空高く舞い上がる爽快感こそがハイパースポーツの醍醐味だ。


 ハイパーシリーズらしく助走のスピードと共に、棒を立てるタイミング、ボタンを押したままにして高く舞い上がり、棒を手放す瞬間の見極めが必要だ。とにかくマトモに飛び上がるのが大変な上、バーに触れると簡単に落ちてしまう。ただ、飛び越えたときの快感もまたシリーズ随一である。おもわずガッツポーズをとってしまうこと請け合いだ。

 さてハイパースポーツは、1プレイの時間は他の作品と比べても短めであるが、“連打するだけ”、“タイミングよく押すだけ”という分かりやすさは、複雑になってしまった現代のゲームの追随を許さない。没入感もハンパ無く、自己最高記録更新時などには妙な達成感すら感じる。小ぶりな印象とは裏腹に全種目を遊びきるのは案外と大変であり体力をも要する。ボリューム不足など感じている間もないぞ、若者の諸君。
 しかし我が至高のテクニックを見せつけたくても寄る年波には勝てず、さすがに“自転車”あたりになると腕に激しい疲労が……。いや、江戸っ子は最後までやせ我慢だ。

(C)Konami Digital Entertainment

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ここからは恒例のツイッターおたよりコーナー。

ゾルゲ市蔵 @zolge1さん
西和彦がMSXのスプライト部分の強化に興味がなかったと聞いて納得。思えば2+の自然画もその流れか。

――そのあたり、以前の記事(http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/158/158816/)もぜひご参照ください。ゲーム機ではなくホームコンピューターを目指していた的な話です。

NAK山 @nak8801さん
ハイパーシリーズ最終作が「流しそうめん」という事実に愕然としました。ハイパーショットで遊びたい。

――ハイパーショットで! うちのは、表面がはげてました。ボールペンでこすりまくったので。そこまでして流しそうめん食べるか!?

 それではまた次回。ツイッターでのご意見ガンガンお待ちしております。

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